ケガレの民族誌
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【出版】1996(文庫2010年)
【著者】宮田登
内容説明
被差別部落の白山信仰、血穢の性差別、非常民の世界、民俗概念としてのケガレ。これまで日本民俗学が避けてきた問題、ケガレと差別の底に潜むものは何か。ハレ・ケ・ケガレの民間信仰の意識構造のなかで、ケガレが不浄なるものへと変化する過程を究明し、経血にまつわる女性差別の要因である血穢の虚構をあばく。また、死穢というもっとも大きな不浄観はどのような時空間で発生するのかなど、その基底にある民俗儀礼の奥底を明らかにする。ケガレとはたんなる汚穢ではなく、ハレを喚起する力なのだ。日本民俗の深層に根付いている不浄なる観念と差別の問題を考察した先駆的名著。
目次
1 民俗研究と被差別部落
2 差別の生活意識
3 性差別の原理
4 シラとケガレ
5 ケガレの民俗文化史
6 今後の課題
被差別部落の白山信仰
ケガレ→不浄への意味の転換
常民(農耕定住民,普通の農民)の習慣や生活から離れている人は差別を受けやすかった
山に住む人,漁民など
特別な力を持つ人(常民の一般平均から外れている)も差別の対象になりやすかった.憧憬と畏怖.
力者
霊力のある人
死に関わることができる人
不浄に携わる人とされがちだが,霊力がある,神に近い存在としても扱われる
実際に,被差別部落の人々が神事に携わることがあった
読了:2021/6/20