HA12022 VCA/コンプ
https://gyazo.com/0b5cc2644ff5c522f37d906b6032ab54
その昔サンレコに大塚センセのプロフェッショナル・クラフツという連載がされていた時に、「コンプ/リミッタ」「エクスパンダ/ノイズゲート」として製作記事があった。今回はこれの「コンプ/リミッタ」を参考に製作してみようとしている。キーデバイスである 日立 HA12022 が入手できたからだ.
1. VCA部
2. サイドチェーン(エンベロープフォロワ)部
3. LEDインジケータ部
回路図はこれ.後に書くように自分の実装では発振が見られたので対策した回路になっている.
2014/01/27 VCA部
VCA部は以下のような形に.
https://gyazo.com/05747fbdebb4c72b1ec62523c6b21288
回路はHA12022の1ch動作。1-2-3-4-6-7-8ピン担当の反転系統 と 14-13-11-10-9ピンの正相系統 とで差動で動かしている回路のようだ。
LFOから正弦波を与えトレモロ動作をしているのではあるけれど、オシロでみると1kHz信号の山で1.7MHzの発振が乗っている。
1. 信号のプリアンプで発振
2. HA12022界隈で発振
3. 出力のディスクリートトランジスタアンプで発振
4. CVサミングアンプで発振した信号でVCAを制御してしまっている
の4つのシナリオで追いかけてみた。
1. は綺麗なものだったので除外。
2. はHA12022の出力回路まわりの10pF、15pFをいじめてみたが発振の強度や周波数が変わらない。
3. に関しても同様。
4. で、CVが暴れていたりそのGNDまわりにお化けがいたりで本命かと思われたが、CVサミングアンプを切り離しても1.7MHzの発振が出ている。
電源グランドに電線やコンデンサを盛ってみたが安定して1.7MHz発振している。
HA12022はその「ブロック図および標準外付け部品」の図を見るとわかるように、いくつかの信号を観測できる。1-2-3-4-6-7-8ピン担当の反転系統を入力から追っていったら、ゲイン調整部分を越えた辺りで、すなわち6ピンから1.7MHzが観測される。
8ピンから抵抗を介して11ピンに入って、14-13-11-10-9ピンの正相系統とミックスされているようだ。
データシート(というかCQ出版社の『1993年版 産業用リニアIC規格表(PART2)』)では9ピンからの帰還を11ピンに入れている。
プロフェッショナルクラフツの大塚さん・小沢さんの回路では、最終出力にディスクリートアンプを組んであってそこから帰還させている。上の周波数で位相が回って内部で出た1.7MHzがうまくキャンセルできないのかなぁ、という解釈でデータシートのブロック図に倣って帰還させたら、1.7MHzがかなり低減された感じになった。
なお、中古で買った電子電圧計を出してきて、LFOで出力電圧がフワフワするさまを確認。
https://gyazo.com/0a1187fae92beec34e2137912da2ddab
ちなみに
HA12022ではVcが0V近傍が0dBで、Vcの値が大きくなるほどにアッテネートされる方向。シンセのVCAにする(CV電圧が増えると音が大きくなる方向)にはCVの反転とシフトが要りような感じ。
2014/02/03 サイドチェーン部
コピーしている「プロフェッショナルクラフツ」の記事の回路図を元に作っているのだけど、リリースコントロールのあとのオペアンプが、回路図のままだと(帰還がないので)コンパレータ的に動いてしまう。ここはボルテージフォロワが正しいでしょう、ということでそのように組みました。
組んだ回路と動作のさまは以下の写真に。こういうデバッグにループレコーダは便利ですよ。 #LOOPER https://gyazo.com/5777bd80529ffddd7ad6adff4fc93516
2014/02/10 インジケータ部
インジケータ部の工作
サイドチェーンのバッファ部
ピークディテクタ部
ピークのコンパレータ回路
サイドチェーンのレベルメータ表示回路の予備実験(LM3914)
サイドチェーンのレベルメータ表示回路の組み上げ
ファンタム電源の実験
12V電源を期待して4倍に上げるコッククロフト・ウォルトン回路の実験
2014/02/24 ケース加工
https://gyazo.com/c96062b89d3b605f21d1f5d13f32414d https://gyazo.com/2ea5457b9f9cca7584b3ea28c4347334
2014/03/03 第一部完
https://gyazo.com/0b5cc2644ff5c522f37d906b6032ab54 https://gyazo.com/ea400f9be60d71da5c0646b5d876e014
コントロールは、左からGAIN/CV切り替え/Threshold/Attack/Release/Ratio、裏面のコネクタは、IN(XLR)/OUT(XLR)/IO(φ6.3 上)/サイドチェーン用SEND-RETURN(φ6.3 下)/CV-A IN、CV-B IN(いずれもφ3.5 上)/CV OUT、STEREO LINK(いずれもφ3.5 下)/電源CN(DIN-5_) 。
ステレオリンクは、CV OUT と STEREO LINK IN をモノラル2本で結線する方式にした。
あともうひとつ作ってステレオにする必要がある。
2019/12/26 Scrapbox記述(元記事は 2014/01/21 ~ 2014/03/03)