なぜ、この人と話をすると楽になるのか
https://gyazo.com/559c97b1c128ab656bb40e9fa08a94b8 https://www.ohtabooks.com/publish/2015/01/31102444.html
対象読者 : 「コミュ障」 で悩んでいる人
目的 : コミュニケーションのコツを伝授して、読者がコミュニケーションが上手になること
問題意識・新規性 : 元コミュ障の著者は、コミュニケーションが技術だとそもそも思われていないこと/そして、だからこそコミュニケーションの方法を教える本がほとんどないことに問題を感じている。自己分析しながらコミュニケーション能力を身につけていった自身の経験からそれらのTipsを紹介する。
コミュニケーションは技術である
自転車に乗るのと同じ。目指すところとメカニズムを知ることが効率的に技術を高めるために重要
「空気を読め」 ってなんだろう…この言葉は具体的ではないから達成できない。実行に移せるように言葉を噛み砕いていこう
一般的な、コミュニケーションに対する認識
自分の話を伝えるにはどうしたらいいか
考えていることをいかに表現するか
おかねもうけ、プレゼン、自己アピール
しかし、上のような自分中心の考え方に基づくテクニックは、実際には相手の出方やその場の状況しだいで使えないことのほうが多い
「コミュ障」 ってなんだ
障害、という言葉は、本来ふつうできてあたりまえのことにしか使われない
料理障害、水泳障害とは言わない
コミュニケーションは、世間的にはできてあたりまえだと思われている。練習しなくてもできるようになると思われているからこそ、「障害」 という言葉が使われるんじゃないか
よくコミュ障の人にたいして言われる「自信を持て」 はナンセンスだ。だけど、「うまくいくよう努力」 はしなくてはならない。
役に立つ技術がなんの努力もなく手に入るということはない!
がんばる回数を減らす効率的な方法で努力していこう
コミュニケーションは敵と味方を峻別する
喫煙所でのおしゃべりがエレベーターより楽に感じるのはなぜ?
ある種のマイノリティ性を共有している仲間意識
「敵は殺してもいいが、味方は殺してはいけない」
コミュニケーションの取れる相手=味方 を増やそう
基本技術
会話をモニタリングしよう
相手をよくみて、話を聞いて、モニタリングする
うまくいっていないなというところがあれば、直していく
吉田はどうして、人前で話をして大丈夫と思えるようになったか?
1. 自己顕示欲がなくなった
人から興味を持たれなくてあたりまえ→つまらない と思われることが怖くなくなった
2. コミュニケーションが「ゲーム」 だと気がついた
ルールや技術があり、上達できる
3. 盤面解説ができるようになった
定石をもとに、「この場合はこっちのほうがいいな」 などの分析
コミュケーションゲームのルール
1. 参加者全員の協力プレー
勝った、負けたではないから、優位に立とうとするのをやめよう
2. ゲームの敵は「きまずさ」
3. ゲームは強制スタート
4. ゲームの勝利条件は、「ポジティブな結果」
笑う、笑わせる
尊敬する、される
ビックリする、される
共感する、される
5. 目標、ゴールは、参加者全員が気分よくなること
プレイヤーとして意識すること
勝利条件を普段から目指して、一喜一憂すること
気付けば、直せる可能性がうまれる
ゲームプレイの基本
人にしゃべらせる
「えっ?」 と思えればしめたもの
自分のやることは、相手がしゃべった事柄に対して考えて、対応すること
言葉は自分のものではなく、相手のためにあるもの
自分がしゃべっても、相手に伝わるメッセージは不確かである
言い負かそうとしても、相手の意見を変えることはできない
自然な驚き、気づきのほうがむしろ変更の可能性を秘めている
ゲームに対する姿勢
なにかしらの目的を持つ
ウケたい、とか
先入観をむしろ、持つ
人は間違った情報を訂正しようとするときにいちばんしゃべってくれる
ヒップホップアーティストに「怖い人だと思ってました」 →「そんなことないですよ~」 から、いろいろしゃべってくれる
はじめから正しく理解しようとしなくてOK
「伝える」 と「伝わる」 は違う
「伝える」 は、より正しく「伝わる」 ための操作、意図
最終的になにが伝わるかは、こちらの意図とは無関係
ひとに自分の考えを伝えようとおもったら?
