アメリカ社会理解の前提ー時間・空間・人間・転機
時間
絶対主義、封建社会を経験せず、身分制の障壁もなし
逆説的に「伝統的」「保守的」である
体制の変革を経験していない
自由主義の絶対化
空間
アメリカ内、外ともに広大な空間
大西洋でヨーロッパ諸国と隔絶
「無償の安全保障」
「孤立主義」
ぬくぬくと大陸内で膨張発展
ヨーロッパとはことなったアメリカ文明という意識
文明宣教の意識(アメリカ文明をアメリカ大陸に広める)
19世紀の工業化ののちは、太平洋は隔絶の空間ではなく延長の空間へ 第一次大戦を契機にヨーロッパの戦力均衡に介入、世界国家へ
通信技術・航空機の発達
外部と隔てる空間が縮小、世界の経済、政治、文化にコミットできるようになり、影響力を発揮
人間
人種的多様性
インディアン以外のアメリカ人はすべて外からの移住者
インディアンは先住者であり、他のアメリカ人とは質的に異なる
排除されてしまう
また、「質的に異なる」移民としての黒人
黒人奴隷は強制的に移住させられたという点でほかの移住者とは異なる
独特の階層
身分制はないが、移住民族間の微妙な壁は存在する(移住した時期などにもよる)
アメリカ化
アメリカ社会への移住者がアメリカ的価値に同化すること(現在では、アメリカ外の社会にアメリカ文明をもたらすことを含む)
人種的統合性を欠く分、人為的な統合がより必要とされている
アメリカ的信条、アメリカ的生活様式
アメリカ的価値の基本は「自由」
転機
世界全体の多元化
ベトナム戦争以後は初めて縮小・制約を経験する
外延的拡大の一途だった時代が終わった
覇権国としてでなく、大国のひとつへ
アメリカ内部での多元化
アングロサクソン&プロテスタント男性が中心であるという神話と現実→疎外されてきた有色人種や女性、新たな移民の影響力が大きくなり、アメリカ社会における多分化傾向がすすんだ
価値観の相剋が"Cultual wars"と呼ばれるまで顕在化
中絶、同性愛、犯罪防止、福祉など
「多からひとつ」をいかに実現するか?