Ubuntu22.04LTSで簡易的なNASの構築
Ubuntu22.04LTSで簡易的なNASの構築
目次
はじめに
NASとは?
Ubuntuについて
Ubuntu22.04LTSのインストール
インストールメディアの作成
PCにUbuntuをインストール
初回起動時にすること
NASを構築するための前設定を行う
エディタの設定を行う
IPの固定を行う
HDDのマウントを設定する
HDDのパーミッションを設定する
NASのサーバー構築
WindowsからUbuntuのストレージにアクセスしてみる
まとめ
hr.icon
はじめに
小栗研究室B3の的場漱誠です。Ubuntuをさわり始めて間もない初心者ですがよろしくお願いします! 本記事ではUbuntu22.04LTSというOSで簡易的なNASを構築することが目的です。PCが余ってて何かに活用できないかな?とか、Ubuntuをちょっと勉強してみたいなという人向けの記事になります。NASゲストのみのアクセスのみ設定するのでご了承ください。
簡易的なものなのでセキュリティの面や実用に向いているものではないかもしれませんが、楽しみながら読んでいただけると筆者も喜びます!
本記事で必要なもの
USBメモリー 16GBか32GBくらい(8GBでも入るとは思う) フォーマットするのでデータが入っていないもの
インストールメディアを作るためのWindows
ネットワーク環境
ぶっ壊れてもいいPC(初期化しても問題ないもの
今回のPCの構成
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CPU 6700k
メモリ 16GB
GPU 未搭載
SSD 120GB
HDD 500GB
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NASとは?
NAS(Network Attached Storage)とは、ネットワークからアクセスできるストレージのことを言います。例えば、動画や写真などのデータをGoogleDriveとかiCloudとかに保存するイメージです。NASはそのクラウドサービスの家庭版みたいなものです。
NASの価値としては、消えてほしくない写真などのデータのバックアップに利用したり、すぐに必要でないデータを保存しておいて端末のストレージの圧迫を解消したい時などに役に立ちます。
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Ubuntuについて
Ubuntuはオペレーティングシステム(OS)の一種で、WindowsやMacと同じようなものと考えれば想像しやすいと思います。UbuntuはLinuxと呼ばれるオープンソースのプラットフォーム上に構築されており、無料で提供されています。無料なんです!Windowsとか正規の値段で買ったら2万近くとかかかります。ただゲームが対応してないとかあるので結局Windowsを使いますが…
UbuntuはLinuxディストリビューションの一つで、ディストリビューションはLinuxカーネルと呼ばれる中核部分に、必要なソフトウェアやツール、パッケージなどを組み合わせて提供されるものを指します。他にも様々なLinuxディストリビューションが存在し、CentOSもその一つです。
ここら辺はややこしいので簡単にLinuxって言ってもなんか種類があるんだなぁぐらいでいい気がします。
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Ubuntu22.04LTSのインストール手順
ここからは実際にNAS構築にむけて説明していきます!
Ubuntuの入手方法は公式ページよりインストールできます。
インストールメディアの作成
https://gyazo.com/ef7b41abd8c84626868a3f5024724da9
このトップページ右上にあるMenuよりダウンロードという場所にアクセスします。
すると、下の画像のような場所が表示されます。
https://gyazo.com/98617dde5b209dfca7620e220d5e3a59
この画面の下のほうにあるUbuntu Desktop 22.04.3 LTSのダウンロードを押します。
※2023/12/1現在のバージョンになるのでバージョンが異なる場合、過去バージョンからUbuntu Desktop 22.04 LTSを探し出すかLTSとついているバージョンをインストールしてください。
インストールされたものは.isoという拡張子がついていると思います。そのファイルをUSBインストールメディアにするには、WindowsのフリーソフトRufusを使います。
https://gyazo.com/c0f8e638213ae326ddc5479e24d65e87
今回は上の通常版をダウンロードします。
このソフトウェアを起動すると下の画像の画面になります。
https://gyazo.com/866bd8848d4b5c3392b2b3ad5daf6aea
選択のタブから先ほどダウンロードしたUbuntu22.04LTS.isoのファイルを選択しましょう。
そうしたら、スタートを押してしばらく待ちます。消すか(フォーマット)確認されたらOKを押しましょう。特段異常なエラーがない場合はOKを押せば作成できます。
作成が完了した通知が来たら、USBの名前がUbuntu22.04LTS amd64などの名前に変わり、そのUSBの中には、様々なフォルダが生成されていると思います。これでインストールメディアの作成は完了です!
