テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想 (文春新書)
アメリカの道徳心理学者ジョナサン・ハイトは、すべての道徳が善悪二元論になっており、そこには進化論的な基盤があると主張した( 15)。政治思想を「リベラリズム」「リバタリアニズム」「共同体主義」「功利主義」に分けるのは、ハイトの分類とも整合性がある。  ハイトによれば、わたしたちは次の6つの道徳基盤をもっている(一部の用語を変更した)。 ①〈安全/危害〉子ども(家族)を保護しケアする。弱い者を守る ②〈公正/不正〉協力する者に報い、不正を働く者を罰する ③〈忠誠/背信〉共同体の結束を強める。仲間意識。愛国心 ④〈権威/反抗〉階層のなかで(上位や下位の者と)有益な関係を結ぶ。支配と服従 ⑤〈神聖/穢れ〉不浄なものを避け、精神や身体を清浄に保つ。宗教感情 ⑥〈自由/抑圧〉自由と私的所有権を尊重する