a11yの話
from hott3
アクセシビリティとは
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A11Y と省略することもある
https://accrefs.jp/
アクセシビリティを向上することは、「できない」を「できる」としてサービスやプロダクトの成長に不可欠なもの
ウェブアクセシビリティは、UI/UXやデザインシステムのアクセシビリティ対応など、多くの情報がある
様々な情報があるので、(ブログなど一部の偏った情報だけに頼らずに、)体系的な知識を把握して、「合理的に」対応したい
例えば、「ウェブアクセシビリティ対応というワードでPVを稼ぎたい記事」や「ウェブアクセシビリティ対応を受注したい企業」がウェブアクセシビリティ対応を強くおすすめしているカモ?🦆
アクセシビリティ対応のオンボーディングに必要なもの
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アクセシビリティ対応を行うために、基準や規格を基に改善や検討を行っていく
行政や自治体が基準とする規格は、デザインシステムやツールが定めた基準と異なる場合がある
例えば、Material Design 3 は WCAG を使用して、最小要件を満たすとされている
Use WCAG to meet minimum requirements
アクセシビリティ対応を行う際には、どの規格に準拠する必要があるのか、ないのか、確認が必要
対応の際には、デジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」が参考になる
https://gyazo.com/3d9f8c00b4f83ffccc1a90775888d839
https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/08ed88e1-d622-43cb-900b-84957ab87826/377fe31d/20221212_introduction_to_weba11y.pdf
ウェブアクセシビリティの規格の種類
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規格が定められているので、その関係を把握すること
https://gyazo.com/4c547c84e1694f88d4c78c4ff59bd6c5
引用)ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
WCAG 2 Overview | Web Accessibility Initiative (WAI) | W3C
https://www.w3.org/WAI/standards-guidelines/wcag/
ISO
国際規格
JIS X 8341-3:2016
国内規格
JIS X 8341-3:2016は、2022年 11月現在で最新のウェブアクセシビリティに関する JIS規格です
JIS規格に対応したウェブサイトを作るためには
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ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックに、JIS規格に対応する方法が記載されている
https://gyazo.com/001f596b13da90081aaf2417c9ec150c
引用)ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
以下の工程が必要となる
調達するサービスで対応する度合いを決める
ウェブアクセシビリティ方針を定める
ウェブアクセシビリティの試験を行う
ウェブアクセシビリティの試験結果を公開する
対応する度合いには、度合いがある
調達するサービスで対応する度合いを決める
JIS X 8341-3:2016の対応度を示す方法には、「準拠」「一部準拠」「配慮」の 3つの方法があります。これは前述した通り JIS規格に基づいた表記方法ではなく、WAICが独自に定義した表記方法です。
● 「準拠」は、試験を行って達成基準すべてを満たしている場合に使えます。公開するときは試験結果を合わせて公開します。
● 「一部準拠」は、達成基準の一部を満たしている場合に使えます。一部準拠の場合は追加で今後の対応方針を記載します。
● 「配慮」は、試験の実施と公開の有無は問いません。
※WAIC = ウェブアクセシビリティ基盤委員会 https://waic.jp/
アクセシビリティ対応が行われているデザインシステム
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アプリ開発に使用されているデザインシステムでも、アクセシビリティ対応が行われている
Material Design 3 は、 Accessible design というページでアクセシビリティ対応について言及している
WCAG を使用して、最小要件を満たすとされている
Use WCAG to meet minimum requirements https://m3.material.io/foundations/accessible-design/overview#:~:text=Use%20WCAG%20to%20meet%20minimum%20requirements
ヒューマンインターフェイスガイドライン(HIG) は、アクセシビリティというページでアクセシビリティ対応について言及している
規格を基にしているという記述は見つからなかった
https://developer.apple.com/jp/design/human-interface-guidelines/accessibility
※アクセシビリティ対応が行われている ≠ ウェブアクセシビリティ規格に対応している
ウェブアクセシビリティの試験方法
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チェックツール
チェックツール
https://asada.website/webCVS/
コンストラクトチェッカー
https://colorbase.app/ja/tools/contrast-checker
総務省のチェックツール
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/michecker.html
チェックツールに頼り切らない
総務省から提供されているmiCheckerやDeque Systemsがオープンソースで公開してい
る axe-coreなどウェブアクセシビリティのチェックツールがありますが、確認できるのは達
成基準の 2割から 3割程度にとどまります。また、チェックツールによっては開発から時間
も経過し、最新のウェブテクノロジーを採用して実装されたページのテストが困難な場合も
あります。このため、試験は必ず人が目視による確認やキーボードのみの操作、スクリーン
リーダーなどの支援技術を用いた確認をする必要があります。詳細な試験の進め方は、WAIC
が公開しているJIS X 8341-3:2016 試験実施ガイドラインをご参照ください。
https://gyazo.com/e33ec79860488259ac75322ac4566c9d
引用)ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
JIS規格の試験を網羅するためには公開されている「JIS X 8341-3:2016 試験実施ガイドライン」を確認する
3.1.1 実装チェックリストの例
実装チェックリストを一から作成するのは負担が大きいため、既存の実装チェックリストを活用してもよい。ただし、ここで紹介するような既存の実装チェックリストを活用する際には、3.1.2に示す方法などを用いて、実情に合わせてカスタマイズを行った上で使用することが必要である。
実装チェックリストの例 2020年12月版(xlsx形式, 86KB)
ガイドラインによるとチェックリストを作成し、カスタマイズすることが必要である
https://waic.jp/docs/jis2016/test-guidelines/202012/
https://gyazo.com/a50bb60ff94d7de2aa90fc493746545a
参照)実装チェックリストの例 2020年12月版(xlsx形式, 86KB)
障害者差別解消法 が推進するアクセシビリティ対応とは?