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PCにUbuntuをインストール
今回私の環境ではUbuntuが元から入っていたPCでインストールを始めますが、初期化して新しく始めていきます。
先程作ったインストールメディアをPCにさしてBIOSの画面で起動しましょう!BIOS画面の起動方法は電源ボタン押してすぐにF2かDELボタンを押し続ければ起動できると思います。
次にブートメニューからUSBを選択して起動しましょう。人によって環境は異なりますが、参考画像を下記に置いておきます。
https://gyazo.com/2621a59049e725faaa291d19968fb656https://gyazo.com/42e2e3c50f77e7dd3a9c2a704d08b9f5
USBを選択して起動すると下記のようなUbuntuインストールのための選択画面が出ると思います。そのまま自分で一番上を選択しても良いし、そのまま待っていれば30秒で勝手に画面が切り替わります。
https://gyazo.com/58dfee6afc3a35fa7472166bd318c49b
画面が切り替わって日本語ではなかったら日本語を選択します。そして「Ubuntuをインストール」を選択、キーボードレイアウトはそのまま日本語レイアウトであれば問題ありません。
https://gyazo.com/0ca955624946d0b22e87a61991028a5fhttps://gyazo.com/ceaeec6de9a623816c99eb8fd9456d08
アップデートと他のソフトウェアは「最小インストール」と「Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする」を選択します。
https://gyazo.com/659bda35b9429a22c67e460a5cda1ba9
ここはディスクを削除してUbuntuをインストールを選択してください。ただし、もともとインストールされていたOSは消えてしまうのでOS共存などをしたい方は別の方法で行ってください。
https://gyazo.com/23be453ff764d722dda7f6a4daea2bdb
ディスクを削除してUbuntuをインストールの画面では、OSを入れたいドライブを選択してください。SSDとHDDなど2つのストレージを接続している場合は、選択を間違えないように注意してください。
https://gyazo.com/8bf69922a3f4c9aa19fab844f4b07705
情報の入力部分では項目を入力してください。ここで自動的にログインするにチェックをしていると、楽にログインできるのでおすすめです。そして続けるを押してください。
https://gyazo.com/78f4a970965d8fa4985babc72bed7c01
ここからインストールが始まるので待ちましょう。少し時間がかかると思います。終われば再起動を押してください。再起動すれば基本的なインストールは完了です。
初回起動時にすること
これでUbuntuをインストールできたので、操作していく上で便利なようにカスタマイズしていきます。「端末」は後々使うのでお気に入り登録しているとすぐに使えるので便利です!
https://gyazo.com/f98a3b1d08dd96b679e2b5b607031f2e
次に、Ubuntuに入っているパッケージをアップグレードしていきます。
sudo apt update && sudo apt full-upgrade -y
sudoコマンドを実行する際には、パスワードの入力が必要です。入力が完了したらEnterキーを押して開始してください。終わったら一応再起動しましょう
sudo reboot このコマンドで再起動できます。
Ubuntuのインストール作業は以上になります。次からより構築に向けて設定していきます。
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NASを構築するための前設定を行う
NASにはネットワークのIPの固定やストレージを扱う上でマウントするなどUbuntu上の設定が必要になります。これからその設定を行っていきます。
テキストエディタを使いやすくする
最初にエディタを使うので使いやすくしていきます。これがなくても大丈夫ですがわかりにくいので設定することをおすすめします。
一般的なエディタはviコマンドがあると思いますが、今回はnanoコマンドを使用します。nanoコマンドは初期設定だと行数表示がないので表示する設定を行いたいと思います。
cd /etc
sudo nano nanorc
を順に入力してください。そして画面が切り替わったら下記の画像のように「set linenumbers」のコメントアウトを消してください。消したらcontrol+Xで終了を押して保存をするためにYを押してください。押したらエンターで終了してください。
https://gyazo.com/15578de21db3a103e4bec8c0e434cd24
すると次にnanoコマンドを使うときは左側に行数の表示がされているはずです。
IPの固定を行う
最初にネットワークアダプタのデバイス名を確認します。
https://gyazo.com/a314502e099a8f1bb352c711361964aa
ここの2:のenp3s0のような部分を覚えておいてください。ここの部分は人によって異なるのでその部分は自分のデバイス名に書き換えてください
次に設定ファイルを保存することでIPアドレスを固定します。
cd /etc/netplanでディレクトリを変更して
sudo nano 100-enp3s0-fixed.yamlで設定ファイルの編集を行います。
以下の画像などを参考に書いてみてください。インデント(空白)も重要です!間違えるとだめなのでお気をつけてください。enp3s0と書いてある部分は自分のネットワークアダプタ名に書き換えて、かつ固定したいIPを自分の環境によって変えてください。addresses: 192.168.0.20/24の20の部分を書き換えたりして変更してみてください。 nanoのテキストを保存したときと同様に操作して保存してください。
code:command
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
enp3s0:
nameservers:
routes:
- to: default
via: 192.168.0.1
https://gyazo.com/7b23ed93841f1b943c50e666ddb30b25
設定ファイルを保存したらその設定を適用するために以下のコマンドを入力してください。
sudo netplan apply
そうしたらチェックのためにip addrを入力してください
https://gyazo.com/94aa39f35c84eb8e1b850e133f4a6938
下から二行目に書いてるIPアドレスが先程の設定ファイルと同じIPなら設定できています。
そうしたらブラウザを使ってYoutubeなり開いて通信ができていればIPの固定が完了です。
HDDのマウントを設定する
つぎデータを保存するストレージの初期化やマウントを行います。
左下のメニューよりディスクを探して開いてください。
https://gyazo.com/ccac2bcabe4671b7a072674926e14d53
このユーティリティの中に入っています!
