さらに高次の内容を含む理論
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図像学的内容/隠喩的内容
認識内容は、あくまで自然に解釈される(あるいは再認される)ものである。つまり、パノフスキーの自然的主題に相当する。
一方で、認識内容をベースにして、さらにそれを(自然にではなく)何らかの約束事のもとで解釈することで引き出される内容がありえる。イコノグラフィーが問題にするような慣習的主題や、隠喩や象徴表現など取り決めによって引き出される内容がこれに相当する。
そうした図像学的/隠喩的内容のレベルにもまた、帰属性質と指示対象の区別が言えるだろう。
たとえば、認識内容(自然的主題)上のアトリビュートによって描かれた聖人が特定される場合は、図像学的内容レベルでの指示対象が特定されている。認識内容上の〈鳩〉が〈平和〉を象徴するという場合は〈平和〉が隠喩的内容になっており、それが何らかの個体(たとえばある国)に帰属される場合は、隠喩的内容レベルでの帰属性質になる(たとえば〈その国は平和を奉じている〉)。