ジャスト・イン・タイム教育
教訓 ③ ジャスト・イン・タイム教育 もう一つ、妙案がある。コロラド大学の「消費者による金融意思決定研究センター」ディレクターであるジョン・ G・リンチ・ジュニアは、「ジャスト・イン・タイム金融教育」なるものを提唱している。消費者にちょうど必要とするときに情報を与えよう、という発想だ。高校の授業で借金や貯蓄に関する基礎知識を教えても、それほど役に立たない。本書で見てきたとおり、私たちは詳細な情報を覚えるのが得意ではない。高校生たちが重大な金融に関する意思決定をする頃には、複利の威力や資産の分散投資のメリットなどはすっかり忘れられているだろう。消費者が金融知識を必要とする直前に教育すれば、情報は頭にしっかり残っており、学んだ内容を実践する機会もある。そうすれば知識が定着する可能性も高い。」
—『知ってるつもり 無知の科学 (早川書房)』スティーブン スローマン, フィリップ ファーンバック著