チップチューンの流派のtips
overview
実機音源シーンの話にはなりますが、海外ではひとつのソフトウェア(Trackerが中心)につきひとつのコミュニティがある印象が強いです。
長く続くFamitrackerの界隈は今も非常にユーザーが多いです(オリジナルではFearofdark,nu11 カバーではbranfreaks,Lumena-tanなど)
統合型チップチューン制作ソフトであるFurnaceTrackerもカバー、オリジナル共にDefilmask勢が移動した感じがありとても盛況なイメージです。(John Tay,Abstract64 など)
OpenMPT (ModplugTracker)やImpulse Trackerなどの、MOD,XM,IT,s3m (ClassicDOS Moduleといわれる) の界隈ではあえて容量に制約を持たせたキラキラしたチップチューン (Fakebit??)や、自由に音源を取り入れデジフューなどが作られており、またこれも独自の音楽感が形成されているように思います。 (Malmen,Stinkbug,Jaysterなど)
デモシーンを軸としたオールドスクールなチップチューンシーンも技術の向上と共に独自の進化を遂げている気がしますね。
Commodore64,ZXSpectrum,ATARI (STや2600)というファミコンとほぼ同時期に生まれたPCやハードウェアがあるのですが、(僕は勝手にこれらの4つを8bit機四天王と呼んでる) 今でもとても根強い人気があり、それぞれのファンが当時の音源をそのままにチップチューンを作り交流しています。
当時の環境が一直線上に繋がっているので、ゲームやデモを含めたデータベースが物凄く、調べると非常に興味深いです。
諸流派について
チップチューン、色々流派があると思っていてそれをざっくりまとめてみました
・ダンスミュージック勢
テクノなどの影響が濃い方々。ゲーム機の実機を使う方が多い気がします
例: saitone、gigandect等
・ポップス勢
シンプルな矩形波を取り入れたポップスを作る方々。
DAWを使う方が多い気がします。
例: YMCK、ヒゲドライバーなど
・ゲームカルチャー勢
ゲーム音楽ネタの影響が濃いアレンジを取り入れていることが多い。実機、DAWどちらも同じぐらい使われている気がします。
例: キックザカンクルーのMCU、KUNIOなど
・音ゲー勢
音ゲーに楽曲提供している方々。
DAWを使う方が多い気がします。
例: 黒魔、ああ…翡翠茶漬け等
・アニソンカバー勢
アニメの8bitカバーをメインに作る方々。
実機、DAWどちらも使われている気がしますが、実機を使う方が目立っている気がします
例: 40Nix、Lumena-tan 等
・VGMカバー勢
ゲーム音楽をカバーする方々。例えばファミコンのマリオの曲をメガドライブやDAWでアレンジしたりする方など…
例: DJ CUTMAN、Button Masterなど
・デジフュー勢
Digital Fusionのコミュニティに入っている方々。矩形波と複雑なコード、+楽器という印象でジャズの影響が強そう。
例: aivi&surasshu等
・post-chiptune勢
レーベルDESKPOPを中心にプレステやゲームキューブ以降のゲームに影響を受けた楽曲を作る方々。最近はデジフューに吸収された印象があります。
例: FLOOR BABAなど
・BotB勢
Battle of the Bitsというチップチューンコンペサイトをよく利用している方々。
なんかすごい作編曲上手い人が多いです。前まで中心的人物だったkfaraday氏はクラシックの影響が濃かった
例: kfaraday等
余談
・2010年代、ゲームボーイの作曲ソフトであるLSDjがTORIENAさんを筆頭に使用されて盛り上がっていたんですが、2020年代辺りからLSDjがアップデートされすぎて、昔のバージョンとの互換性も無くなりユーザー離れが加速した…という個人的仮説があります
・ここ最近デジフューもそうだけど、ゲーム実機1つでのチップチューンよりも、楽器などを合わせたハイブリッドなものの方が盛り上がりつつある感じある気がするので面白いです
・inpujのproswell氏はchiptuneで括られるのを避けてたっぽかったし、ilkae氏はilkae氏でデジフューに括られるの嫌がってたのが難しいところある
https://gyazo.com/5622c9bcd25b1cb9dee605059208a3c7