『観光客の哲学』
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単行本(ソフトカバー) – 2023/6/19
第2章 政治とその外部
観光客
その土地、社会に無責任
「大衆」的
人間と動物(観光客)
家族(即自)
主観的意識
特殊性
社会(対自)
自意識
一般性と特殊性の引き裂き
国家
即自と対自のアウフヘーベン
「人間」の条件
友敵理論
味方/敵の対立
美学・倫理が政治に介入することがない
「活動」
「顔」が重要になる
開かれた言論の場での活動
「労働」
「顔」が重要にならない
ex.コンビニ店員
「仕事」
歴史の終焉
グローバリズムの流れに対しての批判
国家の消滅
単なる消費者
人間から動物へ
人類全体を人間として包括することをやめてませんか??という批判がある。
第3章 二層構造
二層構造
政治と経済
上半身(思考)下半身(欲望)
国家を単一の人間として考えられる
21世紀
「二層構造の時代」
政治
ナショナリズム
経済
異なる秩序で動いてしまっている
経済は繋がるのに、政治は繋がらない時代。欲望は繋がるのに、思考はつながらない世界。
グローバリズムの層とナショナリズムな層をつなぐ、ヘーゲル以外の回路の可能性
諸個人の自由を最大限重視し政府による強制を最小限にとどめるべきだという、社会倫理や政治思想上の見解
経済的な自由を最大限尊重
国家による富の再分配をに慎重
大きな政府に対して否定的
リベラリズムとの対立
『帝国』
帝国とは
国民国家と対置される体制。
帝国はグローバリズムの層に相当する
国民国家はナショナリズムの層に相当する
国民国家
規律訓練
規律社会
帝国
生権力
管理社会
冷戦後の世界を帝国として語る
ヘーゲル的な精神の成長を経由せず、グローバリズムの層から生まれる政治体制を思考する。
「管理社会への移行が帝国をもたらす」
ネグリとハートが提唱
もともとは「多数性」を意味する英語
良い言葉ではなく衆愚のニュアンスが強い
帝国の内部から生まれる帝国の秩序そのものへの抵抗運動
「生政治」の「自己組織化」
「政治的なもの」と「社会的なもの」を分割しない
自分の生(オイコス)を起点とする公共の政治
ex,LGBT問題
問題
マルチチュードの規定があいまい
神秘主義的ですらある。
原因
1.帝国の一元論であること
帝国が帝国の敵をみずから生み出し、帝国内で闘い合う自己循環的構図が、運動論を曖昧にしている。
個人の個々の闘争の内容に関係なく闘争を結合しうるということ自体が重要である。
個々の特異性を無化することで、マルチチュードの連帯が成立する。
よって必然的に運動論は曖昧になる。
東曰く「否定神学的」
共通のイデオロギーがなく、本来は存在するはずの連帯が、その連帯不可能性を媒介として作り出される。
ここのイメージがうまくつかめん。
第4章 郵便的マルチチュードへ
否定神学的マルチチュード
連帯の不可能性によって連帯が生まれる
マルチチュード
コミュニケーションなしに連帯する
デモには敵がいる。
友敵理論の内側
無から生まれ、無によってつながる
郵便的マルチチュード
連帯が失敗することで事後的に生成し、結果的にそこに連帯が存在するかのように見えてしまう、錯覚の集積
観光客
誤配に満ちた存在
連帯なしにコミュニケーションする
連帯はしないが、たまたまであった人と言葉を交わす
観光には敵がいない。
友敵理論の外側
誤配から生まれ、誤配によってつながる
誤配の数学的モデル
神秘主義的なイデオロギーに戻してしまわないために示す。
「複雑ネットワーク」理論
「大きなクラスター係数」
あるネットワークにおいて、理論的に成立可能なクラスターのうち、実際にどれほどのクラスターが成立しているかを表す指標。
クラスター
群れ
人間社会の関係をグラフ化すると、クラスタ係数がかなり大きくなる。
友人と友人がたがいに友人であるような、そういう三角形が高い密度で重なっている。
「小さな平均距離」
ネットワークを辿っていくと意外と早くネットワークの構成員全体をお終えてしまう特徴
一次元格子グラフ
クラスタ係数が大きい
任意の点間の距離が長くなる
