何でもかんでもマイク入力に突っ込むのをやめよう
from ADA8200
何でもかんでもマイクインプットに突っ込むのをやめよう
X32だとライン出力もXLR入力で受けれちゃうからADA8200もそのノリでぶっ刺してたけど音が変だったので調べたところ、仕様が全然違った。
PA機材ってのは本当によく出来てるんだな。逆にマイクプリって一体何なんだ。
いやマイク入力を受けるだけなら全く問題の発生しないスペックだとは思うが
ADA8200の最低ゲインが+15dbなのはよくわからんな。あんまゲイン上げるな、って想定なのかな。
あとXDJ-AZって基準出力(+4dBu)に対してヘッドルームが21dbuもあるんだな(+25dbu)
マスターメーターが0に触れてるときに+4dbuで、メーター上の最大が9だから、ゆうて18dbuのゆとりがある。すごいな。
てことはマスターメーター0を基準にX32のユニティを設定しておけば、真っ赤っ赤になってるときに-9dbくらいフェーダ下げれば音量は一緒くらいになるのか。なるほどね。
Pioneerの推奨は+6dbu、マスターメーターで+3dbに触れるか触れないかくらいのところっぽい。ほーん。
(きっとこんなん専門卒は当たり前に知ってることなんだろうな、、、野良は基礎を知らんから駄目だねえ、、、)
以下経過。
kbyshwtn.icon
ベリンガーのADATマイクプリにXDJからのバランス信号を送ってるのだが、ライン入力とマイク入力で音がまるで違うのはなんでだ。マイク入力だとローがスっぽ抜ける。ファンタムのオンオフでも音量が変わる気がする。ライン入力に入れればなんの問題もないとはいえ、マイク入力で何が起きてるのか気になる。
普通にインピーダンスのミスマッチだと思うのだが、逆に世の中のPA機材はどうやってこの問題に対処してるんだ?
マイク/ライン兼用の穴はどういう仕組?
コンボジャックはおそらくパッシブに条件分けして回路分けてる
XLRしか穴がないx32とかはどうなってんだ。
いやAUX用のラインインプットはあるからそこに入れてマトリクスで普通のチャンネルに送るべきなのか?
ADA8200のインプット仕様
https://gyazo.com/7bf2ba4065ba9e4ddb4b263f5b442589
X32のインプット仕様
https://gyazo.com/42064840646cea02919e051fe14efc6f
AIに分析してもろた
結論から言うと、X32のマイクプリアンプが、ADA8200のものよりも圧倒的に高い許容入力(ヘッドルーム)と、ライン信号に適した高い入力インピーダンスを持つように設計されているためです。
1. 最大入力レベル(Max Input Level)
これが音の歪みやクリップの最も直接的な原因
ADA8200 (問題あり): +6 dBu
X32 (問題なし): +23 dBu
XDJのようなDJミキサーのプロ用ライン出力は基準レベルが+4dBu
音楽のピーク時には+20dBuを超えることも珍しくない
ADA8200の場合:
+6dBuという上限は、XDJからの信号が入力された瞬間に超えてしまいます。
これは、小さなコップにバケツで水を注ぐようなもので、信号は激しくクリッピング(音割れ)し、飽和状態になります。
X32の場合:
+23dBuという上限は、一般的なライン機器の最大出力レベルを十分にカバーできる非常に高い値です。
そのため、XDJからの強力な信号が入力されても、プリアンプが飽和せず、クリアな音を保つことができます。
2. 入力インピーダンス(Input Impedance)
これが「ローがスッポ抜ける」という音質変化の主な原因です。
ADA8200 (問題あり): 2.7 kΩ (balanced)
X32 (問題なし): 10 kΩ (balanced)
音響機器の基本として、出力側のインピーダンスに対して、入力側のインピーダンスは10倍以上あるのが望ましいとされています(インピーダンス・ブリッジング)。
XDJ-AZのMaster1のインピーダンスは ≤ 360 Ωなので、確かにX32なら大丈夫だがADA8200だと駄目、ということになるわね。
ADA8200の場合:2.7kΩという値はマイクを受けるには標準的ですが、ライン機器を接続するには低すぎます。XDJの出力回路に大きな負荷がかかり、意図しないフィルター(ハイパスフィルター)のような効果が生まれ、低音域が失われてしまいます。
X32の場合:10kΩという値は、ライン入力の標準的な値(10kΩ〜20kΩ)に非常に近いです。これにより、XDJの出力回路に余計な負荷をかけず、周波数特性を変化させることなく信号を素直に受け取ることができます。
3. ゲインレンジ(Gain Range)
プリアンプがどれだけ信号を増幅できるかを示す範囲です。特に最低ゲインが重要です。
ADA8200 (問題あり): +15 to +60 dB
X32 (問題なし): (仕様書には明記されていませんが、最大入力レベルから逆算して、はるかに低いゲイン設定が可能です)
ADA8200の仕様で注目すべきは、ゲインを一番下に絞っても+15dBも増幅されてしまう点です。
ただでさえ強すぎるライン信号を、最低でも約5.6倍に増幅してしまうため、クリッピングをより助長してしまいます。
一方、X32のようなデジタルミキサーのプリアンプは、ゲインを非常に低く(時にはマイナスに)設定できます。これにより、ライン信号が入力されても過度な増幅を避け、適切なレベルに調整することが可能です。
結論のまとめ
table:_
項目 ADA8200(問題が発生) X32(問題なし) 分析
最大入力レベル +6 dBu +23 dBu X32は17dBも許容範囲が広く、ライン信号のピークでも歪まない。
入力インピーダンス 2.7 kΩ 10 kΩ X32はライン入力に近い値で、低域の損失が起きない。
最低ゲイン +15 dB (事実上)0 dB以下 ADA8200は強制的に信号を増幅してしまい、問題を悪化させる。
このように、X32のマイク入力は、ライン信号の入力もある程度想定された、非常にヘッドルームが広く、柔軟な設計になっています。対して、ADA8200のマイク入力は、純粋にマイク信号を増幅することに特化した、伝統的な設計であると言えます。
これはどちらが優れているかという話ではなく、製品の設計思想と用途の違いによるものです。ADA8200はあくまで「マイクプリアンプ」であり、ライン信号は背面のライン入力(TRS)に接続することが正しい使い方となります。
https://gyazo.com/78b0514835f653e3b8303813315f33a2
タメになったね~~~~~~~
他のマイクプリはどうなんだろう。
例えば今使ってるEvo16
https://gyazo.com/79a0b13ae024c5d0c7cf9f921e58c4eb
ゲインレンジがADA8200とは段違いだし、他のスペックも断然優れてるが、やっぱりマイクとラインはちゃんと分けろって設計なんだな。