文章理解の認知心理学
ことば・からだ・脳
心理言語学の領域から文章理解にテーマを絞り、複数のレベルで進行するメカニズムを認知心理学からどのように解明するかを紹介する
著者
川﨑 惠里子 編
ジャンル
認知心理学
出版年月日
2014/09/10
ISBN
9784414300024
判型・ページ数
A5・206ページ
定価
本体2,600円+税
在庫
在庫あり
目次
第1章 文章理解のモデル (川﨑惠里子)
第1節 文章理解とはなにか
第2節 文章理解の諸モデル
第3節 まとめと展望
第2章 文章理解における推論と照応 (井関龍太)
第1節 文と文のあいだで起こっていること
第2節 推論に見られる2つの側面
第3節 照応に見られる2つの側面
第4節 まとめと展望--意味とエピソードの統合としての状況モデル
第3章 眼球運動を通して見る文章理解 (神長伸幸)
第1節 読書中の眼球運動の特徴
第2節 停留中の心的処理
第3節 眼球運動の測定と解析
第4節 停留時間に影響する要因
第5節 読書中の眼球運動における個人差
第6節 読みの眼球運動の発達的変化
第7節 読書中の眼球運動の言語間比較
第8節 まとめと展望
第4章 読書からの語彙獲得 (猪原敬介)
第1節 読書にまつわる素朴な疑問
第2節 読書量と語彙力の定義とその測定法
第3節 読書量と語彙力に関連はあるか
第4節 因果関係の特定
第5節 読書をすると語彙力が上がるメカニズム
第6節 まとめと展望
第5章 文章理解における身体化理論 (平 知宏)
第1節 認知と身体・運動感覚の相互関係
第2節 概念と身体の関わり
第3節 文理解と身体の相互関係
第4節 まとめと展望
第6章 物語理解を支える知覚・運動処理 (常深浩平)
第1節 ことばの理解と身体の関係
第2節 物語理解を支える知覚・運動処理
第3節 物語理解のなかの知覚・運動処理
第4節 まとめと展望
第7章 文章理解の認知神経科学的基盤 (小林由紀)
第1節 認知神経科学の研究方法の概観
第2節 語の形態変化における二重メカニズムモデル--その神経心理学的基盤
第3節 日本語における二重メカニズムモデルの検討
第4節 まとめと展望
第8章 社会認知神経科学としての物語研究 (米田英嗣)
第1節 社会認知神経科学とは
第2節 物語の世界に入り込む
第3節 物語を用いた感情研究
第4節 物語で測定する社会性
第5節 物語を用いた発達支援
第6節 まとめと展望--物語理解研究の発展可能性
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内容説明
心理言語学の研究テーマから、文および文章理解の心理学について、その心理モデル、推論と照応、眼球運動との関係、読書と語彙獲得、身体化理論、物語理解の知覚・運動処理、認知神経科学的基盤、社会認知神経科学としての物語研究などを解説。具体的な研究の紹介に絞っているので、学部生のテキストとして、また卒業論文への導入として、さらに修士論文へも発展可能な、有用な書になっている。