電子工作界隈で使われているモジュールのフォームファクタ
既成モジュールの組み合わせだけで,様々なアイデアが実現できるようになってきた.
その一方で様々なピン配置や形状(フォームファクタ)のものが登場し,欲しいセンサに対して欲しいフォームファクタで提供していなかったりで,結局変換する必要に迫られたりする. ここではそれぞれの仕様や呼称,特徴などをまとめる.
shield
Arduino UNO 標準サイズ系ボード
明確な仕様は発見できなかった
とにかく種類が豊富で入手性も良く,互換品も多く出回る
多くの評価ボードで採用されていて,実質デファクト(なのに,明確に規定されていない?)
コネクタが基板両端にあるため挿すだけで機械的に安定しやすい
ちょっと大きすぎる場合もある
HAT
Raspberry Pi 系ボード
基本的に Raspberri Pi で使用する
Linux ボードコンピュータ系の採用はそこそこあると思われる
重ねて使うが,片側のみで支えるためもう片方はスペーサ等がないと機械的に不安定
固定ネジがM2.6なのでちょっと入手難
PMOD
digilent 製ボード等
モジュールの質が良く,コンパクト
digilent 製 FPGA ボードを使うなら一択
そのほかFPGA評価ボードやハイスペックマイコン系の評価ボードで採用されている
コネクタが2x6の12pin,ぴったりのピンソケット(ピンフレーム)が秋月で売ってないのが自作時にネック 基板から飛び出るように接続するので機械的な強度はない
Conta
スイッチサイエンス製ボード等
日本発のフォームファクタではあるが,広まってる感じはしない
最小構成から面積を含めた拡張までよく考えられている
固定ネジ穴(M2)があるのも良い(動くモノ系だと振動で外れたり接触不良を起こしがちだから)
MARY
オープンソースではない(?)
広めよう,互換品を作ってもらおう,という発想ではない感じ
MARY-VB というフレームバッファ付きカメラモジュールがいい感じだったがいつの間にかラインナップから消えている
MARY-OB OLEDボードなど5V系端子があるため,3.3V系回路などでは厄介
1x4の4pinコネクタ4つで構成される
2x4の8pinコネクタ4つの構成もあるが,モジュールにもボードにも対応するものは少ない模様
table:MARY
コネクタ番号	ピン番号	用途
1	1	GND
2	5V
3	3.3V
4	GPIO
2	1	GPIO
2	GPIO
3	GPIO
4	GPIO
3	1	SPI RESETn
2	SPI CHIP SELECTn
3	I2C SCL
4	I2C SDA
4	1	GPIO
2	SPI CLK
3	SPI MISO
4	SPI MOSI
mikroBUS
PIC系評価ボード等
モジュールは click bord と呼ばれる
日本国内ではそこまで広まっていないと思われる
GROVE
4本ワイヤー接続
ケーブルで接続
I2Cなので通信速度がSPI接続に劣る
ケーブルが長いと外部ノイズの影響を受ける/与える可能性
table:grove_pin
pin	色	digital		analog		UART		I2C	
1	黄色	Dn	Primary Digital Input/Output	An	Primary Analog Input	RX	Serial Receive	SCL	I2C Clock
2	白	Dn+1	Secondary Digital Input/Output	An+1	Secondary Analog Input	TX	Serial Transmit	SDA	I2C Data
3	赤	VCC	Power for Grove Module, 5V/3.3V	VCC		VCC		VCC					
4	黒	GND	Ground	GND		GND		GND