Blenderで適当にアルチザンキーキャップを作る (第一回:軸作り編)
概要?
ここでは キーキャップ == Cherry MX 互換 キーキャップとします
最適解ではなくBlenderよくわからないまま触ってとりあえずキーキャップ作った人のやり方メモ
どうやって作ってんだろって気になった人向け
2020/12/8 現在 粘土こねこねモード(スカルプモード)は使用していない
キーキャップについて
適当に作るとはいえ、キーボードに付かないと意味はないのでサイズは重要です。
まあ端的に言うと重要なのは、
軸(十字)にはまる
隣接するキーに干渉しない
押せる
です。
これさえ守ればなんとかなります。
ということで先ほどのcherry社の開発者ページを見てみましょう。
https://gyazo.com/2fcc6527f5bdbb55e1dee9726e1a61b4
キーキャップのサイズが載っていますね。
では、これを見ながらBlenderで軸を作ってみましょう。
Blenderの設定
せっかくなので私も最新版(2.91)をインストールしてそれを使おうと思います。
起動したらまず長さの設定をメートルからミリメートルにしましょう。
キーキャップは小さいのでミリメートル単位の方がわかりやすいです。
https://gyazo.com/7d60944a1e255256827f4706d3f1500d
◆次に最初に出ている立方体を左クリックで選択、xキーで削除できるので削除します。
https://gyazo.com/f08748c2fc8c84a82500872454356169
◆追加 - メッシュ - 立方体をクリックすると立方体を追加できます。
https://gyazo.com/cc6e14febdb6756dcc40d283533c892e
◆ここをクリックすると
https://gyazo.com/4fc8cad5aa52348448d3fe1b416733de
◆選択(クリック)したオブジェクト(今だと立方体)の情報がでます。
https://gyazo.com/45c592b9613d37e74e1f67dd74966544
◆寸法を変えて1mm四方の立方体にしてみましょう。
https://gyazo.com/d2e15f123fa6ef27141413da81efddac
立方体が小さくなりましたね。これでは見えません。
◆マウスホイールをスクロールして拡大しましょう。
https://gyazo.com/2806e32c63f658c039031cbaba89c661https://gyazo.com/c428c68b578aa82fc9ef81d279ffe1fa
ここまでしか拡大できないと不便ですよね?
◆単位の倍率を0.001にしてみましょう。
https://gyazo.com/1342246341d99d245e752cb488f199e4
◆先ほど同様に、立方体のオブジェクトを追加して1mm四方の立方体にしてみましょう。
https://gyazo.com/2d74c407c429eeece9839014a65af1b6
1mm四方の立方体が100倍の大きさで表示されます。
◆これで拡大しても見やすくなりました。
https://gyazo.com/086b22e8512cc2bb268d9d89831ba60c
ここで基本操作を記載しておきます。
マウスホイールで拡大縮小表示
中央クリック(マウスホイールクリック)しながらマウス移動で見える角度を変更
シフトキーを押しながら、中央クリック(マウスホイールクリック)しながらマウス移動で見える位置を変更
軸の作成
では、軸を作っていきましょう。
まず、先ほど作った立方体が残っている方は前記の方法で削除しましょう。
◆オブジェクトの選択はここをクリックでも可能です。
https://gyazo.com/b810ecbcaa92b026ecb23c1bf785c6d5
◆では初めに、追加 - メッシュ - 円柱で円柱を追加します。
https://gyazo.com/7105cf6b7538e95e18b339ca47addbfa
◆でかい円柱が追加されます。左下のここをクリックして、
https://gyazo.com/5a063ae409bd7f9262fc261cec6888c2
◆オペレーターパネルを表示させます。
※このオペレーターパネルですが、オブジェクト追加時の一度のみしか表示されませんので注意してください。
https://gyazo.com/1118df1740f9358864cd564cdda9fb30
◆とりあえず円柱がでかいので見やすくするために適当な大きさにしましょう。
半径と深度は寸法を変えることで後から変えれます。
https://gyazo.com/ca2da81a0fb95a9ccb8b6fa340dedebd
◆重要なのは頂点です。(オペレーターパネルが消えてから修正するのは大変なので)
これは円を書くための点の数なので多ければ多いほど滑らかな円柱になります。
もっと多くしてもいいですが、処理が重たくなりますし、
3Dプリンターの設定によってはそこまで細かく印刷されないのでおすすめしません。
https://gyazo.com/55316fbc31f6ccfd8b4bb427eca27e9e
◆では、ここで軸のサイズを確認するためにcherry社の開発者ページに戻りましょう。
https://gyazo.com/f5e5cd5aa06945f64483f915dc89716c
軸のΦ(直径)が5.5mm±0.05 (赤丸)
十字の穴の大きさは縦4.1mm±0.05mm, 横1.17mm±0.02mmの長方形をクロスさせた大きさ(青丸)
軸の長さは3~5mm(黄緑波線)
で作ればいいっぽいですね。
◆直径は寸法のXとY、長さはXを変えると変わります。
https://gyazo.com/0e882ebd325b505c511579342e5e25ca
ただ、この寸法ではあなたの使用する3Dプリンターが超高性能、もしくはあなた自身が3Dプリンターマスターでなければ問題があるかもしれません。
単純な話で、印刷したときにだいたい膨らみます。なので、少し小さめに(穴を作る場合は逆に大きめに)した方がいいです。
この調整については3Dプリンターや材料、設定によって変わるので印刷してみて調整するしかありません。
トライ&エラーです。Let's try!