https://gyazo.com/5fc213a8d6537132bca716d244d1836e
そうしたらデータを保存する予定のHDDを選択して、ディスクを初期化します。
https://gyazo.com/0f7e7c4e73977bccfb79310404d6239f
未割り当て領域が出てきたらボリュームの下にある+を押してパーティションを作成します。
そのまま変更せず次を押したら下の画面が出るので以下の通りに設定してください。
https://gyazo.com/5e6ff1ba6f8b7da91eb90a596861e617
次にHDDを自動マウントするために設定していきます。以下の画像のマウントオプションを編集してください。
https://gyazo.com/bc75684e5001151be80185b3c3b5352d
ユーザーセッションのデフォルトをOFFにして、システム起動時にマウントするをON、識別名をUUIDのものに選択して、マウントポイントの/mnt/〜を押して以下のようにさっき設定したボリューム名に変更しておいてください。
https://gyazo.com/2371441a827287c1a657772a31b174c0
ボリュームの下の再生ボタンを押してマウントを開始しましょう!
https://gyazo.com/ee6a8d86e294fa0e509f93f4c8f15bd7
HDDのパーミッションを設定する
cd /mntを入力してディレクトリを変更してください。
次にls -lでチェックして見てください
https://gyazo.com/08d1966b9aaa5193398a713b89475138
その後にsudo chmod 777 -R hdd1でパーミッションを変更してみてください。
またls -lでチェックして見てください
https://gyazo.com/e7ecc62d72502f22640e0eff6d15451b
左側のアクセス権限を表す部分が変わっていることがわかると思います。
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NASのサーバー構築
ついにサーバーを起動するまでの前設定が終わりました!
今回はSAMBAというパッケージをつかいます。
NAS構築に必要なパッケージをインストールする
sudo apt install samba -yを端末にてインストールを開始してください。
以上でNASに必要なパッケージがインストールできました。
SAMBAの設定
では最初にSAMBAのファイルへディレクトリを変更してください
cd /etc/samba
そこのファイルの中身を確認してその中のコンフィグファイルの名前を確認してください
ls -l
そしたらその設定ファイルをnanoで編集します
sudo nano smb.conf
以下の設定を一番下に追加しましょう
code:command
comment = Ubuntu nas
path = /mnt/hdd1/
browseable = yes
writeable = yes
read only = no
guest ok = yes
guest only = yes
create mode = 777
directory mode = 777
https://gyazo.com/bded95e38ab8773c4805754139b9b29d
最後に以下のコマンドを入力してください。
sudo systemctl restart smbd nmbd
以上で設定は完了ですWindowsのファイルのところでアドレスを入力「¥¥(PCの名前)」でアクセスできるはずです!そこでユーザ名とパスが要求されたらUbuntuでつかっているユーザ名とSudoのときに入力しているパスワードを入力すればアクセスできるはずです
ただこのままだとアクセスがめんどくさいので簡単になるようにパッケージをインストールします。
sudo apt install wsdd
インストールするだけで完了です。
これでNASの設定は完了です!!お疲れ様でした!実際にWindowsからアクセスできるので試してみましょう!
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WindowsからUbuntuのストレージにアクセスしてみる
Windowsのエクスプローラーのネットワークを選び、コンピュータのところにUbuntuのPC名(サーバー名)が出てるはずです出なかったらどこかで間違えている可能性があるので再度記事を確認してみてください。
https://gyazo.com/53b816c3552558531552eeba14ed4122
これを選択すると次にSAMBA設定したときに決めたNASの名前のファイルがあるはずです。そこの中にファイルをいれれば、UbuntuのPCのHDDの中にさっき入れたファイルがあるのではないでしょうか?
これで以上になります!
hr.icon
まとめ
今回NASを構築することだけを重点に置いて書いてみました!実際に作れたらほかにもUbuntuでできることを試してみると面白いかもしれないです!
また、今回の記事と環境が違う場合エラーなど起こるかもしれません。それを調べるのも勉強になるので検索して自分で解決してみてください!意外とできるとたのしいですよ!
最後に、この記事を読んでいただきありがとうございました!