UGN日本支部の歴史
日本UGNと日本政府
現在、日本UGNは労働厚生省との契約に基づき、レネゲイド関連の事件に対する、さまざまな特権を得ている。だが、UGNと日本政府が最初から、このような円滑な協力関係が結べていたわけではない。
当初、日本政府はUGNへの協力を拒んでいた。日本の治安は日本の手で守ると、労働厚生省と公安警察が手を組んで、レネゲイド対策本部を設立。日々増え続けるレネゲイド関連事件に立ち向かっていた。
だが、限界はすぐに訪れた。
オーヴァードに対抗できるのは、オーヴァードだけ。一般人で構成された日本のレネゲイド対策本部に、レネゲイド関連事件への対応は荷が重かったのである。さらに、オーヴァードのすべてが犯罪に走るわけではないことが判明したこともあり、まずは労働厚生省がUGNの思想に共感。UGNとの協力関係を築くため、正式な契約を結んだ(*)。
日本UGNが本格的な活動を開始したのはそれ以後のことだ。
なお、この時点で公安警察は、オーヴァード排斥の方針を崩しておらず、UGNとの契約は労働厚生省の独断で行なわれた。このことが原因で、労働厚生省と公安警察は決別。その禍根は現在も残り、解決されていない。
近年の日本UGN
これまで幾たびかの危機を乗り越えてきた日本UGNだが、現在は内外に敵を抱える、大変危険な状態にある。
少し前に起きた、UGN日本支部で起こったクーデターという最大の危機。それによって乱れたUGNの支部間の結束もようやく取り戻されようかというタイミングで、コードウェル博士の帰還が発生したためだ。
UGN創立者みずからが発した、現UGNを否定する言葉は、日本UGNにも大きな衝撃を与えた。ただ、このことで他国の支部ほど離脱者は出ておらず、かろうじて組織の体裁を保つことはできている。
これは、UGN日本支部長である霧谷雄吾の手腕によるところが大きい。彼はコードウェル博士による放送ジャックが行なわれた直後、即座に各支部の支部長を召集。混乱の沈静に努めた。この迅速な行動によって、日本UGNは、組織の瓦解という最悪の事態を免れたのである。
だが、安堵したのもつかの間。新たな問題が次々と起き始めた。組織混乱による支部機能の低下。それにともなう、イリーガルへの対応の遅れ。そして、エージェントとイリーガルの間に生まれた軋轢などが、それにあたる。
イリーガルとの衝突、そして.....
混乱に揺れるUGNの影響は、イリーガルにまで及びだしている。エージェントが混乱している影響を受けて、UGNとイリーガルが衝突する事態が多発するようになったのだ。UGN側のイリーガルへの対処が曖味になったことで、不必要な被害が多発するようになったことが原因である。
普段は一般人として生活しているイリーガルにとって、組織からの援助が受けられるかは、自身の生死に関わる。だが、UGNが混乱しているため援助が受けられない、誤情報を与えられる、エージェントとの連携が取れないなどの事態が起こるようになり、UGNに対する不信感が高まっていっているのだ。
さらに、とある街では、イリーガルがUGNを追い出すという事件が発生し、ある街ではエージェントによるイリーガルへの攻撃が敢行された。こういった衝突の中で、犠牲になった一般人もいる。思いあまったエージェントが、協力者であるイリーガルの少年を攻撃し、少年をかばった家族が死亡するといった悲劇まで起きた。家族を失ったこの少年は、事件後にUGNを離反。姿を消したという。