職人技 過程を見せる
2019_03_14 es koyama (三田 兵庫)
2019_03_17 (福良 兵庫)
https://doubledotdesign.gyazo.com/4eac23eb73348897126b60dd18f69519
日本の高い職人の技って過程を見せないとわからない。本当に素晴らしいものが、あまりにさりげなくありすぎて忙しい現代人の目、ものにあふれた世界では目に留まらない。
上記の写真は世界を代表する左官職人、久住有生さんのes koyama内作品の一部、壁のレリーフがあえて一部作業中の段階で留められ、作品を作る最初から最後までの過程を感じ取れるようになっていた。
「ああ、手仕事なんだ!」と気づかせる仕掛け。
職人の作業と、素人の作業の大きな違いの一つは、職人の作業はどの瞬間を切り取っても美しい、ということ。作業場の素材、道具の扱われ方から、作業中の現場の状態はもとより、美しい。
過程を見せ、その作品のバックストーリーを語ることが、そこにどれだけの高い技術が含まれているのかを多くの目に気づかせて、職人の技を単価競争に巻き込ませない一つのきっかけになるかもしれない。
https://doubledotdesign.gyazo.com/3c9232c95c08a3a17f544cfbb65db1ba
そういえば、先日訪れた淡路島福良の淡路人形座では、演目「阿波の鳴門、巡礼歌の段」の前に浄瑠璃師の方が丁寧に人形がの頭(カシラ)は檜でできており、中がどの様にくりぬかれ、膠(ニカワ)、胡粉で塗られていること。目玉や口を動かす仕掛けのバネの機能として鯨の髭が使われていること、3人一組で人形を操ること、男性の人形と女性の人形の足元の違い、人形を操る棒のようなものを「さしがね」と呼び、そこから「誰の指金か!?」という言葉ができたこと、など、これまで全く知らなかったことをいろいろと語って教えてくれた。ひと昔前なら、そういった舞台裏は説明しないもの、だったかもしれないが、そういった情報が縁遠くなってしまった現代では、そうやって職人さんが語ってくれて初めてその技に築き、驚く、となっている。
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過程を見せ、その作品のバックストーリーを語ることが、そこにどれだけの高い技術が含まれているのかを多くの目に気づかせて、職人の技を単価競争に巻き込ませない一つのきっかけになるかもしれない。