「冬がはじまるよ」の浮遊感や転調感、またスケールの聴き取り方について
yosuga — 2/23/2023 12:39 AM
http://img.youtube.com/vi/yZt2XEjsduc/sddefault.jpg
(0:55~)Bメロ、サビ直前の「驚きを抱えながら」の「き~」で一気に浮遊感を感じて気持ちいいのですが、この音だけスケールから外れるから…なのでしょうか?
またサビの入り、途中で転調しているようにも感じたのですが、もしそうならどうしてナチュラルな風に聞こえるのかも教えていただければと思います…!!
三面相aka三日月タロウ — 2/23/2023 2:35 AM
この曲Aメロからちょっと特殊で、メロディーの軸はAメジャーのスケールなんですが、コードはF♯マイナー(平行調のトニック)なんです。(進行としてはVIm→Ⅲm)
冬の切なさの表現でしょうが、調性の不安定さはこの時から既に始まっていると思います。
肝心のBメロの転調なんですが
「わくわくするような」はⅡm7→Ⅲm7(Bm7→C♯m7)と進み
「驚きを抱えながら」で
なんとIVm7(Dm7)→F/G→E7と進みます
「驚きを抱えながら」の時点ですでにメロディーはCメジャースケールに転調しています。(つまりサビの2小節前から転調が始まっています)
この時コードの動きはというと、
まずDm7→F/GではCメジャーのⅡm→Ⅴの動き(いわゆるツーファイブ)になっています。そしてE7でAマイナーのドミナントになります。
そしてサビではAmのコード。そしてメロディーはCメジャー
つまり、Aメロと同じようなコード関係になります。
ここのCメジャーへの導入からAマイナーの導入に持っていくというコード進行のとんでもないこと!
まとめると、「冬がはじまるよ」は既にメロディーとコード進行の関係から浮遊感のある状態で始まります。
そして転調の導入のDm7は浮遊感を突き抜け、逆に爽快な動きになってしまうのです!
途中で転調したように聞こえた感性、大変素晴らしいと思います!
yosuga — 2/23/2023 4:03 AM
とてもご丁寧に詳しくありがとうございます!
なるほど、既にAメロの頭から浮遊感のためのテクニックが現れていたんですね…
そしてサビ直前での転調からダメ押しのE7、サビに突っ切る!感じが、たまらなく爽やかでかつノスタルジーで…いいですね…
この小3度上の転調はカービィのBGMでもよく聞く印象で、個人的に好きなのでもう少し研究してみようと思います。しかし中々難しいですが!笑
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加えて質問で申し訳ないのですが、回答をいただくまでAメロをAメジャーでなくF#マイナーで解釈していまして、なかなかスケールを聞き取ることができずにいます…今は「なんとなくこの音(トニックのコード)で終わりそう」、の感覚から調を考えているのですが、平行調と間違えて解釈しない方法などありますでしょうか。
三面相aka三日月タロウ — 2/23/2023 10:53 AM
あー...私はかなり自己流で、メロディーを聞いてからその終着点を予測するような考え方で参考にできるかどうかは自信がありませんね.....
もしかしたら同じような考え方かもしれませんね
(中心音という概念で、ここはもう音感の特訓になってきます)
しかし参考にしている考え方はありまして、
そのメロディーの中で使われている音を数えてみることです。
弾いてみたり、楽譜に起こしたりすると分かりますが、今回の場合だとF#mのトニック(F#)はほとんどメロディーに含まれていません。
メロディーだけで聞いたときに、F#mだと判断する人は少ないのではないでしょうか
「冬が始まるよ」のような、スケール感を惑わせてくるような曲は、コード進行とメロディーの関係が複雑な曲が多いように感じます。
そういうときはメロディーで分解させて考えるのも良いと思います
yosuga — 2/23/2023 11:37 PM
勉強になる用語や視点がたくさんで嬉しかったです。ありがとうございました!!