FL Studio 逆引きリファレンス
◆共通
即座に新規パターンを作りたい
1. F4を押す
2. ツールバーのパターンセレクターの+ボタンを押す
3. プレイリストの一番下の+ボタンを押す
余談:正確にはパターンはすでにプロジェクト内に無数作成されており、空のパターンは表示されていないだけである。そのためF4キーの正しい機能名は「次の空きを探す」となっている。
ズームがやたらカクつく/もっと素早くズームしたい
CTRL+ホイールがカクつく、どころか一時的にフリーズするくらい重くなることが多い。原因はいまいちわからない。しかし、以下の方法でもズームはできるので覚えておくと良い。
パターン編集中のピアノロール(小節数が少ない状態)であれば、1~3キーですばやく拡大率を切り替えられる。ただし現在の表示範囲の先頭を基準に新しい表示範囲を決めているため、多くの場合において目的の位置より前に移動してしまうという欠点がある。(正しい使い方としては、1~3キーを押す前に、拡大したい位置をウィンドウの左端ギリギリになるように表示範囲をずらす、という操作が必要になる。これは手間である。)プレイリストでも可能ではあるが、左記理由により使い物になりにくい。
ALT+中ドラッグあるいはタイムラインバー上で中ドラッグで現在の表示範囲の中心を基点として拡大、移動ができる。だがこれも視点が意図しない方向に飛びやすくイマイチ使いづらいという欠点がある。
プレイリストで狙った範囲を拡大したい場合、タイムラインバー上でCTRL+左ドラッグが最も使いやすいかもしれない。小節数の多いピアノロールでも使える。
タイムラインバーの白枠の端を持ってドラッグすることでも表示範囲を調整できるが、やや操作が煩雑なので使用頻度は低い。
マウスや手をできるだけ動かさずに再生マーカーを即座に先頭に戻したい
一応HOMEキーで先頭に戻るが、キーボードの右側にあるためマウスから手を離さなければならない。
そういうときはSHIFT+スペースx2。SHIFT+スペースで停止すると、マーカーは先頭に戻る。
チャンネル、トラック、パターンの色を初期化する
右クリック>色の変更>カラーセレクターで「D」ボタンをクリックする(左下の初期化ボタンではない)
複数チャンネル/トラックを選択して一斉に変えることもできる
パターンは色のみを一斉に変更することができない(個人的に不満点)
個人的には、チャンネルおよびプレイリストのトラックに関しては、下手に色を変えないほうがいいと思っている。詳しくは別記事。
マーカーの挿入、移動
マーカーの挿入はALT+T。
一度挿入すれば右クリックメニューから追加できるようになる
挿入したマーカーはラベルの頭(左端)を掴んでマウスドラッグで移動できるが、頭の判定が若干シビアなので注意。
マーカーには種類があり、よく使うのは
曲の先頭を決めるStartマーカー。色分けがそのマーカーから4小節単位になるため見やすくなる。
一時停止マーカー。先頭にループしてしまうことを防止するため、曲の末端に置くと良い。
◆チャンネルラック
チャンネルラックを表示したい
F6
即座にパターンモードで再生したい
ウィンドウ上部のバーの「チャンネルラック」の頭(左)にあるスピーカーマークをクリック
ちなみにパターンとソングの再生モードの切り替えショートカットはL
キーを変更(キーシフト)したい
インストゥルメントを表示し、歯車→スパナをクリック
Root Node のセクションで通常はC5になっている「青い鍵盤」を右クリックして移動する。移動した先が新しいドになる。
左クリック(オレンジ)は鍵盤の有効範囲を設定するもので、おそらくレイヤーするとき使うものだろう
グラフエディタで直線を引く
右ドラッグ
◆ピアノロール
ピアノロールを表示したい
F7
即座にパターンモードで再生したい
ウィンドウ上部のバーの「ピアノロール」の頭(左)にあるスピーカーマークをクリック
