そしたらね
うわ莉緒またそれ飲んどったん? えーうん飲んじゃったわ。何錠? 数えとらん15か20くらい? ほんまに俺よおわからんけど、なんかしんどいとか死にたいとかそういうのあったらちゃんと言いや、俺じゃ頼りなかったらちゃうひとでもええし、ほんまに。いやちゃうちゃう、死にたいとかちゃうよ、せんぱいもめっちゃ酒飲むやん、それとほぼ一緒やでたぶん、ちょっと酔いたいな〜みたいな、ふらふら〜〜くらくら〜〜って感じ、ちゃんとしゃべれてるやろわたし。そんぐらいの量やったらそんな感じなん。わからんなんてゆうん、致死量とかぜんぜんちゃうし、あれやでわたしやって学校あるしやめよとか思ってるんやで、あとけっこう値段するし。高いんやそれ。高いねんけっこう、やからほんまにちょっと、わたしけっこう効きやすいっぽいしひと瓶開けんのとか時間かかんもん、あーあとわたしお酒そんな飲まんけどお酒もめっちゃ飲んだら死ぬやん、やし多分そんな感じなんちゃう。へーそうなんや。あーでも、あれかも、せんぱいとやったら死にたいかも。いや話めちゃくちゃやし、お前さっき死にたいとかちゃうゆうたやん。えー、けどせんぱいと一緒やったら死にたいなっておもってん今。なんやそれ。やってひとりで死ぬんなんかいたそうやもん、しんどそうちゃう? いや俺やって巻き込まれで死ぬんは嫌やで。ふふふふふふそりゃそーすね。
莉緒はさー。んー。なんで生きたいん? えなに死んだほうがいい? いやちゃうちゃうちゃうごめん、普通に聞きたかっただけ。ははは、せんぱい国語苦手やんなあ。ごめんってー。ふふ、いやあなんで生きたいかって、それは生きたいやろ、死にたなくない? こわいし、なんかこう、あ待って吐き気してきた。え待てやなんか袋とかいる? やーだいじょぶいつもやし、なんかなーうまく説明できんけど、死んだら、なんかなんもないやん、わたしがさ生きてたこととかなんかぜんぶ消えてなくなってくやんか、それが怖いってゆうか、なんか、怖ない? やから、なんで生きたいかみたいなそーゆうのあんまなくても、死にたくはないっす怖いから。そうかー、そうやなあ。
せんぱいはさあ、ずっとここおってくれる? え、今? いや、わたしのこと見放さへんでずっと一緒におってくれるかなーって。見放すってそんなことせんしできひんよ、俺莉緒のこと好きやし、やからほんまに心配もしてんのよ、あんまわかってなさそうやけど。なんかなあわたし、ほんまにぱーって、せんぱいってなんか、一瞬で消えてまいそうでこわいねん、わたしの前から、それこそなんもなくなってまいそうな、あ、せんぱいが死にそうってゆってるわけちゃうでごめん、そんなつもりちゃうねんけど、ほら、なんかそういうかんじあるやん? いや俺の話なんやったら俺はよおわからんけど、そうなん? うん、なんかよおわからんけどそんな気ぃして、やからたまに不安なんねん、なんやろうなあこれ、言葉では表せんわ、むずい。
ふふふてかもうなんか全部よおわからんくなってきた、あかんねんなあなんか頭んなかのことぜんぶでろ〜んみたいな感じで口から出ちゃうねんブロン飲んだら、せんぱいもお酒飲んだらそんな感じなる? いやどうやろ、けっこう普通に喋れるで。まじかぁ。まじやでー。なんかなんもよおわからん、なんかもういっか、ふふ。いやよおないよ、ほんまこっちは割と心配よ、水とか飲む? 持ってくるし。なぁーせんぱいあのさあ。俺の話聞いとる? えへへ聞いてんで、あのさーいややったらいいねんけどさあ、いまめっちゃハグしたい。いやもう、なんなん、もー、ええよほら来ぃや、どしたん急に。せんぱいってめっちゃぬくいから、あー、きもち、んふふ、しかもめっちゃ安心すんねんせんぱいとひっついたら、しあわせやわたしいま世界いちしあわせかもしらん。そんならいいねんけどさあ。ふふふ、せんぱいののどぼとけやー。うわちょっお前やめて触らんといて気持ち悪い! ひゃ! んふふせんぱいえろ〜。えろくはないやろ。
