ニューヘヴン島紛争
20年ほど前に南太平洋のニューヘヴン島で勃発した民族紛争。島内に共存していたふたつの民族による土地争いに端を発した紛争は、実に5年にもわたり、同島民の10%以上が死傷するという未曾有の大惨事となった。
この紛争は、本来ならばここまで大規模なものになるものではなかったという。紛争が始まってから4年後、物資の不足から戦争の継続が不可能となり、両勢力の間で和平交渉が行なわれることになったからだ。しかし、ここにFHが介入した。和平交渉を失敗させると同時、兵器や物資を提供することで紛争を長期化させ、さらに兵士たちをオーヴァード化あるいはジャーム化させて互いに戦わせることで、オーヴァード兵士の実用性とその戦闘能力を測ったのである。結果、この最後の1年間に出た被害は、前4年をはるかに超えるものとなった。
この紛争の交戦記録には、数多くの"バケモノ"の目撃証言が残されており、兵士たちの中にオーヴァード、もしくはジャームが存在したことを示唆している。
戦闘中に味方が触手の怪物に変貌した、敵方に豹人間がいた、ゲリラが空を飛んでいたなどといった荒唐無稽なSF映画やTVヒーロー番組のようなモノの発見、あるいは交戦の報告。これらの目撃証言が、すべてオーヴァードないしジャームによるものであったと仮定した場合、ニューヘブン島紛争におけるレネゲイドの被害は、全体の20%にも及ぶと予想されている。