FL Studio 逆引きリファレンス
◆共通
即座に新規パターンを作る/選択したい
正確にはパターンはすでにプロジェクト内に無数作成されており、空のパターンは表示されていないだけである。以下は既存あるいは未使用のパターンを選択する方法。
方法1: テンキーの1から9までの数字キーを押す。9つまでに限られるが、おそらくパターンを最速で選択する方法。
方法2: F4を押す。未使用かつ一番小さい番号のパターンが選択される。
方法3: ツールバーのパターンセレクターの+ボタンを押す。方法2と同様。
方法4: プレイリストの一番下の+ボタンを押す。方法2と同様。
ズームがやたらカクつく/もっと素早くズームしたい
CTRL+ホイールがカクつく、どころか一時的にフリーズするくらい重くなることが多い。原因はいまいちわからない。しかし、以下の方法でもズームはできるので覚えておくと良い。
プレイリスト/ピアノロールで狙った範囲を拡大したい場合、タイムラインバー上でCTRL+左ドラッグが最も直感的で使いやすい方法。その後白枠の端を持ってドラッグして表示範囲を調整する。
パターン編集中のピアノロール(小節数が少ない状態)であれば、1~3キー(テンキーではなく数字キー)ですばやく拡大率を切り替えられる。ただし現在の表示範囲の先頭を基準に新しい表示範囲を決めているため、多くの場合において目的の位置より前に移動してしまうという欠点がある。(正しい使い方としては、1~3キーを押す前に、拡大したい位置をウィンドウの左端ギリギリになるように表示範囲をずらす、という操作が必要になる。これは手間である。)プレイリストでも可能ではあるが、左記理由により使い物になりにくい。
ALT+中ドラッグあるいはタイムラインバー上で中ドラッグで現在の表示範囲の中心を基点として拡大、移動ができる。だがこれも視点が意図しない方向に飛びやすくイマイチ使いづらいという欠点がある。
マウスや手をできるだけ動かさずに再生マーカーを先頭に戻したい
一応HOMEキーで先頭に戻るが、キーボードの右側にあるためマウスから手を離さなければならない。
そういうときはSHIFT+スペースx2。SHIFT+スペースで停止すると、マーカーは先頭に戻る。
チャンネル、トラック、パターンの色を初期化する
右クリック>色の変更>カラーセレクターで「D」ボタンをクリックする(左下の初期化ボタンではない)
複数チャンネル/トラックを選択して一斉に変えることもできる
パターンは色のみを一斉に変更することができない(個人的に不満点)
個人的には、チャンネルおよびプレイリストのトラックに関しては、下手に色を変えないほうがいいと思っている。詳しくは別記事。
現在のウィンドウを(メインウィンドウ内で)最大化/最大化解除する
テンキーのENTERキー。
◆プロジェクトファイルの保存/読み込み
起動を遅くしないために
起動時に自作のテンプレートを指定できるが、そのテンプレートが重いと、せっかくのFLの軽快さが失われてしまう。なるべく軽い内容にしよう。
一般的にFL標準のプラグインは起動が早いため、できるだけFL標準のプラグインのみに統一するのもひとつの手。作業中に必要に応じて他社VSTを追加するといいだろう。
MIDIキーボード派で、曲作りにはコードとメロディ作りからまずとりかかるという人にはFL Keysをテンプレートに入れておくのがおすすめ。本番には若干使いづらいチープな音ではあるが、そのかわり爆速で起動してCPU負荷も非常に軽い。コードとメロのスケッチを作るにはこれで十分。
すべてのプラグインはスマートディセーブルをオンにしておくと、無駄なCPUパワーを食わず他の作業と並行もできる(ただしスマートディセーブルをオンにすると不具合が出るプラグイン(XOなど)もあるし、そもそもスマートディセーブルが有効にできないプラグイン(FPCなど)もある)。
TOOL>マクロ>「すべてのプラグインに"スマートディセーブル"を有効にする」というマクロが便利。
テンプレートはプラグインよりもむしろルーティングをしっかり作っておくのが重要。個人的にはプラグインのルーティングを整備するのはもちろん、ディレイやリバーブ用のバスを用意したり、オーディオ専用トラックを最初から5つ用意しておくなどしている。
開くたびに落ちるようになってしまったプロジェクトの修復
HELPメニューの「診断」から「FIX FLStudio Song Project」でファイルを選択。
Remove a plugin that crashes when file is opened を選択、その後怪しいプラグインをチェックして実行。
テンポ関係
オーディオループのテンポをあわせるには?
