国際戦争・革命戦争としての独立戦争
国際戦争・革命戦争としての独立戦争
フランスのモチベーション、行動
軍需品、銃、火薬などがアメリカ大陸に運ばれた
イギリスが兵力を消耗し、ヨーロッパでの勢力を減退させることが狙い
フランスにとっては好機だった
アメリカのモチベーション、行動
抗争はあくまで帝国内の戦闘であり、内戦
大砲を所有していなかったので、フランスからの支援はありがたい
ワシントンを総司令官に任命し、長期抗戦を想定した大陸軍を組織した後も、目的は独立ではなく本国と植民地との関係の回復であった 戦争が拡大、長期化し外国の援助が切実化
そのためには独立国家になり、軍事同盟を結ぶ、国際戦争へ転化させる必要がでてきた
戦争の現実自体が内戦を国際戦へエスカレートさせた
1776年、リチャード・ヘンリー・リーが独立の決議案を提出 イギリス本国からの独立、外国との同盟、独立諸邦の連合の3つの決議
独立
同盟
フランス側が慎重であった
自国の武力、財力は消耗したくない。リスクを取りたくない
1777年10月のサラトガの会戦でのアメリカ勝利、イギリスの早期和平の動きもあり調印へ
スペインは独立を認めていないが、フランスとの盟約の元1779年にイギリスに宣戦 連合
イギリス帝国からの離脱=独立へ
ヨークタウンの戦闘で、フランスの影響力もありイギリスは戦闘を中止、和平工作を決議しアメリカ植民地の独立承認を前提とする講和条約提出へ向けて動く
フランスの手前、北米大陸で軍事力と財政力を消耗したくなかった
独立13週+旧イギリス領土を版図に加え、アメリカ帝国の基礎を築いた
独立戦争は18世紀の権力政治上の国際戦争の一環として戦われ、権力政治上の所産としてアメリカの独立はもたらされた 確かに、戦争の結果として革命がなされたわけではない
典型的には革命とは戦争のインパクトによる体制の不安定化の結果としておこるもの
アメリカは勝利者であり、戦争の影響は薄い
たしかに経済的な混乱はもたらされたが、体制安定化の要請や憲法の制定がもとめられ、革命なるものが勃発したわけではない
革命を原因とし、戦争が結果となったのでは?
革命の目的達成の手段としての戦争、革命の文脈における一環として位置づけられるべき戦争
アメリカの場合はこちらに該当するのでは?
独立宣言以降は、イギリス帝国の部分的な解体、新しい秩序の形成を目指す戦争
旧体制(君主政)と異なった新体制(共和政)に基づく新秩序の形成が目的
つまり、単なる国際戦争ではなく、植民地内での本国権力の否定と権力機構の独立のための戦争でもあった
だからこそ、当初は反乱としてとらえられていた
独立戦争はこの反乱に、革命権に基づく正統性を与えるという役割
また、実際にアメリカでは広大な土地空間と労働力の不足という条件のもと、イギリス社会とはかなり異なった独自の社会を形成していた
イギリス人であったはずの植民地人がアメリカ人化していた
異なった民族、文化共同体
独立戦争は民族解放戦争でもあった!
ただし、1779年のイロコイ族殲滅のように、民族抑圧戦争という側面も持っていた