◆次に穴を開けるために長方形を作ります。Blenderでは穴を開けたり、削ったりするのにオブジェクトから消し去る空間をオブジェクトで作る手順が必要になります。
文字だとわかりづらいですし、やってみましょう。
◆追加 - メッシュ - 立方体でオブジェクトを追加しましょう。
オブジェクトの移動ですが、左端の移動をクリックで選択して、オブジェクトをクリックしながらマウス操作で移動させれます。また、表示されている赤(X)、青(Z)、緑(Y)をクリックしながらマウス操作で対応した方向に真っすぐ移動させることが可能です。
https://gyazo.com/3432252257f1405f919a8176afaab6c9
◆追加した立方体のサイズを寸法を修正して変えます。穴になる部分ですので少し大きめにしましょう。
https://gyazo.com/ce834a4e34b5a71b03102e9793a15de3
◆クロスさせるためにもう一つ長方形を作ります。オブジェクトはコピーすることもできますので、長方形をクリックで選択して、Ctrl + c -> Ctrl + v でコピペしてみましょう。
同じ場所に重なってできるので、選択して移動させてみましょう。
https://gyazo.com/21d07c0d6c740b934d8149626ba0ac82
◆クロスさせて十字にするために長方形を回転させましょう。(寸法変更でもいいですがせっかくなので回転させましょう。)
左端の回転をクリックして長方形のオブジェクトを選択すると円に囲まれます。これも移動と同じでマウスで操作できます。今回は縦にしたいので、青の曲線をクリックしてオブジェクトを回します。
https://gyazo.com/c8635418c34ebcc15c757d55acf60c10
https://gyazo.com/538e4f71ea8f477d07fd1354c437eb02
https://gyazo.com/457f35ade9cb6a2ca8a9126a07541218
適当に角度をつけた後、表示されるパネルで角度を90°にしてやると綺麗に回転します。
◆ちなみに移動と回転の代わりに直接ここに数値を入力することでも移動・回転が可能です。
https://gyazo.com/fb9d0a93bc5f58828aeea04be6fbc10e
◆では長方形のオブジェクト二つの位置をそれぞれ、X:0mm, Y:0mm, Z:0mmにしてみましょう。
https://gyazo.com/0193e9e3d35aa01476b96c6682057926
綺麗に重なりましたね。
◆ただ、穴をあけるために余裕をもって貫かないといけないので、長方形の長さ(Z軸)をふたつとも長くしましょう。
https://gyazo.com/611655455b8012da28e8640b2319f857
◆ちなみにここの赤(X)、青(Z)、緑(Y)の丸をクリックすると真正面からの視点に移動できます。
https://gyazo.com/a59aec086e8ee7967d7833c412057a54
さて、いよいよ穴を開けるのですが、ここで注意点です。
Blenderでは穴を開けたり、くっつけたりした後の微調整が大変になることが多々あるので、
その前の状態を別のファイルでバックアップとして保存しておくことをおすすめします。
今回は特に自分の環境に適した大きさを探る必要があるので保存しておきましょう。
◆では、穴を開けましょう。
まず、円柱を選択して、右のスパナのアイコン(モディファイアープロパティ)をクリックして、モディファイアーを追加をクリック、ブーリアンを選択しましょう。
https://gyazo.com/f4cbf2d32e079ae19dc12f2faea5edf8
https://gyazo.com/99ec250fbb255c6c96c0c137c6109b8e
◆オブジェクトをクリックして長方形(立方体)を選択します。
https://gyazo.com/bc9c1e02d13ada66c58270259f50d10d
◆さらにもう一度モディファイアーを追加でブーリアンを追加し、オブジェクトの項目に先ほどとは別の長方形を選択します。
https://gyazo.com/e40c9cc02d4107857b8d3a200a95f146
◆右のシーンコレクションの立方体(長方形)の横の目のアイコンをクリックして目を閉じると、穴が開いてみえます。
https://gyazo.com/2fe6a6d375660976c6290bd5d2c7e024
◆このままではまだ穴が開いていないので、モディファイアーを適用させましょう。
https://gyazo.com/9f22a7256d37c2502d07bc8c22d3ac2b
◆穴が開きましたので、必要のなくなった長方形をXキーで削除しましょう。
https://gyazo.com/a21cf06d3e2e5c500aeb2287b31cc147
毎回この手順を踏むの面倒くさいですよね?
