沖縄ノート
https://gyazo.com/3e94d40558b6d4e1d47e8176651d4d8f
著者:大江健三郎。1969/1 - 1970/4 著作。1970年発行(今から48年前、戦後25年)
感想
初めて大江健三郎の著書を読んだが、独特の行ったり来たりするしつこい文体が、とにかく難解で読みづらく、外国語の翻訳文を読んでいるような感覚に陥った。著書を読み進めていくにあたって、沖縄の歴史、人物、1970年当時起こったことについての知識、また理解できない用語はネットで検索しながら読み進めた。インターネットがなければこれらの調査だけでも、膨大な時間がかかっただろうと思う、ネットのありがたさを感じた。根気のいる読書体験であったが、沖縄の近代史、差別の歴史の勉強になった。
よく出てくるキーワード
日本人ではないところの日本人へ
日本が沖縄に属する命題
登場人物
古堅宗憲:ふるげんそうけん。1930 - 1969。沖縄復帰運動の活動家。1969 東京の日本青年館の火事で亡くなった。
新川明:あらかわ あきら、1931 - 。沖縄研究家、思想家、詩人、ジャーナリスト。沖縄県出身。『新沖縄文学』編集長として、社会主義の立場から反復帰論・琉球独立論を提唱している。 謝花登:じゃはなのぼる。1865 - 1908 沖縄の社会運動家。 伊波普猷:いは ふゆう。1876 - 1947。沖縄県那覇市出身の民俗学者、言語学者、沖縄学の父として知られる。 林世功:(名城里之子親雲上→なぐすくさとのしべいちん)。1842 - 1880。琉球王国末期の官僚・政治家。明治政府と清国の間に「分島増約案」が締結されそうになり、抗議して自決。 奈良原繁:ならはら しげる。1834 - 1918。日本の武士、官僚。1892年に沖縄県知事に就任するが、杣山問題(農民が管理をしていた山林を騙し取る事件)により謝花昇らと対立。 演劇集団「創造」:代表作「人類館」
波照間島の戦争マラリア:戦争マラリア(せんそうマラリア)とは、第二次世界大戦時、沖縄県において疎開した一般住民がマラリアに罹患して多数が死亡したことを指す言葉。波照間島では集団罹患が発生した。 八重山列島:石垣島をはじめ、竹富島、小浜島、黒島、新城島(上地島、下地島)、西表島、由布島、鳩間島、波照間島、与那国島、及び、北に位置する尖閣諸島など多くの無人島からなる島嶼群である。 用語
中華思想: 中華の天子が天下 (世界) の中心であり、その文化・思想が神聖なものであると自負する考え方 恢復的:(回復的)元の通りになること
傲岸:ごうがん。いばって頭を下げないこと
折衝:せっしょう。外交その他の交渉の、相手との談判・かけひき。
ピケ:ピケット。争議中の労働者などが、ストライキ破りを防ぐために、見張ること。また、その人。ピケ。
居丈高:いたけだか。人を威圧するような態度。 「―になってどなる」
臆面もなく:おくめんもなく。遠慮することなく、図々しく、といった意味の言い回し。
尻馬に乗る:分別もなく他人の言動に同調して、軽はずみなことをする。人のあとについて、調子に乗ってそのまねをする。「―って騒ぐ」
跳梁:ちょうりょう。自由にはねまわること。はびこって自由に動きまわること。 「スパイが―する」
兇器:凶器。人を殺傷するのに使う器具。刃物・ピストル等。
陋劣:ろうれつ。いやしく、軽蔑(けいべつ)すべきであること。卑劣。 「―な手段」
蝟集:いしゅう。一か所に群がり集まること。
示威運動:じいうんどう。デモンストレーション demonstrationの訳。一定の主張をもつ者が集団的になんらかの行動を起してその団結力,闘争意欲,統制力を誇示し,反対者に心理的圧迫を加えるとともに支持者,参加者の士気を高め,さらには中立者の共感を獲得しようとする運動。
直截:ちょくさい(慣用読み)ちょくせつとも読む。直接と同意。
自恃:じじ。自分自身をたのみとすること。自負。「-をそなえた者たち」
オブセッション:obsession。妄想。固定観念。強迫観念。
ウチナーンチュ:沖縄人
佐藤・ニクソン共同声明:1969/11/ 21にワシントン D.C.で発表された日米首脳の共同声明。第2次世界大戦後日米関係の懸案であった沖縄の施政権返還が約束されるとともに,同年7月の「ニクソン・ドクトリン」表明以来のアメリカのアジア政策の転換を反映して「アジア地域の平和と安全」のために日本が果すべき役割の増大が確認された。この声明での合意を基礎にして沖縄は 72年5月 15日,日本に復帰した。そのほか共同声明では,日米安全保障条約の「極東条項」を一層具体的に明確化している。 人類館事件:1903年に大阪・天王寺で開かれた第5回内国勧業博覧会の「学術人類館」において、アイヌ・台湾高砂族(生蕃)・沖縄県(琉球人)・朝鮮(大韓帝国)・支那(清国)・インド・ジャワ・バルガリー(ベンガル)・トルコ・アフリカなど合計32名の人々が、民族衣装姿で一定の区域内に住みながら日常生活を見せる展示を行ったところ、沖縄県と清国が自分たちの展示に抗議し、問題となった事件である。 事大主義:(じだいしゅぎ)は、小が大に事(つか)えること、強い勢力に付き従うという考えを意味し、行動様式の1つ。東アジアでは外交政策の方針として用いられたこともある。 形影相伴う:けいえいあいともなう。形とその影のように、いつも一緒にいるさま。また、夫婦の仲がよいようす。
参考URL
https://www.youtube.com/watch?v=2xUhXj0UVuM
沖縄基地問題まとめ