FL Studioの最大の不満点。オーディオループのテンポをあわせるのが大変だ。
プレイリストにWAVを直接貼った場合
プレイリストにWAVをD&Dするとオーディオクリップとして扱われる。
オーディオクリップのおしりをドラッグすればWAVは伸び縮みする(この機能はShift+Mでオン・オフできる)。しかしピッチも変わってしまう。意図的に速回し・遅回しをしたいならこれでもいいが…。(逆にいうと、ピッチを変化させたくないならクリップのおしりは絶対に触らないこと)
音程を変えずにテンポをあわせるには…
クリップの頭をクリックし「テンポに合わせる」を選択。※「テンポを検出」ではない
正しいと思われるテンポ、あるいはテンポの範囲を訊いてくる。(いや、それを自動で判定してくれよ…)
テンポが正しければビートに合うようにストレッチされる。
【まとめ】最もオーソドックスな方法。精度もあまりよくなく、融通も効かない。
Audio Clipを使う場合
チャンネルラックにWAVをD&Dすると、Audio Clipが立ち上がりそこにロードされる。
テンポを調整するにはタイムストレッチ欄の「TIME」を1dot単位の極めて絶妙な操作でビートがピッタリあうように調整すれば良い…できるか!
【まとめ】この方法でタイミングをあわせるのは無理ゲー。
Fuity Slicerを使う場合
Fruity Slicerを挿入しWAVをD&Dすると、スライスされる。このときBPMとBEATをドラッグして上下させて設定する。BPMよりもBEATで指定したほうが使いやすい。
ドラムループであればこれで問題ないが、楽器やボーカルの場合はブツ切り感が出てしまう。そもそも細かく刻んだパーツをノートのタイミングで再生しているだけなので仕方ない。また1ビート単位のループではない微妙な長さのオーディオはうまく調整できない事が多い。
【まとめ】ドラムループであればこれで問題ない。組み換えもできる。インストやボーカルには不向き。
SliceXを使う場合
D&DしたあとBPMの表示を右クリックするとダイアログが出てテンポの再検出ができる。だがこちらもぶつ切りになってしまうことには変わらない。
【まとめ】ドラムループであればこれで問題ない。組み換えもできる。インストやボーカルには不向き。
UVI Workstationを使う場合
フリーで手に入るUVI Workstationは実は有能なサンプラーでもある(サンプラーだけの用途なら音源を買う必要はない)
UVIworkstationを起動し、WAVを放り込むとサンプラーモードになる。STRETCHボタンを押してストレッチモードにし、Tempo欄をダブルクリックして元のテンポを数値で入力すれば良い。デフォルトではC3キーを押せばテンポが合ったWAVが元の高さで鳴り、別の鍵盤を押せばより高い音も低い音も鳴らせる。また高機能なアルペジエイター(パターンジェネレータ)も内蔵しているため、そこそこ遊べる。
再生開始位置の調整(頭の無音カット)もできるが、視覚的に調整できないのが残念。
【まとめ】はじめからリズムに正確な演奏がされているドラムやインストであればこちらが便利。また音程のついた演奏もできる。一方ボーカルのタイミングブレを直したりするのは不可能。
Newtimeを使う場合
NewtimeはFLにビルトインされているタイミング調整用のプラグイン。
オーディオクリップのメニューから「Newtimeで調整する」を選択。
自動である程度目立つビートにマーカーが入り、そこを基準にタイミングが調整される。TEMPO表示の横にあるSYNCボタンをオン・オフしてみよう
必要に応じてマーカー位置の調整もできる。
問題なさそうなら「プレイリストに送る」アイコン(ノートらしきものが入った四角と▼が組み合わさったアイコン)をクリックしてプレイリストに貼り付ける。
【まとめ】やや手間だが、ドラムループはもちろんのこと、ボーカルのタイミングブレの調整にも比較的使いやすい。(他の方法に比べれば、の話)
オーディオクリップを配置したあとにテンポをあとから変更する
テンポを変更したあとに表示される「すべてのチャンネルをいますぐストレッチしますか?」のダイアログにOKと答えてもいいが…
TOOL>マクロ>すべてのオーディオクリップを>Stretch しておくと、テンポを変更するたびに自動的にオーディオがストレッチされる。
テンポをグリグリ動かしてもクリップの見た目が変わらないようになる。
◆チャンネルラック
チャンネルラックを表示したい
F6
即座にパターンモードで再生したい
ウィンドウ上部のバーの「チャンネルラック」の頭(左)にあるスピーカーマークをクリック
ちなみにパターンとソングの再生モードの切り替えショートカットはLだが、手から遠すぎるのであまり使われない。
プレイリストのカーソルを動かそうとすると自動的にソングモードに切り替わるので、手作業で切り替えが必要なのはパターンモードにするときだろう。
キーを変更(キーシフト)したい