では、少し楽になるアドオン「Bool Tool」を有効にしましょう。
◆Blenderのアドオンは 、編集 - プリファレンス - アドオンにあります。
https://gyazo.com/0264ffaf1130beb2db4e40b6bf942549
◆検索窓にboolと入力すると出てくるので、チェックボックスをクリックして有効にしましょう。
https://gyazo.com/5bb9ea65f128d9c03b126546d494c6a8
ちなみに三角アイコンをクリックすると設定が現れます。
https://gyazo.com/952d1cdc714df68556f53e462500b5ad
◆使い方ですが、最初に穴となるオブジェクトをクリックして、シフトキーを押しながら穴を開けたいオブジェクトをクリックします。そしたら、編集タブ - Bool Tool - Auto BooleanのDifferenceをクリックすると穴が開きます。
https://gyazo.com/b8c93df50f349135d87147739a59dd22
https://gyazo.com/cf4fe038f0c7865d67243ed1fa4b1879
◆Unionだとくっつきます。
https://gyazo.com/9e234b6f427033c63a4fa2d89695b0eb
さて、軸が出来たのでとりあえず印刷して微調整をする必要がありますが、
軸のみだと上に何も乗っていないので、キーキャップにしたときに軸の出来が変わってしまうので適当に何か乗せましょう。
◆今回は半球を乗せます。四角でなく、球を乗せる理由ですが、積層式の3Dプリンターの場合下から積み重ねて立体にするので、四角だといきなり空中に印刷することになるので、印刷できません。
もちろんサポート材を使用すれば可能ですが、設定を追い込まないと綺麗に剥がせなかったり、印刷時間が多く必要ですのサポート材が不要なら不要に越したことはないです。
https://gyazo.com/a886c5c6c46935587bfc22eda0bd844a
◆ちなみにこのようにすることで、サポート材なしでも印刷できます。(私もTwitterで教えてもらった)
https://gyazo.com/e616d92cf0e521c06ec88776a47a1fce
◆半球を乗せる前に、軸の片側を閉じて伸ばします。
軸を選択して、編集モードに以降します。Blenderでは各オブジェクト毎に編集モードで細かな変形を行います。
https://gyazo.com/9fcef482c2248850cfe0590f730bfbca
◆ここで選択する対象を点、辺、面に切り替えれます。
https://gyazo.com/8e38457a86f4d1455798779696d8cf37
◆頂点選択を選択して、頂点をクリックしてみましょう。
シフトキーを押しながらで複数選択ができます。
https://gyazo.com/ec723dbd0575b8fa93f7addca3417c45
◆Ctrlキーを押しながら頂点を1->2の順にクリックするとこのように最短経路の頂点が全て選択されます。
https://gyazo.com/68d8f0ccfc202c1667901b7619bd6cc3
◆Ctrlキーを押しながら1->2の順でクリックした後、右クリック - 頂点から新規辺/面作成をクリックすると、頂点で囲まれた面を作成できます。
https://gyazo.com/b6eddf0202ce86c4d956e15004e34793
https://gyazo.com/28aa3e5ca17532a9b84ab0381b1ca487
https://gyazo.com/6ee9a568b3064d3f67e0f8ad10a0aaed
◆この調子で上の穴を面で塞ぎます。
https://gyazo.com/6c07585776e858fe1493299d7fac485f
◆次に円の外周を選択しましょう。Ctrlキーを押しながらだと楽に選択できます。
https://gyazo.com/cfd841029b61ad07fa254cc21664bebc
◆その状態で左の押し出しを選択します。その後、現れた十字をクリックしながらマウスを上に移動させます。
https://gyazo.com/a29d487bdf21109ef9a1bf9395dedd30
◆クリックを離すと現れるウィンドウに数値を入力すると正確な数値だけ押し出せます。
https://gyazo.com/e7d92e70ba50ede4eb0d9ba06d0eccdc
◆このまま右クリック - 頂点から新規辺/面作成 で上部を閉じましょう。
https://gyazo.com/e1d2dfd794e650035b0a45a343b06e2e
https://gyazo.com/82cfcfdab4c35c47cd193fc655e713af
◆ここで右上のワイヤーモードをクリックしてワイヤーモードで見てみましょう。
穴の開いていない面に厚みを持たすことができたことがわかりますね。元の表示に戻すにはワイヤーモードの右隣りのソリッドモードを選択すればいいです。
https://gyazo.com/d0f358db114c0c5153f8f726d730961f
ところで、なぜこんなことをしたのでしょうか?
