お三倉さんのお祭り
昔は旧暦の霜月七日にやっていた。
今は12月の第一日曜日。
小学生の頃にはじめて行った。みんな着物を着てね。憧れてました。 お三倉様までは一里あるから、あまり小さい頃は行けなかった。
親も移動製材をしていたから忙しかった。
お三倉様にはお菓子があった。米菓子とか鉄棒(イモ菓子?)とか黒砂糖とか。 それがとっても楽しみで。
黒砂糖を舐めながら帰ったことを覚えてます。
小学校1年の頃から歩いていった。遠かったけど楽しみだった。
お金は少ししかもらえんけんど、それを下げてくるのが楽しみだった。
「のぞき」という不思議なもの(映写機?)があった。 穴からのぞくと向こうで、踊りや芝居が見える。動きよった。
色もついちょった。音もしよったと思う。
5,6人同時に見れるものもあった。
東京から相撲取りが来よった。まっこと大きかった。怖じるばあやった。
見世物小屋には小人(小人症の方)も来よった。まっこと小さい人じゃった。
私らが若い頃は、ものすごい大きい椎の実を売ってました。
ここら辺にあるような椎の実じゃなくて、もっと大きい椎の実。
小指の先ほどある大きな椎の実で、男の人は歯でパチっと殻を割って食べてました。 私もあれを食べるのが楽しみでね。
炒りながら売ってました。
売る人がハチマキをして賑やかに景気良かったです(笑)
売り物もいっぱい。店もいっぱい。
どこで何を買うかしれんばあ物が並びよった。
人をせり分けせり分けせにゃ進まんほど賑わっちょった。
普段着じゃなく、出かけるような服を着て。
ちょうちん行列もあった。
お三倉さんでは必ずみかんを買ってました。
まめいた(豆板?)というお菓子も好きで、よく食べてました。
「お腹痛いお腹痛い」というのを「あんた食べ過ぎよ」って叱りながら帰ったことを覚えちゅう(笑)
本山町吉野 お三倉様のお祭りの思い出