CCC U-22 2023を経験して
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目次
はじめに
チーム開発の経験
CCCとは?
課題抽出
作品概要
結果・感想
反省
まとめ
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はじめに
本記事は、私が初めて、CCC U-22 2023のコンテストに参加したことについての記事となります。
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チーム開発の経験
まず初めに、私のチーム開発の経験に関してお話しします。私は、大学の講義で2、3回程チームを組んで、Webアプリやネイティブアプリの開発を行なった経験がありますが、今回のようなコンテストに応募したことはありませんでした。講義内でのチーム開発では、教授への提出と講義内での発表が最終目標であったため、企業の方や他の方に作品を見てもらうという緊張感がありました。
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CCCとは?
「CCC U-22 2023」と聞いても、CCCって何なんだろうと思っている方もいるかと思います。CCCとは、「Civictech Challenge Cup」の略称です。もう少し、詳しく噛み砕いて説明しましょう。
Civictech とは
Civic(市民)とtech(技術)を組み合わせた言葉で、市民・民間企業・教育機関が行政の垣根を越えて、それぞれがテーマやアイデアを共有してデザイン・コーディングなどのスキルを出し合い、社会課題や行政サービスの問題等について協議することを言います。(CCC U-22 2023 HPより) Civictech Challenge Cup U-22 2023
このプログラムは、Code for Japanの運営の元、開催されています。Civictech Challenge Cup U-22 は、2020年に設立され、今年度含めて4回の開催実績があります。COVID-19によってインターンシップや課外活動が減少傾向にある状況の中、学生が社会課題の開発経験を積むことによりスキルアップや実績を獲得できるようにとの思いから設立されました。CCCでは、社会課題を見つけ出し、社会実装をして、実際のプロトタイプを作ってみようという目的のコンテストになります。CCC U-22 2023の期間は、約3ヶ月程度で、作品提出を行って一次審査を通過すると、プレゼン発表が行われる最終審査に進むことができます。期間中、アイデアソンや勉強会、相談会などのイベントも実施されており、プログラムやデザインをしたことがない人でも一緒に進めていくことができます。また、運営の方とのミーティングや相談会も定期的に行われて、参加者は安心して作品制作に取り組むことができます。本コンテストは、制作物の提出だけでなく、作品解説書や課題抽出シートなどの作品に関する書類も合わせて提出します。 /icons/hr.icon
課題抽出
私は、同じ研究室の仲間3人でチームを組みました。CCCのコンテストでは、いかに社会課題を明確に捉え、それを解決するプロトタイプを作成出来るかが審査通過の鍵となります。まずはじめに、自分たちが考える社会課題とは何かをチームで話し合いました。少し話題が難しいので、身近な社会課題を考え、普段大学で困っていることや課題について話し合いました。特に多かった意見が、授業中に質問したいけどなかなか質問できない状況を何とかしたいというものでした。自分たちも実体験があったので、これを社会課題として、作成を進めようと決まりました。調べてみると、学生で講義中に質問しない人や、したくても目立つのが嫌で質問しない人が、7割以上もいることがわかりました。その理由として、「目立ちたくないから」や「恥ずかしいから」などの意見が多く挙がっていました。また、授業中にスマホを触っていたり、眠って講義を聞いていない人も約7割もいることが分かりました。これらの統計データを元に、「匿名」であれば、質問がしやすくなり、教員とも繋がりやすくなるのではないかと考えました。私たちは、「匿名である」、「教員が参加している」、「投稿内容をタグ付けできる」の3つの要素を併せ持ち、学生と教員を結びつけるアプリを開発したいと考えました。
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作品概要
私たちの制作物は、匿名チャットアプリ『SiLec』です。私たちは、大学の講義中に教員へ質問がしづらいという課題を解決するためにWebアプリのSiLecを開発しました。このアプリを使うことによって、学生は匿名で教員や講義を受けている人に、目立たず気軽に分からない所や教えて欲しい事を質問することができます。質問をするだけでなく、分からない部分をファイルや画像として共有する事も可能で、それに対しての回答も分かりやすく表示されます。教員は、質問への回答や重要事項の連絡が出来るだけでなく、生徒の学習状況、講義の理解度などを把握することができます。私たちのアプリでは、学生間や教員とフィードバックを行うことで、講義の理解度が向上し、学生と教員の繋がりが強くなります。
作成するにあたって
私は制作するにあたって、チームリーダとプログラム実装を担当しました。3人のうち私含めて2人がプログラム実装を担当し、あと1人がデザインを担当してくれました。
私は、プログラムの実装が少し苦手で、不安だったのですが、他のメンバーから教えてもらいながら一緒に、開発を進めていきました。使用技術としては、Webアプリであることから、SupabaseとNext.jsを中心に開発しました。リアルタイムチャット機能とファイルなどを保存するストレージ機能を使用することが必要だったため、Supabaseを使用しました。私は、複雑な機能を実装することが難しかったので、ユーザ登録やユーザ認証の機能を実装しました。ユーザ認証には、基本的にGoogleアカウントでの認証を行い、他の手段として他のメールでの認証も行えるようにしました。Supabaseのデータベースを作成し、Googleの認証やメールでの認証を接続することに大変、苦労しました。メンバーで話し合った結果、ユーザが使いやすく見やすいアプリを最優先として制作していこうとなり、質問にリプライ返信ができる機能も付け加えました。
作品画像
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↑アプリのロゴマーク
(~自作しました!!~)
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結果・感想
9月29日に、作品を提出して10月頭に最終審査に進むことのできるファイナリストの発表がありました。提出期限ギリギリまで、作品の手直しをしたり、書類の制作を頑張ったので、何とか審査に通って欲しいと願うばかりでした。そして、ファイナリストの発表が出ました。
一次審査を通過し、ファイナリストに選ばれました!!
