独学ラジオ 第1回 Tak.さんとアウトライナーについて
第1回(前半)「アウトライナーは文章を書いて考えるツール」(Tak.さん)
第1回(後半)「アウトライナーで本の構造を体感する」(Tak.さん) - 独学同好会通信
アウトライナーのエバンジェリスト。物書き、セルフパブリッシャー。インタビュー、編集・構成、英日翻訳。
ブログ:Word Piece
著書:『アウトライン・プロセッシング入門』『アウトライン・プロセッシングLIFE』など
内容メモ
第1回(前半)「アウトライナーは文章を書いて考えるツール」
文章を書くのが苦手だけど好き。書くのはできるが制御ができない。
演劇の脚本
ワープロの専用機、富士通のOASYS、親指シフトの元祖にアウトライナー機能があった。
使い方というより思想が書いてあって、文章も魅力的だった
そこからOASISを使い始めたけど、アウトライナー機能が貧弱で使えなかった。限界が1万字。
アウトライナーの使い方の変遷
固定したアウトラインに沿ってやる、よく言われている使い方をして失敗
トップダウンでの執筆法
ボトムアップだとそこそこうまくいくけど、文字量が多くなると破綻
経験と試行錯誤を重ねていって、トップダウンとボトムアップを混ぜないで、交互にやるように意識するとうまくいくようになった(シェイク) mailman.iconこうした試行錯誤の結果(10年間)を本として伝えてもらえているのって本当にありがたいことで、本っていいなぁと改めて思います。 関連:巨人の肩に乗る シェイクはアウトライナーでなくても理論上可能だが、手間を考えるとアウトライナーしかできないと思う
機能的な定義
①アウトラインを表示
②アウトラインを折りたたむ
③アウトラインを入れ替えられる
たとえばEvernoteはアウトライン表示はできるが、折りたたみができない。
mailman.icon今使っているScrapboxも折りたたみはできません
Tak.さんにとって「アウトラインの形を使って文章を書いて考えるツール」
文章を書いて考えるために、アウトライナーの機能を利用する。
本を書いている中で言語化できた
何かを理解するために本を書くというのは本当にそうだと思う
mailman.icon私もそう思います。アウトプット大事。 文章の形で書くというのがTak.さんにとってのポイント
キーワードのみで考えるんだったら、カードなどの空間配置をもっと活用できるものの方が有効 配置に意味を持たせやすい。
対照関係にあるものを反対に置くなど
配置に意味があるからキーワードでも大丈夫。
mailman.iconキーワードという文字だけでなく、その背後のイメージシニフィアン、シニフィエ的なところとも関係しそう。あるいはAR的にキーワードの背後に何を見ることができるか。 mailman.icon逆に書道はキーワードだけでどう表現するかを突き詰めることでもある。 関連:とめはねっ! アウトライナーでは位置関係が制限されるため、結局分類するだけなどになってしまいがち。整理が単純になってしまう。
段差は包含関係、上下はリニア
文章は接続詞などで論理関係、矢印を持つので、キーワードよりも多彩な意味を持てる。 文章であることと、それを動かせることがアウトライナーは力を持つ
文章はそれぞれ矢印、ベクトルを持つ。反対同士のベクトルをぶつけたり、あるいは並べておいて、一段上の表現や複雑な表現を作ったりできる。
アウトライナーが合う人合わない人
まず必要ない人がいる。頭から順番に書いていって、最後までいったら完成してしまうような人
視覚を重視する人。アウトライナーのバレットとか段差があると文章を書いている気にならない。出来上がりの形で書きたい。
mailman.iconレイアウト重視?レイアウトが決まらなければ完成はしない アウトライナーとしてのword
アウトラインモードと文書のモード
文書のモードでないと読んだ気がしない
読者は完成形を目にする
wordはモードを切り替えられるのが素晴らしい
第一回(後半)「アウトライナーで本の構造を体感する」 勉強とアウトライナー
本の目次をアウトライナーへ書き出す
本の構造が頭に入ってくる
読書メモなどを、該当位置へ書くことで全体の中での位置づけ分かる
何よりも楽
mailman.icon全体を把握してからの方が楽というイメージ?
アウトライナーを使って操作することで、身体感覚として理解できる。
社会人で必要になったときは全部本の中身を書き出したこともある
段落ごとに自分で見出しを付けたり
大学の授業も今だったら録音して聴きながらフラットにアウトライナーに入れて、そのあと見出しなどを入れると思う
勉強の内容の浸透度が違うのではないか
どうせ写経するならアウトライナーの方が活用できそう
本の構造を理解するだけなら入れ替えないが、段落などを作るだけでなく、自分なりに分類、解体したこともある
課題 → 答えという流れの本だったが、一か所答えがないところがあった
読んでいるだけでは気づかない構造のねじれや矛盾に気づくことができる
mailman.icon本が絶対ではないと実感できるかも。幻想
Dynalistは無料なのでおすすめ
アウトライナー以外のツール
手書き率が結構高い。フリーライティングなど。紙は打ち込んだら大体捨てる
アウトライナーとタスク管理
アウトラインプロセッシングLIFEから変わりましたか?
ASとBE
人との関係
自分
ALL
DAYS
デイリーリスト
分類
タスク
DO
タスクへの想い
メモ
アウトライナーでのタスク管理おすすめポイント
汎用ツールならではの自由、自分で構造を作れる
タスク管理とは生活である
アプリを開発しなくても自分のツールを作れる
Roam Research
mailman.iconアイディアを育てるツールとしてはいいですが、アウトライナーとしては機能が貧弱
おすすめ本 『強いチームはオフィスを捨てる』
何回か読んでいて、リモートワークのやり方に影響を受けた本
現在は『リモートワークの達人』に改題されている
第一回(ボーナストラック)Tak.さんへの質問コーナー
①いま改めて欲しい、昔のアウトライナーの機能はありますか?
80年代終わりぐらいにアウトライナーの第一次ブームがあり、今のアウトライナーにはない機能を持つものが多かった
その中でも元祖アウトライナーについていた「クローン」という機能が欲しい。
同じバレットが複製されて、片方に対する習性がもう片方にも反映される
今だとMacのNeOというソフトで使える
クラウドだと同じではないがWorkFlowyの「ミラー」という機能がある
mailman.iconどういうときに使いやすいのか?
プロジェクトにあるタスクをクローンでデイリーリストへ
デイリーリストの中で子トピックを作成するとプロジェクトにも反映される
mailman.icon!!
② 新刊について少し予告などお話しできるところがあれば教えてください。
アウトライナーで文章を書く部分にフォーカスを当てた
アウトライナーで自分の文章を楽に書く
③職業病や決まったルーティンはありますか?
コロナ以前は家 → カフェ → カフェと3か所移動しながら、3個仕事をする
仕事ごとに場所を変え、一駅分歩くのがすごくフィットしていた
5時間で8時間分できる感覚
今は家 → コワーキングスペース
mailman.icon家 → コワーキングスペース → 家ではどうですか?
外を移動するのと外から家に戻るのだと少し違う
場所を変えることは重要だった
アウトライナーがないと自分のフルが発揮されないようになってしまった