04-***
「姫子。あんた、生活苦で鳴神兄弟に寄生してるんだって?」
「はぁ? なにそれ」
「そういう噂になってるわよ」
「生活苦って……確かに親からの仕送りはないけど、別に困ってないわよ」
「でしょうね」
自慢するわけではないけど、生まれてこの方お金に困ったことはない
親からの仕送りだって、私たちにダンジョンからの収入があって、必要がないから貰っていないのであって。必要があれば支援はしてもらえることになっている。
「あのスピーカー女、自分の声が大きすぎて周りの声なんか聞こえちゃいないのよ。鳴神兄弟が昔からあんたにべったりで女の私にも当たりが強いことなんて、同級生どころか月森ダンジョンに潜ってる探索者だって知ってることなのに」
「それはそれで恥ずかしいんだけど」