ファイナリストに選ばれたチーム数は、35チーム中8チームで、その8チームに選ばれたことになります。私は、一次審査に通るのは少し厳しいかなと予想しており、ギリギリまで頑張った甲斐があったねと、メンバーと喜び合いました!
ファイナリスト発表から最終審査までの期間は僅か1週間と、とても短く忙しかったです。1週間でプレゼン資料の作成からプレゼンの練習までしなければならず、とても詰め込んだ1週間でした。どのように資料を提示するとアプリの良さが伝わるのか、これいいねと思ってもらえるのかを考え、スライド資料や発表原稿を仕上げました。最終審査まで、毎日チーム会議を開催して発表練習や原稿の修正を行いました。最終審査は、東京の会場でのプレゼン発表となります(オンライン参加も可能)。私は、大学祭と重なっており(一部、企画の責任者であった為)、会場へは行けず、オンラインでの参加となりました。2人のメンバーは、現地で参加してもらい、現地+オンラインの形で、プレゼン発表を行いました。オンライン参加にも関わらず、当日の朝から緊張しまくりでした。自分たちの1つ前のチームの発表が、とても上手で緊張がMAXに達しました。発表は、少し噛んでしまった部分もありましたが、練習してきた成果を全て出し切ることができました。
結果は、、、、、
「何の賞もとれず。。。。。。。」でした。
審査の結果が出て、悔しくて言葉が出ませんでした。しかし、納得の結果でもありました。他のチームの発表を聞いていて、社会課題のインパクトや制作物の完成度、高度な技術の使用など、私たちの作品とは、一味違う作品も多くありました。CCCでは、最終的な作品の完成度だけでなく、なぜそれを作ったのか、なぜそれが必要なのか、本当に課題解決になっているのかという、バックグラウンドも重視されます。私たちが考えた社会課題が良くなかったとは1ミリも思っていません。しかし、社会課題へのアプローチの仕方や実際に使えるものなのか、必要なのかという定量的なデータやそれを元にした改善などを行う必要があったと感じました。何を解決したいのか、制作物は課題を解決することに直接繋がるのかが、一貫していなければならないと再認識しました。さらに、プレゼンという限られた時間の中で、どれだけ作品の良さを伝えられるかが重要となりますが、他のチームは少ない情報の中に的確に良さやアピールポイント、他サービスとの比較などの情報が盛り込まれており、非常に聞きやすいプレゼンでした。プレゼン練習や原稿校正を何度も重ねましたが、他のチームに至らなかった事が敗因だと感じました。。。
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反省
CCCを通してみての反省は、いくつか挙げられます。
まず、チームリーダーとしての務めです。私は、リーダとしてどのように進めていけば良いのか、チームをまとめるにはどうしたら良いのかが分かりませんでした。最初は手探りの状態で、アイデア出しやチーム会議を行い、メンバーの事を知るところから始めました。メンバーと連絡を取り合ったり、会議の日程調整を行ったり、運営の方とのミーティング調整を行ったりと、ひたすら頑張りました。しかし、会議内での時間管理やメンバーへの指示など至らない点も多く、もっと周りを見て行動する必要があると思いました。会議内で、各々の担当や役割について話し合いはしたが、最終確認を取らなかったり、機能の詳細を決める上で認識の食い違いがあったりと、私がもっと周りを見て、確認をとっていたら時間のロスがなく進められていたと思いました。
2つ目は、Webアプリを制作した後の事です。私たちのチームでは、作品を制作することに時間を要し、Webアプリの実証実験が実施できませんでした。開発側が使い易い、見やすいと思っていても実際に使用するユーザからは、違った意見やアイデアも出てくるかもしれません。他のいくつかのチームは、実際に実証実験を行なって、リアルなユーザの声を活かした機能の改善を図っていました。生の声を生かしたアプリ制作を行うことで、ユーザにとって本当に必要なアプリが完成する事を再認識しました。
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まとめ
私は、初めてこのようなコンテストに参加して作品を提出しました。初めてのことだらけで、分からないことや不安な事も多々ありましたが、濃い3ヶ月を乗り越えられたのはチームメンバーが居たからこそです。自分がわからない事もメンバーに聞けば、教えてくれたり、一緒に考えてくれたりして、とても心強かったです。私がCCCへの参加で得たものは、周囲を見渡す力と達成感です。実際にチームとして動く中で、チーム開発の難しさ、メンバーとの連携の大切さを学ぶことができました。周囲の動きを把握していなければ、自分が何をやって良いかわからなくなります。チーム開発では、どれだけチームメンバーで協力して進められるか、周りを見て物事を判断できるかが試されるということが分かりました。また、作品を提出してファイナリストまで残ったという結果を得て、チームで一丸となって作り上げることができた達成感を得られました。
CCC U-22 2023に参加して、本当によかったと思います。私にとって、3ヶ月は長いようであっと言う間で、かけがえのない思い出となりました!!
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ここまで、お読みいただきありがとうございました!!