インストゥルメントを表示し、歯車→スパナをクリック
Root Node のセクションで通常はC5になっている「青い鍵盤」を右クリックして移動する。移動した先が新しいドになる。
左クリック(オレンジ)は鍵盤の有効範囲を設定するもので、おそらくレイヤーするとき使うものだろう
グラフエディタの一時的な表示
Kを押している間だけグラフエディタを表示する
グラフエディタで直線を引く
右ドラッグ
グルーヴ感を出したい(スイング量を調整したい)
チャンネルラックの上のバーにあるノブを回すだけで曲全体のスイング量が調整できる。便利! なおこのスイング量はすべてのパターン(つまり曲全体)で共通である(イベント編集を使えば曲の途中で変更することは可能である)。
※アルペジエイターにまつわる注意
FLではノブを回すだけでスイングを調整できるが、それを使うと、シンセ内蔵やMIDIプラグインなどの外部のアルペジエイターを使ったときにタイミングがズレてしまうことに注意。シンセ側でスイング量を調整できるならうまい具合にタイミングを合わせるか、あるいはいっそ外部のアルペジエイターの使用を禁止してすべてFLのピアノロール上で完結させるなどして音ズレしないように気をつけたい。特に最近の主流のシンセはアルペジエイター込みでプリセット音色に登録されている場合が多いので、気に入った音色があっても気軽に使えないというジレンマが発生しがちである。
◆ピアノロール
ピアノロールを表示したい
F7
即座にパターンモードで再生したい
ウィンドウ上部のバーの「チャンネルラック」の頭(左)にあるスピーカーマークをクリック
ちなみにパターンとソングの再生モードの切り替えショートカットはLだが、手から遠すぎるのであまり使われない。
プレイリストのカーソルを動かそうとすると自動的にソングモードに切り替わるので、手作業で切り替えが必要なのはパターンモードにするときだろう。
(手をなるべく動かさず)ツールを切り替えたい
マウスの中ボタンを押しながら右クリック(中+左クリックでも同様)。F3キーでもOK。ツールメニューがポップアップする。
(メインであるペンツールのショートカットがPと手から遠いので、中+右クリックのほうが便利だろう)
以下はペンツールから派生するツールのチートシート。
左ボタン →固定長ノートを置く (※最後に触ったノートの長さ)
SHIFT+左ボタン →任意の長さのノートを置く
CTRL+左ボタン →範囲選択ツール
ALT+左ボタン →グリッドを無視してノートを置く
右ボタン →消しゴムツール
SHIFT+右ボタン →視点移動
CTRL+右ボタン →ズームツール
ALT+右ボタン →スクラブ再生ツール
中ボタン →視点移動
SHIFT+中ボタン →視点移動(上と同じ)
CTRL+中ボタン →縦方向にズーム
ALT+中ボタン →横方向にズーム
右SHIFT+左ボタン →ナイフツール
右SHIFT+右ボタン →ナイフツール+後半を削除
中+左右ボタン →ポップアップメニュー
編集中のチャンネルを切り替えたい
Jキーで次(下)のチャンネルへ移動(ノートが存在しないチャンネルはスキップされる)
Hキーで前(上)のチャンネルへ移動(ノートが存在しないチャンネルはスキップされる)
Gキーで前(上)のチャンネルへ移動(ノートが存在しないチャンネルにも移動)
Kキーでもチャンネル移動できるはずだが、チャンネルラックの「グラフエディタの表示」と被っているために化けやすい
編集中のチャンネルのインストゥルメントを表示したい
ウィンドウ上部のバーの「ピアノロール - <インストゥルメント名>」の<インストゥルメント名>部分を…
左クリックで切り替え(リスト表示)
右クリックで表示
(もう一回右クリックしたら閉じてくれるといいんだけど…)
即座にクオンタイズしたい
Ctrl+Q(クイッククオンタイズ)
ノートの頭だけ合わせたので長さは自動で調整してほしい
(ノートを選択して)Ctrl+L(クイックレガート)
次のノートまで自動的に伸ばす。
ノートを選択しなかった場合、ピアノロール内の全てのノートが対象になる。
注意点
和音が鳴ってるとうまくいかない
最後の音はパターンの終わりまで伸ばされてしまう。修正が地味に面倒なので最後のノートだけ選択しないように心がけると良い
ノートをオクターブ上げたい/下げたい
(ノートを選択して)Ctrl+↑/↓
ノートをオクターブ移動させることは多いのでマジでありがたい。
なおSHIFT+↑/↓で半音ずつ移動できる。こちらはキー調整によく使う。
ノートのタイミングを全体的にずらしたい
(ノートを選択して)Shift+←/→
グリッド単位で動く。1小節以上動かすならカット&ペーストか、プレイリストに貼ってナイフで切ったほうが早い場合がある
クオンタイズされていないとうまくいかない時がある。先にクオンタイズしておくこと
ノートのつなぎ目をずらしたい
SHIFT+つなぎ目を左ドラッグ