ちなみにパターンとソングの再生モードの切り替えショートカットはL
入力中のインストゥルメントを切り替え/表示したい
ウィンドウ上部のバーの「ピアノロール - <インストゥルメント名>」を…
左クリックして切り替え
右クリックで表示
即座にクオンタイズしたい
Ctrl+Q(クイッククオンタイズ)
ノートの頭だけ合わせたので長さは自動で調整してほしい
(ノートを選択して)Ctrl+L(クイックレガート)
次のノートまで自動的に伸ばす。
ノートを選択しなかった場合、ピアノロール内の全てのノートが対象になる。
注意点
和音が鳴ってるとうまくいかない
メロディとコードが同時に鳴っている場合、メロだけを選択する必要がある
最後の音はパターンの終わりまで伸ばされてしまう。修正が地味に面倒なので最後のノートだけ選択しないように心がけると良い
ノートのタイミングを全体的にずらしたい
(ノートを選択して)Shift+←/→
注意点
グリッド単位で動く。1小節以上動かすならカット&ペーストか、プレイリストに貼ってナイフで切ったほうが早い場合がある
クオンタイズされていないとうまくいかない時がある。先にクオンタイズしておくこと
ノートのつなぎ目をずらしたい
SHIFT+つなぎ目を左ドラッグ
注意点
他に同時に鳴っている/鳴り終わっているノートがある場合、それらのノート頭/おしりもずれる。ノートの短さには限界があるため、余計なノートが鳴っていると移動が邪魔される場合がある。そのため、単音で鳴っているメロディや、ノートが全て同じタイミングで鳴っているPADのタイミング調整にはこの方法は楽だが、リズムが複雑なピアノなどでは逆に使いにくい場合がある。
即座にノートを分割したい/即座にノートの長さを切り詰めたい
右SHIFT+左ドラッグ/右SHIFT+右ドラッグ
注意点
右SHIFTを押している間一時的にナイフツールになる。右ドラッグで切断すると後半が自動的に削除される。
ピアノロール上でコントロールチェンジ(CC)を編集したい
ピアノロール下パネルのControlの文字をクリックすると編集するコントロールを変更できるが、デフォだとChannel Volume/Pan/Pitchのみしかない。これにたとえばModulation(CC#1)を追加したい
シンセを表示(ピアノロールからではない)し、メニューの「パラメータをブラウズする」をクリック
ブラウザにパラメータ一覧が表示されるので MIDI CC #1を右クリック
「イベント編集 - ピアノロール」をクリック
これでピアノロールに<シンセ名> - MIDI CC #1が表示され、編集できるようになる
◆インストゥルメント
即座にチャンネル名、アイコン、色等を変更したい
チャンネルラックのシンセ名が書いてあるボタンを中クリック
あるいはシンセウィンドウのバーを中クリック
常にトップに表示したい
▼をクリックしてメニューから「デタッチ」を選択
設定(一般設定)で「すべてのプラグインをデタッチする」をオンにしておいたほうがいいかも
MIDI信号を別のプラグインから入力/別のプラグインへ出力したい
MIDI信号を別のプラグインに送るタイプのプラグインを使う時。コードツールやアルペジエイターなど。
送信する側(攻め側)のプラグイン
歯車をクリックしさらに「コンセント+歯車」のタブを選択。
→MIDIのOutput portを0以上の任意の数値にする。
入力される側(受け側)のプラグイン
歯車をクリックしさらに「コンセント+歯車」のタブを選択。
→MIDIのInput portを先ほど設定した数値と同じものに合わせる。
◆プレイリスト
プレイリストを表示したい
F5
即座にソングモードで再生したい
ウィンドウ上部のバーの「プレイリスト」の頭(左)にあるスピーカーマークをクリック
ちなみにパターンとソングの再生モードの切り替えショートカットはL