「自分はこう思うんだけど、どうだろう?」 と、質問のかたちを演出しないと難しい。
基本的に解釈の強制はできない
なにかを「伝えよう」 と思うとウソっぽくなるから、そのような方向性はやめたほうがいい
「勇気を与えるプレー」 とかね。
劣等感は無視する
あくまで協力プレーであることを意識
愚者戦法はぜんぜんあり
嫌われていると思い込まない
好かれているとか嫌われているとかは、会話を続ける上ではそこまで重要じゃない。変わることもあるしね
負けもあることをこころにとめておく
負けることもあるからゲームはおもしろい。その上で勝つ確率をあげていくことに楽しさがある
「空気を読む」 って、なんだ?
そもそもなんのために空気を読むか
気まずさを回避するため
空気を読むとは
場のムードに自分のテンションを合わせること
パリピ集団で「空気が読める」 とされる人がオタク集団に混じって空気が読めないとされる場合、それは場のテンションから浮いているから。別に「空気を読む」=テンションを上げるというわけでは必ずしもない
わからなくてもOK。訂正されながら少しずつ合わせていく
先入観で勝手に、場のテンションを想像して初手を打つ、フィードバックを得ながら修正する
なぜ、テンションを合わせる必要があるか?
そのほうが会話が弾むから
人間のコミュニケーション=会話は、チンパンジーの毛づくろいのようなもの
気分がよくなるものであるということが、情報伝達より先にきている
会話はゴシップを伝えるために存在している
毛づくろい的な会話
ムダ話、バカ話、雑談
代表格は、ガールズトークだ
技術編
前提 : コミュニケーションには試合時間がある!
会話の「中身」 は、バリエーションがありすぎて基盤にはならない
時間経過は客観的なものだから、枠組みとして適切
話題とはなにか? : 話題とは、質問である
なにを話せばいいんだ…とおもったら、質問をする
どのように質問すればよいか
まずは相手を観察する。興味を持てそうな部分を探す
「そのシャツいいですね、どこで買ったんですか? 」 など。
目に見える部分から探せばOK
相手の言い分に乗ってみよう!
なんでもいいから、驚けたり、おもしろがれたりするところを探してどんどん質問していこう
相手に対して優位にたたない
1. ほめる
2. 驚く
驚きを呼ぶためにはどんなテクニックがあるか?
言葉の新奇性は大切
どこかの借り物ではだめ。「感動をありがとう」 からはなにも感動を感じないじゃないか。みんなが使いはじめて驚きがなくなった例。
物事について深く知ろう
素直と無知はイコールではないし
知識があるからこそ驚けるものも増える
3. おもしろがる
おもしろかったこと、「おもしろがりかたを把握できたもの」 は記憶にものこりやすい
タモリさんの「髪切った? 」 はキラーパス
変化に言及している
定石!
他愛がない
答えやすい。リスクがない
返答のリカバリーがしやすい
きまずさがうまれてもすぐに駆逐できる
「切ってない」 と言われても、「そういえば整髪料を変えたんだ」 などと相手がリカバリーしてくれるし、こちらもすぐに対応できる
関心があるよと表明できる
髪を切ったことは忘れない
答えに悩むことがない
トラップ・パス・ドリブル
トラップ : なにかを思って受け止める
先入観、偏見、その最初の受け止め
相手の話をしっかり聞くのがキモ
相手のパスをトラップできない場合、相手のパスが下手な場合もあるが、自分のトラップが下手なのかもしれない。
相手の言っていることは全部聞く。相手が伝えたがっていることだけ聞いてもだめ
話を全部きいて、感想を持とう
トラップの例
「あっ、そうなんだ」
「ふーん」 と比べて、驚きがある!
