「AAの構造をベースにしつつ、その表層部は(≒サウンドや手法)BBに差し替えられている」という音楽にありがちな図式
音楽を評価する上では、安易にこういう図式を見出すことができてしまう。
この図式には色々別名がある。
<ジャンルA> × <ジャンルB>
ハイブリッド
ポスト・<ジャンル名>
こういう図式に依拠するものも含めた、既存ジャンルを乗り越えようとする(あるいはそうみなされる)同時多発的な運動の成果が閾値を超えた場合にポスト〇〇と命名されることが多い
すべてがすべてではない(ポスト・ダブステップとか)
コラージュという手法自体に何らかの制作的意図がある場合には同一視できないが、雑にミクスチャーしてることをコラージュという人は多い。
作り手としては、案外それが難しいことでもあることはわかっている
※もちろん「J-POP」のABサビ構造や歌メロの強さをそのままに、「デトロイトテクノ」のコード感やシンセの音色を足すのは簡単で、意識されて無くてもそうなってるケースはざらにある。 追加でどういうポイントを見れば真摯に評価しうるのか
作り手目線で「それって実は作るのが難しくていままで誰もできてこなかったやつだよね」と思えれば、この図式単独で音楽の可能性を拡張しているという評価がなせる。
この図式では説明し切れないような「異様さ」を見出すことができれば、その異様さを更に解釈しようと努められる(=「聴くに値する」と思える)ので、その後の解釈次第ではあるが色々な評価が可能になる。
手法としては陳腐でも、その作品がターゲティングする状況に応じて重要な意味を帯びたりもする。