他に同時に鳴っている/鳴り終わっているノートがある場合、それらのノート頭/おしりもずれる。ノートの短さには限界があるため、余計なノートが鳴っていると移動が邪魔される場合がある。そのため、単音で鳴っているメロディや、ノートが全て同じタイミングで鳴っているPADのタイミング調整にはこの方法は楽だが、リズムが複雑なピアノなどでは使いづらい場合もある。
即座にノートを分割したい/即座にノートの長さを切り詰めたい
右SHIFT+左ドラッグ/右SHIFT+右ドラッグ
右SHIFTを押している間一時的にナイフツールになる。右ドラッグで切断すると後半が自動的に削除される。
右SHIFTというのはキーボードの右側についているほうのSHIFTキーのこと。
ピアノロールで他のチャンネルのノートを透かして表示したい(ゴーストノート)
ピアノロールの右上の階段状のボタンを左クリックすると、同じパターン内の別チャンネルにノートが存在すればそのチャンネルのリストが表示され、表示のオンオフができる。(他のチャンネルにノートが存在しない場合は「現在のパターンではゴーストノートは表示されません」と出る)
右クリックして表示可能なチャンネルを編集できる。
(ゴーストノートはFL公式の名称だけど個人的には音楽用語と混同するので変えてほしい…オニオンスキンとかに。)
ピアノロールで他のパターンのノートを透かして表示したい(ゴーストチャネル)
まず、チャンネルラックからではなく、プレイリストからパターンをダブルクリックするなどしてピアノロールを表示させる必要がある(このときひとつもノートが存在しないパターンはダブルクリックでピアノロールを開けないため、なにかしらノートを置いてからプレイリストにもどり、改めてダブルクリックすること)
▼メニューのView>ゴーストチャネルをチェック、あるいはAlt+Vでゴーストチャネルを有効にする。
ピアノロールの右上の階段状のボタンを左クリックすると、有効な(ノートの存在する)別のチャンネルのリストが表示される。クリックして有効にするとプレイリスト上で縦に重なっている別のパターンのチャンネルをピアノロール上に表示することができる。
右クリックして表示可能なチャンネルを編集できる。パターン数によっては膨大な数になるかもしれない。
ピアノロール上でコントロールチェンジ(CC)を編集したい
ピアノロール下パネルのControlの文字をクリックすると編集するコントロールを変更できるが、デフォだとChannel Volume/Pan/Pitchのみしかない。これにたとえばModulation(CC#1)を追加するには…
シンセを表示(ピアノロールからではない)し、メニューの「パラメータをブラウズする」をクリック
ブラウザにパラメータ一覧が表示されるので MIDI CC #1を右クリック
「イベント編集 - ピアノロール」をクリック
これでピアノロールに<シンセ名> - MIDI CC #1が表示され、編集できるようになる
Controlの編集パネルで直線を引きたい
右ドラッグで直線がひけます。ベロシティを一気に慣らすのにも便利
MIDIキーボードを弾いてたら良いフレーズが浮かんだのに録音し忘れた
実はFLは常にMIDIキーボードからの入力を記録しており、最大30分まで遡ってピアノロールに貼り付けることができる。
メインメニューのTOOL>「MIDI鍵盤の演奏ログ>選択したパターンに貼り付ける」を選択すると現在のパターンに貼り付けることができる。
クリアしたい場合はその下の「ログを消去する」でクリアできるが、間違って選択しないように注意しよう。
既存パターンとの合成もできるが、個人的には一時的に新規(空)パターンを用意してそこに貼り付けることをおすすめする。(既存パターンと合成して何度もぐちゃぐちゃになった経験あり)
当然、テンポを無視して弾いていることが殆どかと思うが、貼り付けた後のノートのタイミング修正が結構面倒なので覚悟するように…。
部分的に譜面に起こしたい
(ノートを選択して/選択しなければピアノロール内の全体が対象)ファイル>「スコアを譜面で書き出す」
保存先ダイアログのあと、Export as score sheetのダイアログで簡単なカスタマイズをする。(細かいカスタマイズはできない)
PDFで保存される。歌メロなどを作詞担当やボーカルさんに渡すときなんかに地味に便利。
FLStudioの設計上、曲全体を譜面に起こすのは難しい。
◆インストゥルメント
インストゥルメントウィンドウを表示する
チャンネルラックからなら、チャンネル名ボタンを左クリック
ピアノロールからなら、上のバーの「ピアノロール - <シンセ名>」とある<シンセ名>を右クリック
即座にチャンネル名、アイコン、色等を変更したい
チャンネルラックのチャンネル名ボタンを中クリック
あるいはシンセウィンドウのバーを中クリック
常にトップに表示したい
▼をクリックしてメニューから「デタッチ」を選択
常にトップに表示されることが使いやすいかどうかはユーザー次第だが、そのほうが使いやすいという人は、設定(一般設定)で「すべてのプラグインをデタッチする」をオンにしておくと良い。