こうなることを防ぐためです。
https://gyazo.com/27cb6fcf4dce1e09d4b02c7b41373116
下から印刷していくと赤丸の箇所が空中に印刷してしまいますよね?
これから先色々な形のモノにこの軸をくっつけていくことになるので、閉じいた方がいいです。
https://gyazo.com/de963d169f877ce7755c36eed69dfcce
もう一つ、こう思いませんでしたか?
「十字に穴開ける時点でずらしとけばいいのでは?」
はい。その通りです。
では、保存しておいた軸をコピーして使用しましょう。
保存しましたよね?
コピーしないで原本そのまま上書きしてしまわないように注意しましょう。
https://gyazo.com/ed246c484ea6f216e4e4392b4eb8951f
◆先ず円柱の長さを+αしましょう。その後、長方形の長さを円柱の長さに合わせてください。
https://gyazo.com/b1664dfe290c6df0e07211c6401fac3e
◆次に長方形の位置(Z軸)を両方とも+αした値だけ下げます。
https://gyazo.com/b100bd909a90ec23d9a8e481922c8765
◆後はBool Toolで切り抜けば完成です。
https://gyazo.com/62694c54d73d8fa363a69d601e6a79f1
では、半円を作りましょう。
◆オブジェクトモードで、追加 - メッシュ - UV球 をクリック。
https://gyazo.com/a19b1bf54a4771c3322dbd2fa24d328a
◆例のごとくオペレーターパネルを編集します。
セグメントとリングの値は円柱と同じく雰囲気です。
https://gyazo.com/370af99684123592c71a742db55f8a0d
◆球を軸のいい感じの所に移動させましょう。
https://gyazo.com/d6c622d20ae628729ed84e9b1224e1e9
◆次に立方体を追加して、球を半分にするイメージで配置しましょう。
正確に半分にしたい場合は、立方体のZ軸の位置を((球のZ軸の位置) + (立方体の高さ(Z)の半分))にすればいいです。
(中心を球に合わせて、そこから立方体の底辺が中心だった位置に来るように移動しただけです。)
https://gyazo.com/0cf37b411da7010d7bdd9547c6dbe551
はい。ここで別名で保存!
癖づけましょう。
◆あとはBool Toolで球を半分にして軸にくっつけます。
https://gyazo.com/657c39d573289c18a6cb22a8c2692728
https://gyazo.com/ed00ccf6d4afea4b6a5c3d630cf7a2d5
これで完成です。
◆ファイル - エクスポート - Stl でSTLとして保存しましょう。
https://gyazo.com/14371177d996fa0ddf41517360032b05
◆後はスライサに読み込んで印刷するだけ!
https://gyazo.com/fe56612dd4d98ecb425dcc3bef6c92f4
!?
ダメみたいですね。。。
◆今までのデータを使ってこの状態で保存しておけば直ぐに修正できます。
ちなみにオブジェクトはCtrl + c でコピーすれば別のウィンドウで開いたBlenderにもCtrl + vでペーストできます。
https://gyazo.com/5522d6d7fad2c3cb2cf6f0555455e612
◆あとは、いい感じに円柱と穴のための長方形の大きさを調整してスライスで破損しないように修正、
その後は印刷してみていい感じにキースイッチにはまるまで微調整って流れです。
https://gyazo.com/68b2dd7e9deb2c6518f948945bad5da2
印刷してみて写真載せようと思ったら、Frash Printの設定デスクトップPCにしか保存してない(引越してノートPCしか使ってないから開けてない)ので今回はここまで!
次回は少し複雑な形のキーキャップ作りと、STL破損時の修復方法でも書こうかな。
現時点で破損して困ってる人のためにキーワードを言うと、
・スライサに丸投げで修復は諦めて印刷
・Blenderのアドオン3D Print Toolboxで頑張る
https://gyazo.com/5ac4f9dc800a08bd74547f73f5edf55c
です。
では、よいキーキャップ作りを!