イリアス
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【作家】
【訳者】
【その他】
以下、概観
イリアスの時代(叙事詩の起源)
ギリシア本土における青銅器時代の後期
紀元前1400~1200年
英雄時代とも呼ばれる
トロイア戦争はじめ、多くの英雄がいた時代とされていた
栄光に輝く時代
「ドーリス人の侵入」によって崩壊→暗黒時代へ
英雄叙事詩について
当時から行われていた
「謡い物」から「語り物」へ
音楽に合わせて謡っていた時代から、落語家が語るように
当時名の知られたラプソードスとの問答
ラプソードスはラプソディの語源でもある
トロイア落城
ミュケナイ時代に遠征が行われた可能性もあるが、しかし、落城の原因がギリシア人だったとは限らない
トロイア人はどういう民族なのか?
『イリアス』の成立
ホメロスの出現
紀元前八世紀
紀元前6世紀後半のアテナイでは、おそらくテクストが作られた「ペイシストラトスの校訂」 ギリシアと文字
暗黒時代に忘れ去られる
紀元前8世紀ごろ、セム系のアラム文字を借りてギリシアアルファベットが成立 フェニキア人から伝わったといわれる
ホメロスは「ヘラス(ギリシア語)の教師」
文字をもって書くということは、その言葉を時間と空間のなかに配置することなのだ。そういうことをせずに、どうして世界に叙事詩や物語が類型をもって発生し、それらがその民族やその地域やその信仰にもとづいた神話世界に温かく包まれたであろう。
読み切りの短編が多数発生し、それを踏まえて制作が試みられた?
シリーズ物のように、連続して語られたかもしれない
『イリアス』の表現上の特色
常套句
記憶しやすいように
口頭での語りなので、不自然でもない
むしろ、観客に理解させるためには必要不可欠であった
落語、お笑い、ヒットしているJPOPなどにも繰り返しは必須
エピテトン(枕詞のようなもの)
リズムの流れを調整
原義が忘れられていることもある
ヘラのエピテトン「牛眼の」など
比喩の多用
自然現象、狩猟、農耕、牧畜など人間生活の全般
語り手や聴衆の身のまわりの日常的な情景からとられることが多い
口演の場での親近感
父称の多用
ギリシアでは姓がなかったからこのような呼び方をするしかなかった
リズムの調整
正式で丁重な語法
カタロゴス(人や物の名を列挙)
古代叙事詩の特徴
強く印象付けるため、あるいは詩的な情緒を高めるため(リズムや語感の効果)
ホメロスとは
伝説中の人物
実在したのかどうかも不明
スミュルナ生まれという説
『ホメロス翻訳論』によるホメロスの特徴
文体のスピード感
平明かつ直截な言語、発想、題材
気品
そもそもギリシア・ローマ神話が広すぎるし、そこには幾重にもわたる知の複雑骨折が何層多岐にもおよぶ意表をつくっていて、しかも、これが一番厄介なのだが、神名やその事跡に出会うたび、そこから猛烈な勢いでギリシア語やラテン語やその後の英仏独語が放射状に発散し、その言葉のひとつずつが全欧文化史のありとあらゆる場面に突き刺さって、そこに独自の「概念の森」の変更が何段にもギアチェンジされていることが多すぎるのだ。そのプロセスにつきあわされるだけでも、目が眩む。いくらメモをとろうとも、まにあわない。そんなわけだから、ここはやっぱり倉橋さんが言ったように、高校生くらいのときにホメーロスを読んで、その香りと味に幼く接しておくような、そういう付き合いをしておくべきだったのだ。 松岡正剛
<参考文献>
『イリアス』松平千秋
<参考>