『システムの科学』
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商品説明
システムについての議論はどこまで進化しているのか? 自然界における事象を単純なモデルとして置き換える作業から始まったこれらの議論は、より複雑なものを取り扱うことができるように進化を続けてきた。自然現象のみならず、経済、社会などの人間活動から生み出される世界についても多くの議論が続けられているのが現状である。
本書はシステム(原題では人工物)について、その可能性と本質について論じたものだ。本書で定義される人工物とは人間が何らかの恣意(しい)をもって構築したものすべてである。すなわち工学的なマテリアルやシステムはもちろんのこと、経済や企業などの特定の目的をもつ組織も含まれ、認知心理学、経済学、工学的デザイン論を通して人工物の科学の本質を明らかにしている。著者は政治学、経済学、コンピュータ工学など広範な分野に精通しており、その豊富な見識を駆使して本書を書き上げている。多岐にわたる話題についてどのようなアプローチがいままでに試みられ、そしてそれらがどのような成果を出し、またどのような意味があったのかを分析し、解説し、そして結論づけることを試みている。われわれが作り出すすべての人工物に対する科学の可能性を論じ、すべての人工物の集合であるところの文明の構築理論を論じているのだ。
学識者ならずとも理解できるように練りこまれた内容は著者の力量をうかがわせる。われわれがどこまでシステムにアプローチできるのか、どのように扱うことができるのかを模索したい人におすすめ。(斎藤牧人)
内容紹介
「人工物の科学はいかに可能であるか」
本書は必然性ではなく、環境依存性――「いかにあるか」ではなく「いかにあるべきか」――に関与するデザインの諸科学、すなわち人工物の科学(The Sciences of the Artificial)の本質を明らかにし、その可能性をとうものである。
1968年マサチューセッツ工科大学(MIT)、そして1980年カリフォルニア大学バークレー校における講演をもとに経済学・認知心理学・工学的デザイン論など広範な領域に関する議論を通して人工物の科学、ひいては「文明構築の論理」はいかなるものかを明らかにしていく。
ノーベル経済学賞記念講演より「企業組織における合理的意思決定」を記録。