パターンをチャンネル毎に分離したい
パターンを右クリックして「チャンネル毎にトラックに分離する」
パターンが重なった状態になるのでそのあと分配するのがめんどい
トラック分離するとピアノロールで透かせられなくなるので、音階がある楽器を分ける際は慎重に
分離されたパターンを合成したい場合はCtrl+G
既存パターンを複製して新規パターンを作りたい
方法1:パターンを複製
プレイリストに並べる前であれば、パターンリストから目的のパターンを右クリックして「複製」を選択。
方法2:メイクユニーク
プレイリストに並べたあとであれば、変えたいパターンの帯を左クリックして(右クリックすると消えちゃう)ドロップダウンメニューを出し、「メイクユニーク」を選択。
既存の曲を解析して勉強したい/リミックスしたい
「ステム抽出」という超便利な機能が標準で用意されている
WAVファイルをプレイリストに投げ込む
このタイミングでBPMを図って小節グリッドに合わせておくとベター
クリップの左上をクリックしてメニューを出し「ステム抽出」を選択
※初回は機能のダウンロード&インストールが必要。
Drums/Bass/Instruments/Vocalsのうちほしいパートを選択。
解析にはCPUパワーを食うため、フリーズを防ぐためにも「CPU使用率の制限」をオンにしておいたほうが無難
Extractで実行
やってみた感じ、かなり高精度な印象。ほぼ同じ機能を持つSpectraLayersと比較すると(ピアノが分離できなかったり)機能面でさすがに劣るが、仕上がりは遜色ない。
◆ミキサー
ミキサーを表示したい
F9
ミキサートラックのプラグインの状態を別のミキサートラックにコピーしたい
プラグインの▶を押しメニューを開き、「プリセットを名前をつけて保存」の項目をクリックではなくドラッグして別のトラックにドロップする。
エフェクトをMIDIコントローラーで操作したい
エフェクトの操作したいノブ、フェーダー、スイッチ、ボタン等の上で右クリックし「コントローラーにリンク」
ミキサーウィンドウ上にあるフェーダーやノブでも可能
ダイアログが出てる間に割り当てたいコントローラーのノブやフェーダーをいじる
解除したいときは同じ操作をしてダイアログを出して「初期化」を押す
エフェクトにMIDIノートを送信したい
たとえばiZotopeのStutter Editなど、MIDIノートで操作する系のエフェクトプラグインにノート情報を送りたいとき。(※先述の割当方法ではうまくいかない)
エフェクトの歯車マークをクリックしMIDIのinput portを0以上にする。
チャンネルラックにPatcherをロードする。
実際どのインストゥルメントからでもMIDIを送信できるのだが、余計な音が出たり余計な負荷をかけるくらいなら空のPatcherがベスト。
From FL StudioからMIDI信号(青緑のピン)を伸ばしてTo FL Studioにつなぐ。このときMIDI portを選択するポップアップが出たら、先程指定したInput portと同じ数字にする。
以降、このチャンネルがアクティブの時MIDIキーボードを押せば反応するはず。
パターンとして曲中にエフェクトを操作することもできる。
◆ブラウザ
ブラウザ小ネタ
お気に入り(★マーク)は積極的に使っていこう。STARREDタブにまとまるので選ぶまでが早くなる。
ブラウザの表示切り替え
F8
自動非表示(Auto Hide)をオンにしておくとマウスが離れると自動的に隠れる
ブラウザ表示箇所として画面の右と左を選べる
右に置くことも試してみたが、ウィンドウを閉じるとき邪魔になるのでやはり左にあったほうがよさそう
FL Cloud(Sound)を非表示にしたい
Soundタブを右クリックして「隠す」
同様にLIBRARYも隠せる
◆付属プラグイン
おすすめのシンセは?
