演出とルール
『ルール1』、『ルール2』ではエフェクトを中心として大量のデータが追加されている。本書にも、多くのデータがそろっている。これらのデータを運用していく上で、覚えておいてほしい考え方がある。それは、"演出でデータを超えるような使い方をしてはならず、ルールとその結果を優先する"ということだ。
例えば、《黒の鉄槌》というエフェクトがある。重力を局所的に発生させて敵を押しつぶす、というエフェクトだ。《黒の鉄槌》の演出は、どこにどのように重力を発生させるかによってバリエーションが変わるだろう。真下に発生させれば動きを止めるように思えるし、横方向に発生させれば対象をはじき飛ばせるように想像できる。だが、《黒の鉄槌》の効果はあくまでも「攻撃:LV×2+2の射撃攻撃を行なう」ことである。それ以上の付随効果は発生しないし、頭部に直接重力を発生させて相手を即死させるような使い方はできない。
演出としての効果
その上で、エフェクトを書かれた記述以外に使いたい場合もあるだろう。《インフィニティ・ウェポン》でフォークやナイフを作り出したり、《焦熱の弾丸》で薪に火をつけたりなどである。このような場合は、GMがテーブルルールとして、効果を判断してもらいたい。
なお、こういった演出としてのエフェクトとして「ルール2』にイージーエフェクトというものが用意されている。そちらの取得を勧めるのも有効だろう。
データ優先という考え方
これは、プレイヤーのアイデアや演出に意味を見いださない、ということではない。実際はその逆である。プレイヤーのアイデアや発言が暴走することを防ぎ、言った者勝ちにしないということである。もし言った者勝ちの環境になってしまえば、最終的に勝利するのはその場所、ゲームコミュニティ内で一番高い発言力を持つ者が勝利することになってしまうからだ。
そこで、特に数値のやりとりが問題になる戦闘の処理(命中判定やダメージロール)では、データに記述された効果を厳密に適用するのがよいだろう。