シナリオ内のプレイングテクニック
プレイングにおけるテクニックについて解説していこう。PCを介さずに、プレイヤーは何ができるのか、である。
GMへの提案
プレイヤーの発言の中で、大きな比重を占めるのが、GMへの提案だろう。ゴールデンルールによって、あらゆる結果に対して、最終的な決定権はGMに委ねられている。よって、プレイヤーはGMに対しては行為のイメージやアイデアを提示することになる。それではGMに提案することで行なえることとはなんだろうか?なお、改めて解説するまでもないだろうが、GMに自分の提案を却下されても、憤ったりしないように。
行動の宣言
キャラクターの行動がルール的に正しいものであるかどうか、GMに問い合わせる必要があることもあるだろう。たとえば、敵とエンゲージしないように移動が可能かどうかである。こういったGMの裁定が必要になる行動は存在する。そういった場合には、行動の宣言の前にGMに問い合わせる必要があるだろう。
行動の演出
プレイヤーとしてPCが宣言した行動をどうやっているのかという演出部分は、非常に重要である。そういった演出をうまくやることはプレイヤーとしての大きな楽しみである。
シーンの提示
プレイヤーとしてみずからのPCの演出、あるいはモチベーションを高める(確定させる)ためにシーンを必要とする場合もあるだろう。そのような時、プレイヤーは、GMにシーンを要求するべきだろう。もちろん、セッションにおけるTPOや時間などの外的な要因もあるだろうが、それはGMが決定すればよい話である。
その場合は、登場して欲しいNPCやPCの指定、シーンで何がしたいのかなど、シーンのイメージや狙い、やっておきたい行動も含めてGMに提案するべきである。そういった材がなければ、GMとしてシーンを作成する必要があるのかどうかの判断ができないためだ。
積極的なゲーム参加
GMへの提案を行なうことの最大の意義はゲームへの積極的な参加である。GMからの働きかけをただ待っているだけではなく、自分から積極的に動くことで、セッションの進行や自分なりのペースを作ることができるのだ。たとえば、他のPCとの接触や合流である。GMに任せてもよいのだが、自分から登場を提案することで、自身のシーンへの登場の演出や他のPCとの会話を楽しむことができる。RPGにおけるプレイヤーはお客さんではない。他のプレイヤーやGMと対等なゲームの参加者なのだ。
購入判定
物品を調達する購入判定もGMに提案して行なうものである。購入判定を行なう場合は、何を入手するのかをGMに正確に告げること。
意見の調整
みずからの提案が常にそのまま通過するのであれば、世の中楽に生きていける。だが現実にはあなたの提案はしばしば却下されるだろう。そうでなければ誰か他のプレイヤーの提案が却下されているはずである。そのような場合にどうするか?本格的な交渉術、ディベートという技術については専門の実用書などに譲るとして、ここでは、どのような提案が他人に拒否されるのか、という観点から、よい提案の仕方について解説してみよう。
メリットはあるか
まず、重要なのは、相手にとってその提案は魅力的かどうかである。提案は自分に利点があるので、行なうモノなのであり、提案が通ることがあなた自身の利点であるはずだ。そして、あなたの要求を聞き入れることで、相手にはメリットがあるだろうか?その点を考慮しよう。相手にも意味のある提案でなければ受け入れられない。
ポジティブに
相手に対してポジティブな提案をしよう。つまり、キミは●●なんかできないんだから自分(のPC)に任せろ、という提案と、これは自分(のPC)に得意な分野だから任せて欲しい、という提案ではどちらが受け入れやすいだろうか?ネガティブな表現の方が、相手のリアクションを(主に悪い方向で)得やすいが、提案を受け入れてもらうには適していない。
ダメなら諦める。自分の提案にこだわり過ぎるのはよくない。提案を却下されたなら食い下がらずに、諦めよう。もし、それでもひっかかるのなら、セッション終了後に、そのことについて話し合うこと。
クールダウン
どんな交渉ごとも、説得も感情的になってしまってはうまくいかない。矢継ぎ早に質問したり、早口で押し切ったりしないように。クールになることを心がけよう。これはGMも同様だ。相手の理解と共感を得るためには、理性的に落ち着いてゆっくりと喋ることが重要になる。発言の前に、気持ちを落ち着けてから発言しよう。