デタッチをするとそのウィンドウをメインウィンドウの外に持っていくことができる。マルチディスプレイにしているユーザーならそのほうが便利なときもある。
TOOL>マクロ>すべてのプラグインを>デタッチ というマクロが便利。
MIDI信号をプラグインから入力/別のプラグインへ出力したい
MIDI信号を別のプラグインに送るタイプのプラグインを使う時。コードツールやアルペジエイターなど。
送信する側(攻め側)のプラグイン
歯車をクリックしさらに「コンセント+歯車」のタブを選択。
→MIDIのOutput portを0以上の任意の数値にする。
入力される側(受け側)のプラグイン
歯車をクリックしさらに「コンセント+歯車」のタブを選択。
→MIDIのInput portを先ほど設定した数値と同じものに合わせる。
◆プレイリスト
プレイリストを表示したい
F5
即座にソングモードで再生したい
ウィンドウ上部のバーの「ピアノロール」の頭(左)にあるスピーカーマークをクリック
ちなみにパターンとソングの再生モードの切り替えショートカットはLだが、手から遠すぎるのであまり使われない。
なお、プレイリストのカーソルを動かそうとすると自動的にソングモードに切り替わる。
マーカーの挿入、移動
マーカーの挿入はALT+T。
一度挿入すれば右クリックメニューから追加できるようになる
挿入したマーカーはラベルの頭(左端)を掴んでマウスドラッグで移動できるが、頭の判定が若干シビアなので注意。
マーカーには種類があり、よく使うのは
曲の先頭を決めるStartマーカー。色分けがそのマーカーから4小節単位になるため見やすくなる。
一時停止マーカー。先頭にループしてしまうことを防止するため、曲の末端に置くと良い。
パターンをチャンネル毎に分離したい
パターンを右クリックして「チャンネル毎にトラックに分離する」
パターンが重なった状態になるのでそのあと分配するのがめんどい
トラックの分離は、ピアノロール編集が煩雑になる・パターン管理が面倒になるなどのデメリットも大きいので、安易にバラバラにせず慎重に行うこと。
分離されたパターンを合成したい場合はCtrl+G
既存パターンを複製して新規パターンを作りたい
方法1:パターンを複製
プレイリストに並べる前であれば、パターンリストから目的のパターンを右クリックして「複製」を選択。
方法2:メイクユニーク
2つ以上プレイリストに並べたあとであれば、独立させたいほうのパターンの帯を左クリックして(右クリックすると消えちゃう)ドロップダウンメニューを出し、「メイクユニーク」を選択。
既存の曲を解析して勉強したい/リミックスしたい
「ステム抽出」という超便利な機能が標準で用意されている
WAVファイルをプレイリストに投げ込む
このタイミングでBPMを測って小節グリッドに合わせておくとベター
クリップの左上をクリックしてメニューを出し「ステム抽出」を選択
※初回は機能のダウンロード&インストールが必要。
Drums/Bass/Instruments/Vocalsのうちほしいパートを選択。
解析にはCPUパワーを食うため、フリーズを防ぐためにも「CPU使用率の制限」をオンにしておいたほうが無難
Extractで実行
やってみた感じ、かなり高精度な印象。ほぼ同じ機能を持つSpectraLayersと比較すると(ピアノが分離できなかったり)機能面でさすがに劣るが、仕上がりは遜色ない。
パターンの整理いろいろ
パターンの使われている箇所を探す
パターンを右クリックして「プレイリスト内で選択」
未使用パターンを削除
パターンリストの上の鍵盤/波形/オートメーションのアイコンを右クリック>「未使用を選択」。選択されたパターンを右クリックして削除(確認ダイアログあり)
オーディオクリップに関しては、TOOL>マクロ>未使用のオーディオクリップを削除 が便利。
◆ミキサー
ミキサーを表示したい
F9
エフェクトをインサートするいくつかの方法
▼ボタンを押してメニューを出し選択>フォルダ分けリストから選ぶ。これはなぜかエフェクトリストの表示が荒ぶるという問題があることと、「選択」を選ぶためにマウスを余計に動かす必要があるためどちらかというとやや面倒な方法。
エフェクトラックを右クリック。全画面で検索画面に移る。文字入力でプラグイン名の絞り込みができるが、プラグイン名がわかっていないといけない。(個人的にはフォルダ名で検索したい。例えばすべてのリバーブプラグインがReverbという文字列を含んでいるわけではないため)
エフェクトラックを中クリックしてエフェクト一覧をウィンドウを出す。こちらはメーカー名でも絞り込みができるのが利点。TABキー→上下キーでプラグインを選択し、ENTERで決定。
ブラウザ(Alt+F8)のPLUGINSタブからドラッグ&ドロップ。これはフォルダ名も含めて検索して探せるという利点がある。しかしマウス移動距離は長めなため一長一短。
