長いコメント(第9回)
リアリズムについて実在物を<正確さ>の観点からの説明することは納得です.ただ,<情報量>については飲み込みづらいところがありました.
セル画と3DCGのピカチュウの比較について,私は後者を「リアル」だとは感じませんでした.ただ,情報量が後者について圧倒的に増えていることは説得的であると思います.
しかしながら,以下の2.5次元芝居の例では,私は「リアル」だと感じました.
<舞台ハイスクール!奇面組>
また,私はドラクエのドット絵とパッケージ画を比べて後者が「リアル」だとも感じません.
これらの例からの直観なのですが,<ディフォルメされた図像の情報量を単に上げても,それが元図像の様式を踏襲したものでなければ,「リアル」にはならない.>と言えるのではないか? と妄想しています.
この場合の様式は,「線」ですが,
ピカチュウの例→「線」と「CGI」の様式の違いがある.
ドラクエの例→「線」と「ドット絵」の様式の違いがある.
奇面組の例→「線」と<実際には「線」は消失しているが,キャラクターの特徴的なパーツを元絵から踏襲することで,実質的に「線」が存在しているように感じられる>ように思う.
→この場合の「線」は,<図像内で,色相・彩度・明度の差が現れる部分に存在する相対的面積の小さな図像内の一部分>のような定義で考えています.