♧④ 11/15 【 スタッフのようにプロジェクトチューニング 】
それぞれのチームが考えているプロジェクトのチューニングからスタートした4回目。お互いのことを聞いて、フィードバックをし合う時間を持つことで、チームは違くともみんなで一緒につくっていく。テーマの問い「よりよい自然との関わり方」を意識しながら、スタッフが普段しているようなプロジェクトチューニングと同じ下記の流れで行うことに。
①それぞれのチームのプロジェクトの計画を聞く(3分)
②聞いていたメンバーで①についておしゃべり (5分)
③みんなで①、②をふまえてやりとり (2分)
居場所づくりチーム(セツ、シズク、チー、レイ、カイ、コハク)
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セツ「私たちのミッションは、安全安心居心地の良い場を、最低限のもので、地域の人と一緒につくること。また開拓をはじめようと思ってて、中間発表の日までずっと続けていく予定。時間があれば、今日は森を見に行く。しんさんに、環境調査の資料を次あたりにもらう予定。開拓した場所にハウスみたいなものをつくろうと思ってて、それがどうしたらできるかを考える。自然のローインパクトの中でどんなことができそうか、スケッチした。」
居場所づくりチームの発表を真剣に聞く川チームと食べるチーム。発表が終わると、「ハウス」についてすぐにしゃべり出す。ユウタ「ハウスは、あずまやみたいなのがいい気がする。その下にテーブルや椅子、小さい倉庫とかもつくって。」コウタロウ「どこに作るのかな。今開拓しているところは、けっこうオープンだよね。あそこに作るべきなのか?森感はどうなるのかな?」ノイ「家、までいくとやりすぎかもね。」コタロウ「ローインパクトがキーワードだね。」ノイ「すでに開拓したところに何かをしたほうがいいよね。」コタ「風の本棚のぱくりじゃないけど、森の本棚とかおいたらどうだろう。」...その後も用いる素材について、「木がいいね」「ロープは藁とか自然のものの方がいいよね」とおしゃべりは続く。
川チーム(ノイ、コタロウ、コウタロウ、コタ、ユウタ)
川チームはコウタロウが計画を話し始める。「川チームは、この川の水源地を探る。この水は飲めるの?ってことを調査する。保健所にも協力してもらう。もし飲めないとしたら、飲めるようにするにはどうすればいいのかを考える。ろ過したりとか。」 続けてユウタが「昨日の森川プロジェクトの活動とも重なるんだけど、川の水源地を調べる一環で、下流に行った人はいる?」と投げかけると、行った行ったーと勢いよく手を挙げるジュンやシンノスケたち。ユウタ「また今度、川の上流にもいって水源地を調べる予定!」シンノスケ「そん時誘ってー!」...テーマプロジェクトの時間以外にも、チーム関係なくお互いの活動に興味関心を寄せて、自ら活動する場面が増えてきた。
ユウタ「飲める川を保健的にちゃんと証明してから、色んな人に飲んでもらうことになる。それで飲める方法がわかれば、ホットドリンクがどういうものがいいのか調べたりつくったりしようと思う。」
川チームの発表が終わると、食べるチームはすぐに自分たちと引き付けて考え始めた様子。シンノスケ「川の水が飲めるってわかったら、その水を料理にも使えそう。今まで水道水でやろうと思っていたけど、飲めるなら食べるチームが調理するときに使いたい!」...その横で川チームは必死にメモをとりつつ、「ほおほお。コラボってことですね!」などとつぶやきながら一生懸命聴いている。
アオイ「ホットドリンクができるってミッションができたら、他の飲み物とかもできそうだね。」ココロ「湧き水をとったのか、川に流れている水をとったのか、とかも知りたいな。」シンノスケ「おれたちがコラボしたら衣食住完成じゃん!」...スタッフもチューニングをする一員として時に問いを投げかける。ざっきー「自然とのかかわり方、共生の視点で考えてみると、川のインパクトってどう考えるんだろう?」シンノスケ「石はあまりとらない方がいいと思う。一つの石だけで、多ければ何十種類も虫や生き物がいたりするから。」
食べるチーム(アオイ、シンノスケ、ココロ、ユナ、ジュン)
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最後は食べるチーム。シンノスケ「僕たちは、放射線量を調べたり、冬に食べられるものを探すというのがミッション。自然のものを、より美味しく食べられる方法を調べる。たとえばグミの実は、そのままでなくジャムにする方法とかを考えて食べる。あとは、公開するかどうかはわからないけど、どんな木がどこらへんにあるかっていうマップをつくろうかなと思ってる。あとは、いま食べるものも選んでて、まずニジマス。いい場所を知っている。クルミとかも、拾えれば。魚を塩焼きにしたりする串を、木を削って作ろうと思っている。みんなで食べれたらいいな。」
発表後、川チームのユウタがつぶやく。「あんまり木の実もとらないほうがいいんじゃないかな。」コウタロウ「そう、持続可能性。やっぱ食べ物の持続可能性も考えなければ。」シンノスケ「ちなみに魚は、ぜんぶ外来種の予定。」ユウタ「それならよさそう!」