ミキサートラックのプラグインの状態を別のミキサートラックにコピーしたい
プラグインの▶を押しメニューを開き、「プリセットを名前をつけて保存」の項目をクリックではなくドラッグして別のトラックにドロップする。
エフェクトをMIDIコントローラーで操作したい
エフェクトの操作したいノブ、フェーダー、スイッチ、ボタン等の上で右クリックし「コントローラーにリンク」
ミキサーウィンドウ上にあるフェーダーやノブでも可能
ダイアログが出てる間に割り当てたいコントローラーのノブやフェーダーをいじる
解除したいときは同じ操作をしてダイアログを出して「初期化」を押す
エフェクトにMIDIノートを送信したい
たとえばiZotopeのStutter Editなど、MIDIノートで操作する系のエフェクトプラグインにノート情報を送りたいとき。(※先述の割当方法ではうまくいかない)
エフェクトの歯車マークをクリックしMIDIのinput portを0以上にする。
チャンネルラックにPatcherをロードする。
実際どのインストゥルメントからでもMIDIを送信できるのだが、余計な音が出たり余計な負荷をかけるくらいなら空のPatcherがベスト。
From FL StudioからMIDI信号(青緑のピン)を伸ばしてTo FL Studioにつなぐ。このときMIDI portを選択するポップアップが出たら、先程指定したInput portと同じ数字にする。
以降、このチャンネルがアクティブの時MIDIキーボードを押せば反応するはず。
パターンとして曲中にエフェクトを操作することもできる。
◆ブラウザ
ブラウザ小ネタ
お気に入り(★マーク)は積極的に使っていこう。STARREDタブにまとまるので選ぶまでが早くなる。
ブラウザの表示切り替え
F8
自動非表示(Auto Hide)をオンにしておくとマウスが離れると自動的に隠れる
ブラウザ表示箇所として画面の右と左を選べる
右に置くことも試してみたが、ウィンドウを閉じるとき邪魔になるのでやはり左にあったほうがよさそう
FL Cloud(Sound)を非表示にしたい
Soundタブを右クリックして「隠す」
同様にLIBRARYも隠せる
オートメーション
オートメーションには「アーティキュレーターツール」なるものがありその中の「オーディオ解析」を行うとWAVの音量をそのままプロットしてくれる。これを利用すると、音量が大きいときだけエフェクトのかかりを強くしたり、逆に弱くしたりすることができる。(アーティキュレーターツールの「垂直反転」でパラメータを反転できる)
◆Edison
Edisonは標準で付属する波形エディタプラグイン。FLStudio自体の波形編集機能が貧弱なため、いろいろお世話になる。
Edisonでできるのは波形のカット/トリム、音量調整、フェードイン/アウト、リバース(逆再生)、全体のストレッチなど。
音楽的な(ビートに合わせた)タイミング調整(ストレッチ)はEdisonではなくNewTimeで行う。
(FLに珍しく右クリックはポップアップメニューが出る)
範囲選択は左クリック。右端/左端のうち近い方の範囲を調整する
元に戻す→回転的なボタン(Ctrl+Z)。1手しか戻れない。1手以上前の手順に戻すには「アンドゥ履歴(Ctrl+Alt+Z)」をたどる。すべてをやりなおす場合はフロッピーディスク的なボタンからメニュー、ファイル名を指定して開き直す
フェードイン/アウト→⊿的なボタン
削除→DELキー
クリア(ミュート)→SHIFT+DEL
トリム(切り抜き)→Ctrl+DEL
リバース(反転)→スパナ的なボタンから「リバース(反転)」
Edisonはプラグインであるため、使用すると勝手にマスタートラックにエフェクトとして追加される。使用後はTOOL>マクロ>すべてのEdisonインスタンスを削除 を行おう。
◆ミックスダウン
FILEメニューからエクスポート、あるいはフロッピーに波形がついてる的なアイコンのボタンをクリックして、レンダリングダイアログを表示する(先にファイル名を指定することになる)
長さ、フォーマットや品質などを指定する
Render minimizedあるいはStartを押して出力開始。(曲の規模に応じて時間がかかる)
ステム出力
上と同じようにレンダリングダイアログを表示する
「その他」セクションの「ミキサートラック毎に分割」をチェック
Render minimizedあるいはStartを押して出力開始。(曲の規模に応じて時間がかかる)
ミキサートラックには「Total(全部入り)」と「Current(フォーカスのあるトラック)」も含まれる。
トラック数が多ければ多いほど出力ファイルの総サイズは大きくなる
とはいえ無音箇所が多ければ圧縮も効くので、出力後にZIP圧縮するのは有効(パリティを多めに設定しておけばより安全性が高まる)
余談:バックアップ(アーカイブ)について
曲が完成してストレージに保存するとき。どの形で保存するのがベストか?
