UGNクーデター
UGN日本支部で起きたクーデター事件。それはS市とK市というふたつの街で起こった事件が発端となっていた。
ここではUCNを大きく揺らした、クーデター事件について触れていく。
芽生えた災厄
K市のホテルにて極秘裏に行なわれる予定だった、UGN幹部会議。
そのタイミングを狙って、UGN内部に潜んでいた反乱分子が決起。クーデターを起こした。
クーデターそのものは、かろうじて阻止できたものの、一時は日本支部が乗っ取られるかという状態にまで陥った。だが、事件が起きたタイミングが、会議が行なわれる直前だったということもあり、日本だけでなく、UGN本部にまでこの問題は波及した。
UGN本部は、日本側の怠慢を糾弾。クーデターが発生したのは、UGN受け入れが最も遅れた日本に原因があるとした。
これに対し、当然の如く日本側は猛反発。この反乱を些事として対応の遅れたUGN本部側を非難した。UGN内部あるいは各国政府間においても同様の意見対立が発生し、事態は大きく紛糾したのである。
これにより、UGN自体の求心力が低下し、各支部の統括もゆるんでしまった。そして、この状況を対立する各組織が見逃すはずがなく、UGNの失墜に拍車をかけることになった。
以降、UGNは組織力を大きく低下させ、長く不調の状態が続くこととなる。
クーデターの首謀者
クーデターの首謀者はUGN幹部のひとりである長瀬明という男である。その正体はFHエージェント"ロード・オブ・アビス"。
彼はUGNに潜伏しながら、10年という歳月をかけてクーデターの準備を整えていった。表向きは従順に任務をこなして信頼を得ていきながら、裏では反乱分子を育て、UGNの主要施設へ送り込んでいく。さらに、私兵を増やすため、UGNの研究施設を使って、人為的にオーヴァードを発生させる研究をも、極秘裏に進めていた。その結果として生まれたのが、任意に人間をオーヴァード化する能力を持つ"クイーン・オブ・ブルー"と呼ばれるオーヴァードである。
裏切り者の最後
"クイーン・オブ・ブルー"の完成、そしてクーデターの決起が近づき、長瀬は戦力を増やすべく、オーヴァード量産計画を実行することにした。その実験場として長瀬が選んだのが、自分が任されている担当地区のひとつ、S市である。その頃S市では失踪事件や、連続殺人事件が起きていたが、これはすべて長瀬によるオーヴァード量産計画によって起きたものなのだ。
この実験において"クイーン・オブ・ブルー"は予定通りの機能を発揮し、長瀬のオーヴァード量産計画は成功した。
だが、肝心のクーデターそのものは成功することはなかった。
UGN会議が行なわれていたK市では、UGNのK市支部とその協力者たちの手によって反乱分子が鎮圧された。そして、すべての計画の首謀者である長瀬もまた.、UGNS市支部長である薬王寺結希と彼女の協力者たちの括躍によって、倒されたのである。
こうしてクーデター事件は失敗に終わった。この後、UGNは大きく弱体化することになるが、最悪の事態は免れ、かつての組織力を取り戻すための戦いが始まるのだった。