原油先物のマイナス価格
原油先物のマイナス価格
ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されているWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は4月20日、一時1バレル=マイナス40ドル32セントをつけました。その後はやや水準を戻したものの、結局、マイナス37ドル63セントで取引を終えました。原油先物価格がマイナスとなるのは、史上初めてのことであり、異例の事態といえます。
マイナス価格は、原油の売り手が買い手に対し、代金を支払った上で原油を引き渡すことを意味しています。背景には、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に景気が鈍化し、原油需要が大幅に減少したことがあります。需要減少で在庫が増えれば、貯蔵タンクやタンカーなどによる原油の保管コストは上昇します。加えて原油価格が下落基調にあるため、原油保有はデメリットとなり、先物に損失覚悟の売りが膨らんだと考えられます。