数年後、このプロジェクトファイルをまた開くときがくるかも…?
レベル1・最低限のバックアップ
ぶっちゃけ完成品だけあれば良いというストロングスタイル。バックアップするのは…
マスタリング済みのWAV
マスタリング前の2mixWAV
歌ものならボーカルトラックとカラオケトラック。
これらはDAW関係なく、別々に出力して保存しておけば良い。
レベル2・各トラックのミックスバランスの見直しくらいはするかも
フェーダーをいじる自由度くらいは残したい派。バックアップするのは、レベル1にプラス…
全トラックのエフェクト込みのステム
最近のDAWならステム出力くらいはある。これもDAWを選ばない。
納品後何年も後になってから「あの曲のステムをくれ」って言われることも実際に過去何度かあった…。
レベル3・メロディやコードくらいは調べるかも
プロジェクトファイルだけでも保存しておく。DAWに後方互換性があれば、音は再現できなくても音階やコード程度なら確認できる。あるいはSMF(スタンダードMIDIファイル)に変換して保存しておけば、たとえDAWが違っても開くことはできる。(FLはその設計上、曲全体をSMFで出力するのにもレンダリング作業が必要になる)
また、プロジェクト内で使ったサンプル素材はSamplesフォルダにある
※あくまでFLが把握している素材であって、プラグインが独自に管理している素材は保存されていないので注意!
例:Battery、Kontakt、XO、UVIWorkstation等サードパーティプラグインで読み込んだ素材は保存されない。
一方SliceXやFPCなどFL付属のサンプラーはちゃんと保存しておいてくれる。
レベル4・できるだけ現在の作業環境を保存したい
そもそも数年後、同じプラグイン、同じDAW、同じOSを使ってる保証もないのに、作業環境の再現性を追求するのはあまり現実的ではない。もちろん作業環境を完全に再現するには、プロジェクト内で使用しているDAW、プラグインをすべて現在のバージョンのまま保存しておく必要がある。
出力オーディオに(ひどい)ノイズが乗る
パターンのオーディオ化、および最終ミックスの出力時、出力波形の先頭に「ビー!」という大音量のノイズが乗る。
ストップボタンを押すたびにブチッというデカい音が鳴る。
いまだに原因と対策が確定していない。以下は試したこと。
出力前にオーディオ設定のASIOのオーディオバッファを短くしてみると一時的に直ったこともあった。でも単にバッファの内容がたまたまクリアされただけの気がしなくもない。バッファが関係してそうな気はする。
スマートディセーブルやトリプルバッファなどは関係ないようだ
◆付属プラグイン
おすすめのシンセは?