さっきの続きやけどさあ、せんぱいはなんのために生きるん? えー、食べるため? あとはーなんやろ、みんなに幸せになってほしいとか、なんか俺が生きててちょっとでも幸せになってもらえるならええなあって。自分だけしあわせになりたいとは思わんの。えーようわからん、みんなでーのほうがええんちゃう。ほんますごいなーせんぱいは。すごないやろ。ううん、すごい、すごい、わたしにはできひんこと。できるよお莉緒にも。……わたし、せんぱいとおんなじように生きていけたらええのにってめっちゃ思うときあんねん。莉緒が? んー。ほんまに? ほんまー、でもわたしははしもとりおやし、せんぱいにはなれんやんか。そーやね。……もしさせんぱいがわたしになったら、せんぱいになったわたしのこと嫌いになる? いや、どういうこと? んふふわからん、でもさあ、やっぱせんぱいがせんぱいちゃうかったら、わたしせんぱいのこと好きなってないかも。もうほんま意味わからんけどありがとうな、俺も莉緒のこと好きよほんまに。
せんぱい、わたしせんぱいとずっと一緒におりたいねん、せんぱいといっしょにおる時間がいちばん楽しいねんわたし。えー嬉しいありがと、もっとぎゅーしたる。やったあ〜、……なぁせんぱい。んーどしたん。あんなわたし、せんぱいにお願いあって、2個あんねんけど、いい? ええよ、なに? あんな、1個めは、まず、ぜったいわたしより先に死なんとってほしいねん。ええ、なんで? ……せんぱいが死んだら、わたしひとりなってまうから。莉緒やったらそんなことない思うけどなあ。そうかなあ。そうやと思うよ。けどせんぱいおらんかったらわたしもう無理やし、やから、約束してほしいねん、やくそく。いやあ俺もなー長生きしたいなあ思うけど、100%で約束は無理よー? わたしせんぱいって死なんと思ってんねん、なんかせんぱいってずっと生きてそうやし、ずっと生きててほしいってゆうのもあるけど。ははは、莉緒はちゃうの? わたしはちゃうよ、わたしは死んじゃうけどせんぱいは死なん。なんそれ、俺宇宙人とかなんかやんそれ。んふふ。えーわかった、ならもう1個のお願いはなんなん? 2個めはー、わたしが死んだらのことやねんけど、そしたら、できたらでいいねんけど、そんときはー、……あーごめんやっぱなし、なんでもない。いや待って待ってなにそれ、気になるとこでやめんとってよ。えー、わらわん? 笑わへんよ、ゆうてみ。うーん…………あの、わたしが、まあ死んだとするやんか、死ぬねんわたしが、死んで、なんかもう骨とか粉とかになって、それでも、ずっとせんぱいだけはわたしのこと覚えとってほしい、ぜったいに忘れんとって。わたしが死んで骨になって、なんかそれもまあなくなるやんふつうに、全部全部ぜんぶなくなって、思い出とかみんなの記憶とかそうゆうのもなくなって、やけどせんぱいだけはぜったいわたしのことおぼえとってほしいねん。そんで、誕生日とかは絶対祝って、そんで、わたしのこと好きでいてほしい。……なぁこれめっちゃ恥ずいからやっぱなしで、すぐ忘れていいっす。えーいまさらそれはずるいわ、でもそれやったら俺が先死んでも莉緒も覚えとってな、俺のことずっと。いやせんぱいがわたしより先死ぬことないから。なんなん! いやまあ、そうっすね、もしせんぱいがわたしより先に死んだら、そうする。ありがとー。
あ、もういっこお願い追加していい? 聞くだけ聞いたるやん。ふふ、もう1個のお願いはー、もしよかったらやねんけど、たまにまたこうやってふたりっきりのよるとか、わたしのことぎゅーってしてほしいなー! って! えー莉緒かわい、そんくらいやったら全然ええで、ほなもっかいハグしたろか、おいでー。あはは、うれしー、んふふ、せんぱいすきだいすき、なんかふわふわするしあったかいしねむなってきた。赤ちゃんやんほんま、ええよ、今日はもうお前ふわふわやし寝たほうがよさそうやん。んー。じゃあベッド行こ、立てる? あー無理やね、しゃーないなあ。はいちゃんと首に手回してつかまって。おんぶしたげるから。ほら、乗り。
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