居場所チームは、毒のあるものを間違えて食べてしまう危険性について話している。セツ「間違いを防ぐためにも、事前にしっかり調べておくことが必要そう。」チー「あとは限られた人だけがとる、たとえば食べるチームだけ、とかってしておく。それ以外は食べないで、他のことに使ったりする。」セツ「量って?たくさんなのか、どれくらいなのか。自分もよくわかんないけど、どれくらいまでがローインパクトなのか。それは開拓の方も一緒だな。」チー「外来種をとるっていうことで、逆に外来種を食べていた生き物はどうなるのかな?外来種はたしかにとった方がいいけど、とりすぎないようにしたほうがいいのかも。」
...物事を一つの側面だけでなく、色々な角度からとらえようとしているのだなー。
プロジェクトチューニングをして、それぞれがまさにここを深めた方がいいな、ということが出てきたタイミングで、ライブラリーのみっちゃんから情報活用についてお話をしてもらうことに。みっちゃん「アウトプットはアースデイっていうかたちになるんだよね。これから自分たちのアイデアを形づくっていくと思うんだけど、そのアイデアを裏付けるステップのヒントになればいいなと思う。誰か、ボランティアお願いできますか?」...はーい!!と、カイ、シンノスケ、ユウタ、ジュン、アオイ、レイが快く前へ出ていく。みっちゃんは3種類の食パンを取り出して、「出てきてもらった6人は、どんな理由でもいいから、この3種類の中だったらどの食パンがいいかを教えて。それがなぜ?っていう理由も。」と投げかける。6人は、「パン屋のが一番うまいっしょー!」などとつぶやきながら、パンを触ったりパッケージを見たり。結果、選んだのは全員パン屋さんのパン。ユウタ「ヤマザキとかパスコだと、工場とか機械で焼いてそう。それよりもパン屋さんのかまどで焼いてくれたやつのほうが、焼き立てのいいやつが食べられそうな感じがする。」アオイ「食べたことないけど、ちゃんとしたお店でつくってそう。こういう(メーカー)のはコンビニに売ってそうだけど、これはちがう。色も美味しそう。」ジュン「耳がかたくて、中がもちっとしているのがいいな。」シンノスケ「においの野生的なカン!」カイ「触った感じでわかる。ダブルソフトはやわらかすぎる。実は一度このパン屋さんのものを食べたことがあって、めちゃめちゃおいしかった。他のも食べたことあるけど・・・。」...それぞれ自分の五感を使い、イメージも交えながら、理由を述べていく。
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みっちゃん「他にも原材料に着目した人はいるかな。実はこのダブルソフトと超熟には原材料が書かれているけど、一方でこのパン屋さんのにはどこにも原材料が書かれてない。」ジュン「添加物が入ってないからなんじゃない?」みっちゃん「そうかな。それもわかんないよね。みんなには、誰にいつ話を聞いたとか、どの本に載ってた、とかっていうことを大事にしてほしいと思うんだよね。今は食パンを切り口にしたけど、みんなのアイデアをうらづけるものに出会ってほしい。」「私料理が好きだけど、料理ってすごい探究だと思う。アースデイのイメージがここ(最終形)だとすると、自分たちのアイデアは調味料。自分のアイデアだけでも、材料だけでも足りない。うまく調理して出してほしい。どんなにいい材料を集めてきても、それは他のアイデアを温めているだけな感じがする。材料集める、自分たちのアイデアをそこに入れ込む。それで、アウトプットしてほしいなと思います。」
...みっちゃんの貴重な話をそれぞれ胸に、残りの時間はチームごとに分かれて活動へ。
居場所チームは、前期でKAIさんたちが作り進めている「風越ベース」と呼ばれる場所を見に外へ。まさに今、子どもたちとKAIさんでつくっている最中の空間を目の当たりにして、刺激を受けた様子。
川チームは、あすこまさんに伴走してもらって、外とつながることについて、その前段階で考えるべきことを整理して、これからの道筋を明らかに。ユウタは自ら議事録をとり、素早くチャンネルにあげていた。
食べるチームは、チューニングでのフィードバックも踏まえつつ、もう一度今後の方針を考える。シンノスケ「正直風越の森は、食べ物が少なくて、食べるチームには過酷な環境。植物相が偏ってるんだよね。オニヒョウタンボクの影響もある。」「この森の現状を、はっきり伝えたほうがいいかな。アースデイでワークショップを開いたりして。」アオイ「いいね。説明もだけど、もっと楽しい感じにしたいね。例えばイメージは、コマドリのワークショップみたいなのがいい感じだと思う。」ココロ「あとは例えば、オニヒョウタンボクが有害なら、それをとって何かを作ればいいのかなって。リースにして、ワークショップ先着何名とかにして渡したり。」
...いいねいいね!、とやりとりをしていくうちに、なんだか「食べる」チームじゃないかもな、「ワークショップ」チーム?「共生」チーム?、と考え直すメンバーたち。本来の目的に立ち返って考えているからこその姿があった。シンノスケ「おれは外来種について今のところよく知ってる。まずは、スタッフ含めてこのチームの人たちに、外来種の現状を知ってもらうことが大事だなって思う。おれの、じゃなくて、みんなのアウトプットデーにするためにも。」
その後、昼休みにもかかわらず、食べるチームはオニヒョウタンボク(?)を確認しに森の中へ。森を歩きながら、何ができそうかアイデアをふくらませていく。
なんだか最近、テーマプロジェクトの時間に限らず自ら活動する姿が増えてきた56Aのメンバーたち。今まで時間をかけて森と出会ってきた彼らが、テーマをグッと自分の手元に引き寄せて進み始めている。