筆者が使っているProducer Editionには基本的に古いシンセしかないが、その他でもおっと思うものを下記に挙げる。
Sytrus
あの軽くて使いやすいと評判なSylenth1と個人的には同格に匹敵するシンセ。軽さで言えばFLにおいてはSylenth1よりも軽いかもしれない。音のバリエーションはやや心許なくメインリード用途では厳しいが、バッキングになんか音を足したい、という時にとりあえず差してみても良いくらいの万能シンセ。
個人的にはSytrusのFM系Bass音色に3xOSCのサブベースを重ねて使うのが好み。
3xOSC
単体では心許ない音しか出せないが、特定の用途では非常に優れたパフォーマンスを発揮する。たとえば、サブベース、SE用途でのピコピコ音、リバースノイズなどである。Layerを噛まして他シンセに重ねても良い。プリセットだけでリッチな音が出るようなタイプのシンセではないので玄人向けかもしれない。
上位互換?のSimSynthというのもありこちらはもう少しリッチな音が出るが、上記のような裏方役としては3xOSCで十分。
FL Key, BooBass, GMSはそれぞれ古いタイプのピアノ音源、ベース音源、シンセ音源で、さすがに前線で戦えるほどの音は出ないが、ラフスケッチ用途と割り切ればそれなりに使えなくもない。ときに軽さは正義。
SliceX: オーディオをスライスさせたい
WAVをブラウザまたはエクスプローラーからプラグインにドロップする。自動的にスライス&キー割り当てされる。
スライスされない場合は、Pっぽい形のボタンの下の▼を押してAuto-slicing > Medium auto-slicingを選択。
Detect Pitch Regionsを選択すると音の高さの変化を検出してスライスする
オーディオトラック、サンプラー、Fruity Slicer、SliceXの比較
オーディオトラックの場合(プレイリストにWAVをドロップして使用)
スライス: チョップツール、もしくはスライスツールで刻み、並べ替えることで一応可能
キー割り当て: なにそれ
MIDI: なにそれ
エンベロープ: フェードイン・アウトとボリューム調整のみできる
ピッチ: Edison、Newtoneなどのツールを使う必要がある。
タイムストレッチ: NewTimeなどのツールを使う必要がある。
用途
ピッチシフトやストレッチの必要がなく、単純にオケWAVを再生するとき。
あまり頻繁もしくは複雑でないタイミングで音を単発で鳴らす時。
例
カラオケ
ドラムループ(カット編集するつもりがない場合)
クラッシュやSFX
VOCALOIDやSynthesizerVから書き出した歌声
サンプラーの場合(パターンエディタにWAVをドロップして使用)
スライス: スライス済のWAVデータならリージョン情報を読み込めるが、どのキーを押しても先頭から始まる。
キーの割り当て: C5(デフォルト)を中心に、音がピッチシフトされて鳴る(タイムストレッチが「ストレッチ」になっている時)
MIDI: MIDIノートは挿入されない。
エンベロープ: デフォルトではキーを離しても再生され、連打すると音が重なる。リージョン情報を含むWAVならリージョンごとに音が止まる。
長さが数分あるWAVでうっかり連打すると大変なことになる
ピッチ: 全体のピッチの調整可能。またC5以外のキーを押せばピッチシフトして再生される。
タイムストレッチ: デフォルトではタイムストレッチされない。リージョン情報を含むWAVならそれに従ってストレッチされる。ストレッチの方法は設定できる。
用途
再生タイミングをMIDIで操作したい時。
難しいこと考えずに1つのWAVをキーボード(MIDI)で演奏したいとき。
例
キック
パーカッション、連打する系のSFX。
Fruity Slicerの場合
スライス: 自動的にスライスされ、キーに割り当てられる。
キーの割り当て: 割り当てられたキー以外は音が鳴らない。
MIDI: スライスされたMIDIノートが挿入される。
エンベロープ: デフォルトでキーを離すと音が止まる
ピッチ: 全体のピッチの調整はできるがリージョンごとにはできない。
タイムストレッチ: (検出した)BPMに従って全体をストレッチする。設定BPMがホストと一致しているとき、滑らかにつながる
用途
インストループを使って演奏したいとき(インストループで鳴っている音を並べ替えたい時)。機能がSliceXより単純なのでシンプルな用途では使いやすい
例
スライスされたドラムループ
SliceXの場合
スライス: 自動的にスライスされ、キーに割り当てられる。たまにスライスもキー割当てもされないときがある
キーの割り当て: 割り当てられたキー以外は音が鳴らない。
MIDI: スライスされたMIDIノートが挿入される。
エンベロープ: デフォルトでキーを離すと音が止まる
ピッチ: リージョンごとにピッチの変更ができる(逆に言うと、全体のピッチ調整は面倒くさい)
タイムストレッチ: デフォで元の再生速度を保とうとする。テンポが合わないとブツブツになるが、滑らかにつなげるように設定するのは結構面倒くさい
用途
ドラムループを刻んでMIDIで演奏したいとき。
特にテンポが合わないとデフォでブツブツなので、ドラムだと問題にならないがインストだと問題になりやすい
パンやピッチなどを細かく設定したいとき。
多機能な反面、面倒くさい