話が転がっていく方向にトラップしよう
「ふーん」 は方向がよくわからないからあまりよくない
「へえ」 とりも「へえ、そう!」
最高のトラップは、プラスの感想を付け加えたダイレクトパス
「えっ?」 と驚けることにアンテナをたてる
パス : 質問
質問に大事なのは「こたえやすさ」
相手の興味があることを聞く。教わる気持ちで。
解像度の高い質問をする。具体的に聞く
「フィンランドってどんな国ですか?」 よりも、「フィンランドは冬、どのくらい寒いんですか?」
「眠気に負けそうなときどうしてる?」
これは、相手の持っている情報を聞き出せるからいいかんじ
相談する、というのも下手に出られるのでナイス
「通っていた高校の自慢、教えて」
高校、と具体的に絞っていること、自慢というポジティブな内容を「教えてもらう」
パスコース (質問の対象・その方向性) を意識する
みんなにパスコースが見えているときは会話が弾む
だれにも共感があってディテールの違う話
「どんな給食が好きだった?」
いくらでもドリブルできる
ドリブル : 答えや感想といった、自分のはなし
これは、パスを回すまでの繋ぎと考えて、自分ではあまりやらなくてすむことが望ましい
会話でも使えるインタビューテクニック
時系列の空白を埋める
年表のすきまを探す
よく知られている人物でも、知られていないところ (時期) が必ずあるはず
話のなかでズームインするかズームアウトするか、統一する
質問は順番が大事
キャラクターとはなにか
質問をするときの自分側の足場
「この話はきっとあの人にふるといいんじゃないか」 という目論見を引き出す
つまり、パスコースを明確にする「ポジショニング」 といったところ
コミュニケーションにおける「顔」、それ以上でも以下でもない
コミュニケーションを成立させるために、キャラがあると効率的である
パスコースの予測がしやすくなるから
キャラクターは周囲の予測から始まる。自己申告には意味がない
では、そのキャラクターを自分で認識して、戦略的に扱うためにはどうしたらいいのか
欠点 が大事
自分の欠点をさらけだす「愚者戦略」
そこをつっこまれてOKにしよう
愚者戦略
欠点をあえてさらけだす戦法
これを使って自分を低く設定すると、話しかけられやすくなる
ツッコミが入るなどして、パスが回ってきやすくなる、ということは、自分でだれにあるいはどこにパスを出すか決められるということで、ゲームのコントロールもしやすくなる
愚者戦略は承認と自覚である
他人の言葉、予測が先で、自覚はあと
やってはいけない危険なプレー
1. ウソ
ウソがバレたら気まずくなるから一発アウト
愚者戦略にも繋がることだが、もし相手のほうが上 (相手の得意分野) だったらどうするんだ
黙秘権は積極的に行使しよう
すでに知っている来シーズンの番組アシスタントを知っているが、発表できないとき「知らない」 というのは嘘だが「言えないいんですよ」 というのはOK
2. 自慢
自慢があると解釈が固定されてしまう=パスコースが狭くなる
「有名人と知り合いなんだ、すごいだろ」 発言は、「すごいと見られたいんだな」 と解釈=キャラクターを押し付けることになる。さらに、相手がその相手とより親しかった場合は「このひとはいま一目置かれたいんだな…」 という解釈も加わって、尊敬できなくなってしまう
自分より理解度が上の人がいたらどうしよう…というのは念頭においておかなければならない
3. 相手のいうことの否定
相手の言っていることに異議を持ったら、黙秘権を行使しよう。それができないときは、できるだけ申し訳なさそうにしておく (愚者戦略をつかう) 。
会話の流れが否定の場合はOK。
アンチ巨人ネタで話が盛り上がっているとか
自分が巨人ファンなのにダイレクトパスが来てしまったらどうしよう
流す!!
地雷を踏むってどんなときだろう
たいてい、相手の言うことを否定するとき
地雷を踏みやすくて悩んでいるなら、「嫌い」 「違う」 はNGワードにする
「嫌い」 などの感情は、生理的なものだけど、それを発話してしまうのは自分が正しいっていう意味論争になってしまう
生理的な反応は、ほとんど身体のレベルで決定している。が、なにかを言おうとしても、「いや、やめとこう」 と意識は身体を止めることができる。これをいつも念頭においておく
これも、練習だいじ
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しかしほんとうに樋口ってまとめ力というかプレゼン力というかうまいな…、具体例をしっかり覚えておいて、それを出すっていうのは紹介ではだいじかもしれない
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