「xがこれこれの性質を持つならば、xは美的に良い」という一般的な条件を提示することはできない
美的なものが、概念ではなく「感性」によって把握される性質である(いわく言い難い性質である)ということの言い換え。少なくとも近代以降の美学史においては、オーソドックスな見解として共有されている。
現代の分析美学で、この見解を維持しつつ美的判断の理由づけの意義と内実を明らかにした偉大な人として、フランク・シブリー(Frank Sibley)という人がいる。
いまのところ、日本語で読めるシブリーの仕事は「美的概念」という最初期の論文だけ(名論文です)。
フランク・シブリー「美的概念」吉成優訳、西村清和監訳『分析美学基本論文集』勁草書房、2015年
シブリーの美学論文集の翻訳が目下進行中なので、興味がある方は出たら読んでみてください。
参考: