いらないPCでNASを作ろう
はじめに
NASとは
NAS(Network Attached Storage)とは、ファイルサーバーとしての機能が組み込まれたストレージ製品です。 汎用的なサーバーをファイルサーバーとして利用する場合、OSをインストールした上でファイルサーバーとして利用するための設定を行う必要があります。
要は、「ローカル版Googleドライブ」
容量は投資すればするだけ(技術的な制限はあれど)増やし放題、転送速度も投資すればするだけ(技術的な制限はあれど)あげ放題。
今回はそれを作っちまおうって話。
用意するもの
ホストになるPC
24時間動かすことになるので、消費電力が少ないPCがおすすめ。
小さいとなお良。
HDD or SSD
自分の環境に合わせて選ぶ。
HDDを繋げるのであれば特に制約は無い。強いて言うならUSB3.0以上推奨。
SATA SSDを繋げるのであれば、ホストPC→SSDはUSB3.0以上必須。可能であればTypeCやThunderbolt端子だと良い。
有線LAN環境
一番重要。ここでどこかが弱いとすべてが遅くなるので、慎重に調べる。唯一気にしなくていいのはHDDを使う場合のみ。
SSDの場合、2.5Gbps以上の回線速度があると快適。10Gbps回線が必要なのはM.2 SSDを使う場合のみ。
有線LANの環境は、すべてが同じ規格でないと意味がない。ホストPC→ルーターが10Gbpsでも、ルーター→クライアントPC(普段使う作業用のPC)が2.5Gbs、ないし1Gbpsで繋がっていれば意味がない。
2.5Gbps以上の高速通信規格を使用する場合、クライアント、ホストPCのLAN端子、使用するLANケーブル、ルーター等すべての機器の規格を統一すること。
実際に作ってみる
使用した機材
今回のホストPCとして採用。
発売当時の2015年9月時点での価格は4.5万円の、ASUS最廉価WindowsタブレットPC。現在はヤフオク等で3000~6000円程度でたたき売りされている。
スペック表をみて分かる通り、本当に最低限のスペックしか無い。
https://scrapbox.io/files/66e5f4956552b7001c2b721e.png
今回NASのストレージに使うHDDとして採用。
2TBのHDDが1万円で売られているのになぜか倍の4TBが同じ価格で売られている。1年半前に購入した。
今回は中身を引っ剥がしてHDDスタンドに付けて使用している。
3.5インチ・2.5インチのどちらにも対応している、HDDスタンド。2.5インチにも対応しているため、SATA SSDも使える。
4TBでは足りなくなってしまうかもしれなかったため、HDDを買い足そうと思っていたが、よく考えたらそんなにいらないのでHDDは買い足してない。いつか増設するかもしれないのでその時用。
ホストPCには当然LANポートなんてついてないし、そもそもUSBポートも無いので、LANコネクタとUSBハブが一体になっていて、TypeCケーブルで繋げられるものを購入。
地味に無いと何も始められない製品。
今回のホストPCに組み込むOS。
TrueNASやRockstor、XigmaNAS等色々なOSがあるが、試したのはTrueNASとopenmediavaultのみ。
TrueNASを試した時、要求スペックにPCがまっっっったく耐えきれず、設定画面にログインすらできない始末だったため、低スペックでも安定して動くopenmediavaultを採用した。
作成手順
正直改めて書くよりも既にある記事を読んだほうが100倍わかりやすいので参考文献とつまずいた所だけ書き留める。
セキュアブートは無効にする
openmediavaultをインストールするためには、ブートUSBを作ってWindowsの入っているドライブを上書きしなければならない。
その際BIOSを開いてブートUSBを起動するのだが、ここで忘れずに「セキュアブート」を無効にしなければならない。
これを忘れるとOSのインストールができないので、気をつけるべし。
インストール時はLANケーブルを繋いでおく
おま環かもしれないが、念の為。
LANケーブルを繋いでインターネットに接続した状態でOSをインストールしないと、足りないファイル情報をダウンロードできないので繋いでおくことを推奨。
16GBのUSBでブートUSB作ったからかもしれない。もっと大容量のUSBだとこうはならないかも。
アップデートは一番最初にやる
openmediavaultはインストール直後だとアップデートが必要になる。スルーして先に他の設定をいじるより、アプデを済ませてからのほうが何かと便利かも。
IPの固定化はやる
IPアドレスの固定化はやりましょう。マジで。
IPは最初に起動した時(今開いてる設定画面を出した時)のIPと同じでOK
ネットマスクは255.255.255.0
ゲートウェイはIPと同じ値を入力
SMBを有効にする
SMBとは、ネットワーク共有フォルダをWindows上で表示、編集するための規格。
意外かもしれないが、SMB共有のパスワード等を設定しても、SMB共有をオンにしておかないとSMB共有はできない。
俺はまさかのそこでつまずいたので、備忘録として書いておく。
参考文献