Sytlus
あの軽くて使いやすいと評判なSylenth1と個人的には同格に匹敵するシンセ。軽さで言えばFLにおいてはSylenth1よりも軽いかもしれない。音のバリエーションでは一歩譲るが、なんか音を足したい、という時にとりあえず差してみても良いくらいの万能シンセ。
3xOSC
単体では心許ない音しか出せないが、特定の用途では非常に優れたパフォーマンスを発揮する。たとえば、サブベース、SE用途でのピコピコ音、リバースノイズなどである。Layerを噛まして他シンセに重ねても良い。
SliceX: オーディオをスライスさせたい
WAVをブラウザまたはエクスプローラーからプラグインにドロップする。自動的にスライス&キー割り当てされる。
スライスされない場合は、Pっぽい形のボタンの下の▼を押してAuto-slicing > Medium auto-slicingを選択。
Detect Pitch Regionsを選択すると音の高さの変化を検出してスライスする
オーディオトラック、サンプラー、Fruity Slicer、SliceXの違い
オーディオトラック(プレイリストにWAVをドロップする)
スライス: チョップツール、もしくはスライスツールで刻み、並べ替えることで一応可能
キー割り当て: なにそれ
MIDI: なにそれ
エンベロープ: フェードイン・アウトとボリューム調整のみできる
ピッチ: Edison、Newtoneなどのツールを使う必要がある。
タイムストレッチ: NewTimeなどのツールを使う必要がある。
用途
ピッチシフトやストレッチの必要がなく、単純にオケWAVを再生するとき。
あまり頻繁もしくは複雑でないタイミングで音を単発で鳴らす時。
ドラムループ素材をただ単純に並べて鳴らすとき。
クラッシュやSFXを入れるとき。
オケ以外であればただのクラッシュでもサンプラーのほうが使い勝手が良いことが多い
サンプラー(パターンエディタにWAVをドロップする)
スライス: スライス済のWAVデータならリージョン情報を読み込めるが、どのキーを押しても先頭から始まる。
キーの割り当て: C5(デフォルト)を中心に、音がピッチシフトされて鳴る(タイムストレッチが「ストレッチ」になっている時)
MIDI: MIDIノートは挿入されない。
エンベロープ: デフォルトではキーを離しても再生され、連打すると音が重なる。リージョン情報を含むWAVならリージョンごとに音が止まる。
長さが数分あるWAVでうっかり連打すると大変なことになる
ピッチ: 全体のピッチの調整可能。またC5以外のキーを押せばピッチシフトして再生される。
タイムストレッチ: デフォルトではタイムストレッチされない。リージョン情報を含むWAVならそれに従ってストレッチされる。ストレッチの方法は設定できる。
用途
再生タイミングをMIDIで操作したい時。
難しいこと考えずに1つのWAVをキーボード(MIDI)で演奏したいとき。
Fruity Slicer
スライス: 自動的にスライスされ、キーに割り当てられる。
キーの割り当て: 割り当てられたキー以外は音が鳴らない。
MIDI: スライスされたMIDIノートが挿入される。
エンベロープ: デフォルトでキーを離すと音が止まる
ピッチ: 全体のピッチの調整はできるがリージョンごとにはできない。
タイムストレッチ: (検出した)BPMに従って全体をストレッチする。設定BPMがホストと一致しているとき、滑らかにつながる
用途
インストループを使って演奏したいとき(インストループで鳴っている音を並べ替えたい時)。
機能がSliceXより単純なのでシンプルな用途では使いやすい
SliceX
スライス: 自動的にスライスされ、キーに割り当てられる。たまにスライスもキー割当てもされないときがある
キーの割り当て: 割り当てられたキー以外は音が鳴らない。
MIDI: スライスされたMIDIノートが挿入される。
エンベロープ: デフォルトでキーを離すと音が止まる
ピッチ: リージョンごとにピッチの変更ができる(逆に言うと、全体のピッチ調整は面倒くさい)
タイムストレッチ: デフォで元の再生速度を保とうとする。テンポが合わないとブツブツになるが、滑らかにつなげるように設定するのは結構面倒くさい
用途
ドラムループを刻んでMIDIで演奏したいとき。
特にテンポが合わないとデフォでブツブツなので、ドラムだと問題にならないがインストだと問題になりやすい
パンやピッチなどを細かく設定したいとき。
多機能な反面、面倒くさい