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障害を理由に不当な扱いが発生しないように、国の施策が実施されている
障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、平成28年4月1日から施行されました。
障害を理由とする差別の解消の推進 - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html
施策の中には、事業者が行う事業に対して義務を与えるものがある
「事業者の合理的配慮」が努力義務から義務に改正されるたものが令和6年4月に施工される
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet-r05.html
「合理的配慮」とは、対応を必要としていると伝えられた時に、無理のない範囲で対応することが求められること
内閣府のページから引用
「合理的配慮」とは、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに負担が重すぎない範囲(=「過重な負担※1」のない範囲)で対応すること(事業者に対しては、対応に努めること※2)が求められるものです。「過重な負担」があるときでも、障害のある人に、なぜ「過重な負担」があるのか理由を説明し、別のやり方を提案することも含め、話合い、理解を得るよう努めることが大切です。 https://shougaisha-sabetukaishou.go.jp/goritekihairyo/#:~:text=配慮の提供-,合理的配慮の提供とは,-%E3%80%8C合理的配慮
ここに記載されている「過重な負担」を引用しているページから抜粋
※1 「過重な負担」の判断は、具体的場面や状況に応じて、以下の要素等を考慮し、総合的・客観的に判断することが必要です。
事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)
実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
費用・負担の程度
事務・事業規模
財政・財務状況
合理的配慮によって対応する内容は、話合いや理解を得て、別のやり方を提案することも考えられる
インターネットで問合せや注文等ができる形になっている場合に、インターネット画面への入力によるものだけでなく、電話等でも対応できるようにする。 https://www.businesslawyers.jp/articles/1361#:~:text=ウェブサイト,ようにする%E3%80%82
「合理的配慮」とは別に「環境の整備」という概念がある
具体的には、事前改善措置と表現されている
障害者差別解消法は、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置(いわゆるバリアフリー法に基づく公共施設や交通機関におけるバリアフリー化、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上等)を「環境の整備」として実施に努めることとしています(努力義務)(法5条)。 https://www.businesslawyers.jp/articles/1361#:~:text=必要となります%E3%80%82-,環境の整備とは,-障害者差別
例えば、「障害が理由でWebサイトやアプリが利用できない人から問い合わせがあった際に、すぐにWebアクセシビリティに準拠した改修を行います!」という対応は、「過重な負担がかかる配慮」となりそう
Webアクセシビリティの向上は、「環境の整備」の側面がとても強くあります。「ここが使えないので直してほしい」の声に応えて対応するのは「合理的配慮」でもありますが、やはりそれより、「困難が生じないようにしたり、その困難の程度を低くするために、事前になんとかする」のがWebアクセシビリティの取り組みです。 https://note.com/ymrl/n/n6f3670b369a9#:~:text=Webアクセシビリティの向上は%E3%80%81%E3%80%8C環境の整備%E3%80%8Dの側面がとても強くあります%E3%80%82
つまり、「Webアクセシビリティに準じることが義務化される」というわけではないとも考えられる
Webアクセビリティは「環境の整備」としてひきつづき努力義務であり、「『合理的配慮』が義務になったのでWebアクセシビリティも義務です」とはならないはずです。もともと努力義務ですし、合理的配慮が義務となった以上は、求められたら(Webアクセシビリティ以外も含む方法で)合理的配慮をやる必要があるはずで、合理的配慮はやらなければ法令違反になると考えれば、その準備としての環境の整備としてWebアクセシビリティをやったほうがいい理由は高まってると言えます。 https://zenn.dev/ymrl/articles/62f90ebcce7637#webアクセシビリティは合理的配慮なのか環境の整備なのか
参考
全事業者対象!法改正でWebアクセシビリティが義務化に!?改正の内容と対策をご紹介 - セールスマーケティングサービス|パーソルプロセス&テクノロジー
https://www.persol-pt.co.jp/salesmarketingservice/blog/web_accessibility_01/
Webアクセシビリティと合理的配慮|ymrl
https://note.com/ymrl/n/n6f3670b369a9
まとめ
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ウェブアクセシビリティ対応を実施するには正しい知識が必要!
法律の情報は国が発信している!規格のガイドラインは定めた団体が発信している!
「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」はとても充実している、バイブル!
優しいプロダクトにあふれる未来になってほしい!
優しいプロダクトにあふれる未来になってほしい!
優しいプロダクトにあふれる未来になってほしい!