♧②11/05 【 風越山に登る日 】
「見て、本気の装備!」「はくせい手袋持ってきたよー。動物の死骸があっても大丈夫」
テーマプロジェクトの時間になると、ファイヤーピットのあたりに集まってきた。それぞれが必要そうなものを自分で考えて用意してきている感じから、外での活動に慣れてきていることや、今日の登山を楽しみにしていることを感じる。
この日は、他のプロジェクトも外で集合しているようで、少しラボの方へ移動したところにベンチで円を作って座った。
木に登っていたジュンが降りてきてベンチに座ると、タイチが話し始めた。「大切にしたいのは安全に帰ってくること。自分のことはもちろん、周りの人のことも気をつけて登ろう。」風越山を登るときに気をつけることをいくつか説明した。説明が終わると「早い人と遅い人で進んで、みんなが集まってテーマ発表でいい?」とゆうた。「もちろん。」とタイチが答える時には、カイ、ジュン、シンノスケ、ユウタは立ち上がり、歩き出そうとしていた。ユナも髪を縛り直して出発の準備をしている。
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風越山へレッツ・ゴー
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学校を出発し、まずは登山口があるアイスパークへ向かった。「風越山ってアイスパークの裏らしいね」チーが話している。普段通っている場所の近くに山があると思っていなかったらしく、どんな山なのか気になる様子だ。「雨だったら登りたくないね。」とセツがいうと、ユナが「今日は天気も良くてちょうどいいね。」と話しながら、「この色好き!」と目に入ったも紅葉のことも話している。ちょうど紅葉が見頃の時期で、自然と目がいくようだ。
アイスパークが見えてきた。「え?あれ?」アイスパークの後ろに風越山も見える。もちろん、これまでも見えていたはずだけど、今回あらためて山があったことに気づいた子もいる様子だった。「思っていたのと違う」「登れるのかな?」「虫いそう!」と山を見た感想はそれぞれ。
さぁ、いよいよ登山口へ。以前に登ったことのあるユウタが登山道までみんなを先導した。
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落ち葉の積もった登山道
登山口から登り始めたが、最初から急な階段。階段が終わると急な斜面に積もった落ち葉で、足元は少し滑る。足元を確かめながら登っていく。木の根が天然の階段のようになっているところも。
「どんぐりの芽が出ている」とアオイ。「わー!なんかのうんこ発見!」とカイ。山に入るといろんな発見があるようだ。さらに登ると道は狭くなり、さらに急になる。しだいに、先頭と最後尾との間が開いていく。それぞれのペースで登っていた。
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急な坂が終わって、山頂に向かって緩やかな坂が続く。そこにある岩に登って、高さを確かめるカイ。「100メートルは余裕であるんじゃないかな!」
山頂に着くとそこからの眺めを楽しんだり、あたりにあるものを見回したりした。「あれがツルヤかな」「ってことは、湯川公園はあの森?」山頂から見える軽井沢の街は、普段と違う視点のためいまいち位置関係がわからないらしい。石でできた祠のようなものがあった。「これ狼煙台」とコウタロウが説明する。ユウタがスマートフォンで中にある文字を撮影して読み取ろうとしてる。
しばらく思い思いに過ごしていると、タイチが全体に声をかけた。いよいよテーマ発表だ。
私たちは森とどう関わるのか
山頂の開けたところで少し低い場所にタイチが立った。子どもたちは、それを見下ろす形で岩やベンチに腰を掛けている。タイチが落ち着いたトーンで話し始めた。
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「大切にしたい問いを考えました。『よりよい自然との関わりとは?』。迷子になったらここに戻って考えましょう。」「テーマは『森とつながる アースデイ風越』です。アースデイは4月22日なんだけど、元々何でもない日らしいです。やってみた日、それがあなたのアースデイ、らしいので日付にこだわらずにやることにしました。それからこれまで取り組んできた、チームごとにミッションを考えてきました。」
それぞれのチームにミッションが伝えられる。具体的なミッションが伝えられると「ホットドリンクいいね!ジンジャーとか」ゆうた。他にもいくつかアイデアが出てくる。
ミッションに加えて、環境活動報告書を作成すること、中間発表を12/1に行うことなどアウトプットに関することが伝えられた。話の中で、タイチはミッションや環境活動報告書は自分たちでより良く変えていっていいこと、つながる人につながったり調べたりして中間発表を行ってほしいこと、お互いのチームが関わり合いながら進めてほしいことを強調していた。
そして、最後に「より良い自然との関わりのために、フィードバックをくれた人とのやりとりが必要だし、活動に根拠を持てるといいなと思います。」と伝え、テーマに関することが手渡された。
ランチ&アイデア発散
チームで分かれ、お昼ごはんを食べながらアイデアを出し合った。
「アウトプットデイのフィードバックに、居場所にくつろげる場所があったほうがいいって話あったけど、前からハンモック作りたいって思っていた。これは作りたいな。」セツがフィードバックを踏まえて話している。「寒くなったら何がいりそう?」と話をふると「カイロとか?技術家庭室で、ひざ掛けもつくりたいな」とチー。環境を考えると何を持ち込めるんだろう?持ち込めないものは?と話が広がっていった。
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居場所チームの隣では、川チームが話している。「森のことを知り尽くした方がいいともう。」とコウタロウ。植物のことも、動物のことも。「アウトプットデーのときにKAIさんがこれ環境への影響ってどうなのって言ってたのも気になってるなー」とコタ。「いいか悪いかっていろんな見方があるよね。時間軸の話もある」とタイチがいうと、「外来種とか?」とユウタ。「生物と生物との関係とかも」とコウタロウも話す。川についていろんな視点が話し合われていた。記録の残し方として、コウタロウが別のプロジェクトで作っているホームページの話もしている。
食べ物チームは、森や川で食べられそうなものを出しながら妄想がふくらむ。「カレーやシチューやあったかいものは、冬にうれしいね」とユキ。「昆虫とかも食べたい。今0円食堂やフードロスについて考えるプロジェクトとつながってできそう」とココロ。「来た人が気軽に食べられるような、あったかいものがいいね」とユナ。川の魚もとって提供しよう!とどんどんアイディアやレシピを出すシンノスケ、ジュン。アオイは、「前は、せっかくとったクリやキノコなどを腐らせてしまったのが反省」と、前回の活動を振り返る。「保存方法を工夫するとかはできそう?」とポンが聞くと、「冷凍することもできるし、保存については調べてみるといいかもね」「あらかじめ、使う分だけをとるように、計画してから進めよう」「レシピづくりは料理が得意な保護者にも協力してもらおう」とどんどん意見が出る食べ物チーム。
お昼ご飯を食べながらのおしゃべりは、プロジェクトの話以外でも盛り上がった。週末見たアニメの話や学校の話。どのチームもすごくリラックスした雰囲気で話している。ご飯を食べた後は、またそれぞれが思い思いに過ごした。落ち葉を首元に当てるイタズラをしたり、別の道を降りてみたり。
下山までが登山
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そうして、しばらく過ごしてから下山した。また、登ってきたときと同じように、それぞれのペースで下りて行った。さくっと下りる人もいれば、急斜面を恐る恐る下りる人も。中には、山椒を摘んだり、木の実を採ったりとたっぷり寄り道をして帰る人たちもいた。
前回のテーマプロジェクトで、それぞれの言葉で森を語れるようになることを取り組んできたメンバーらしい風越山登山だったかもしれない。