ランダムグラフ
クラスタ係数が小さい
任意の点間の距離が短くなる
完全グラフ
クラスタ係数が大きい
任意の点間距離1
全員が全員と知り合いは現実的ではない
類似普遍主義
他者への開放性ばかりを説き続け、説得力を失った。
人間社会をモデル化するには、枝数を限定した上で大きなクラスター性と、小さな平均距離を両立させることが必須の条件
スモールワールドグラフ
枝を特定の確率で別の無造作に選んだ宛先に繋ぎ変える
=誤配
基本的は仲間の中に閉じこもっているが、時折閉じた関係の中に見知らぬ他人が侵入することがあり、その出会いが世界を狭くする。
「スケールフリー」
スモールワールドやランダムグラフでは次数分布が偏るという特徴
次数分布がべき則(べき乗則)に従うネットワークをスケールフリー・ネットワークという。
次数
頂点に接続する枝の数
従来の静的なグラフでは説明できなかった
新たな概念
「成長」
ネットワークに新しい頂点が加わること
「優先的選択」
新しい頂点が既存の頂点に枝を貼るときに、接続先として高い次数を持つ頂点を優先して選ぶこと
ネットワーク理論に時間と主体を導入したことを含意
べき乗分布が生まれるメカニズムを「成長」と「優先的選択」で説明できたことがすごい
数学的モデルを援用することについて
「イメージ」のみで語る否定神学に対抗するためには、リスクを犯してでも数学を引用する必要がある。
強い意志。東の問題意識の根幹。
「神話」
ネットワーク理論の論理展開を強引に歴史的展開に置き換えて作った物語
重ね合わせることが不可能
ツリーでありリゾームであることが不可能
国民国家がツリーで、帝国がリゾーム
ネグリ ハートの議論
スモールワールドとスケールフリー
生成の段階
1、確率的な繋ぎ変えスモールワールドが進む
共同体が誤配の導入で市民社会に変わる
2、時間が進むことで偏りが生まれる「優先的選択」
つなぎかえが無名の新人が古参の有名人に向ける一方的選好の表現に変わる。
資本主義の誕生
3、スケールフリーの秩序が進む
SNS等で確認できる不平等性
一つの原理で二つの規則の算出が説明できる。
そして二つは重ねあって存在できる
観光客の哲学
グローバリズムへの抵抗
帝国と外部のあいだ
誤配空間に位置付ける
誤配をスケールフリー性から確率的なものに取り戻す
「あらゆる抵抗を、誤配の再上演から始めなければならない。」
誤配を演じ直すこと
帝国の体制に偶然を導き入れ、優先的選択を誤配へと差し戻す
出会うはずのない人に出会う
行くはずのないところに行く
考えるはずのないことを考える
誤配の例
ゲンロンの出版
知的な観光としての出版
チェルノブイリのツアー
ローティ
リベラル・アイロニスト
「連帯の感覚が前もって他者と共有されたものかについての認識としてあるのではなく、むしろ他社の際の細部への想像的な同一化の問題としてあるような、そのような人々のことである」
共感可能性に基づく連帯
人間が社会を作る理由
哀れみ
誤配との類似
第5章 家族
観光客のアイデンティティの行方
階級
共産主義の理論と結びついており歴史的使命を終えている
土地
ネットワークで全世界と繋がれる今無理がある。
血や遺伝子
人種主義へ続いてしまう
結社や趣味の共同体
そもそもアイデンティティの核にならない
自由意志で所属を変更できるため
家族的連帯
消去法的に残る
社会構造が法やイデオロギーではなく、家族形態によって決定される
共産主義との一致
どんくらい妥当なん?という気はする
個人主義の国でも当てはまると主張
帝国の秩序も規定するものかも
家族の拡張性
ペットの家族化
私的な情愛だけで家族のメンバーシップを支えることができ、種すら超える。
憐れみが引き起こした誤配
先進国の住民は貧困国の飢餓救済のために所得の一部を寄付する倫理的「義務」がある
有効性と根拠を持って数字を提示している。
功利主義的に世界をよくする仕組み
類似環境問題と経済
ここには憐れみ=誤配がない。
たまたま出会ったものへの偏愛vs公正と倫理の対立
「スモールワールドでの誤配の表れだった寄付を、スケールフリーの秩序の中で機能的に最適化しようとしているように思われる」