FL Studio勉強メモ
FL Studioの良い点
起動が速い。作業を始めるまでの時間が圧倒的に短い。
他DAWと比較して、起動は圧倒的に速いが、軽さは特別軽いというわけではなさそう。
ホーム画面というものがなく、開いた瞬間に新規プロジェクトが立ち上がっている。
永久アップデート。
支払いは1回のみで、その後バージョンが上がっても更新料は取られない。
FLStudioがメインDAWでなくても、1度買っておけば数年越しに思い出した時点で最新版を使えるのは強い。(筆者は過去にCubaseを購入していたが、まともに起動しないままサポート外になってしまった)
公式・非公式含めチュートリアル動画が大量にある。(ただしほとんどは英語。とはいっても国産DAWのSSWあたりを使わない限りは、他のDAWでも英語の割合は多いと思う)
世界レベルでヒットを飛ばすような有名DJやトラックメイカーが使っている。彼らのような曲が作れるかは別として、その情報だけで夢がある。彼らを含むプロが作業風景を公開している動画も多くみつかる。
他のDAWには付かないような特徴的なプラグインが大量についてくる。
例えばスクラッチをするプラグインなど。
とはいえ時代遅れのプラグインも多い。
マウスとキーボードのみを使って最速で打ち込みができる。
ツールを持ち替えずにペンツールだけであらゆる編集作業が行えるピアノロールは特に評価が高い。
あらゆる操作にショートカットキーが使える。
ただしカスタマイズ性は皆無であり、決められた操作を覚える必要がある。
入力済MIDIノートをアレンジする手段がたくさん用意されている。
最初にコードを指定すると白玉ノートが自動的に入力され、さらにそこからツールを使ってアルペジオやバッキングやメロディになるようアレンジできるため、ピアノロール上でマウスでポチポチする回数を少なくできる。
PCキーボードをMIDIキーボードの代わりにできる機能が標準で備わっているため、最悪それを使ってメロディを演奏できる。
FL Studioの賛否ある点
他のDAWと比較して設計思想にクセがある。
まずループパターンを複数作成してからそれをプレイリストに並べて曲全体を構築するという流れ。
トラッカー、ハードウェアシーケンサーガジェット(ヤマハのQYシリーズやKORGのErectribeなど)のような設計に近い。
一方CubaseやStudioOneなどのDAWは楽譜が着想の元になっており、ひとまず曲は頭から最後までレーンが続いており、その一部をループ可するか否かはユーザーに任されている。
すべてのループはすべてのチャンネル(楽器)を演奏できる。
(対比)他のDAWでは例外はあれど基本的には1トラックにひとつの楽器/1人の演奏家/ひとつの音源(プラグイン)という考えが元になっており、ひとつのトラックで複数のチャンネルを扱うことはあまりしない。
ダンス・ミュージックに向いており、世に存在するチュートリアル動画のほとんどはダンス・ミュージック制作である
ロックとかジャズとかのチュートリアルはほとんどみかけない(ただし作れないわけではない)。
FL Studioの悪い点
付属のプラグインの中には古くて使いにくかったり、有料プラグインの体験版が多くある。
なのでプラグインの整理は必須なのだが…↓
プラグインマネージャーが使いづらい。マネージャー上からプラグインを無効化できない。
プラグインの無効化には、設定ファイルを手作業で削除するなど直感的でない作業が必要。
エクスプローラーでフォルダ分け作業ができるのは強みといえば強みかもしれない
FL Cloudを消せない
FL Cloudは会費がかかるメンバーシップ制の素材配布サービス。
1ヶ月の無料期間がありログインすると自動的に始まるが、継続手続きをしなければ自動的に終了する。
日常的に曲制作をするプロには割と評判が良い。らしい。
設定
インストール直後はASIO4ALL等が利用できない状態のため音が出ない。PCを再起動すると使えるようになる。
言語設定
OPTION>General>Language
UIの大きさ
OPTION>General(一般設定)>ディスプレイ
125%がちょうどいいかも。150だとでかすぎる
オーディオ設定
OPTION>オーディオ設定(Audio)>入力/出力
ASIO4ALLがデフォ。
ツールバー
VIEW>ツールバー
困ったらとりあえずプリセットからDefaultを選ぶ
自動バックアップ
OPTION>FILE
「頻繁に(5分毎&危険な操作前に)」がベターな気がする
基本操作
チャンネルラック、プレイリスト共通の操作
マウス左クリック→オブジェクトを置く
マウス右クリック→オブジェクトを消す
※右クリックメニューがどこでも出るわけではないので注意
マウス中ドラッグ→全体スクロールする(減少方向のみ)
Shift+ホイール→チャンネル/トラックの並べ替え(上下移動)
Ctrl+ランプのクリック→ソロ/ソロ解除
プレイリストの操作
Clrl+左ドラッグ→範囲選択
Shift+左ドラッグ→一時的なツール/複製
ブラシであれば、一時的に鉛筆
鉛筆であれば、一時的にブラシ
既存クリップのドラッグであれば複製する
Alt+左ドラッグ→グリッドを無視して移動
ほぼすべてのノブ、スライダーでの操作
マウス左クリック→値の調整
マウス右クリック→右クリックメニュー
オートメーションクリップの作成、コントローラーの割当など
マウス中クリック→パラメータを初期化する
クイックチュートリアル
パターンを作る(リズム)
チャンネルラックを表示(VIEW>チャンネルラック or F6)する
再生ボタンの左の切り替えをPATにする(パターン再生モード)
デフォでドラムキットが入ってるので、適当にドラムパターンを作る
4つ打ちなら楽器名を右クリックして「各4ステップ」を選ぶと自動で入力される
Shift+Ctrl+右/左で1ステップずつずらす。ハット等に便利
「高度なフィル」を使って3ステップ間隔などの置き方もできる。
ベロシティは右上の縦線のアイコンをクリックしてグラフエディタを表示する。
ちなみに楽器名をクリックすると音色の設定画面が出てしまうのが嫌という場合は、その右横の縦バーをクリックしてチャンネル選択できる
基本は1/16グリッドだが、一時的に1/32や64にしたくなった場合、グラフエディタのRepeatを表示して利用する。
再生ボタンで再生。
左端のランプとノブ2つはそれぞれミュート(Ctrl or ALTクリでソロ)、パン、ボリューム。
パターンの長さは「チャンネルラック」と書いてある右の数字を変更する。デフォ16
その横のノブでスウィング量を指定できる。
音色を調整したい場合は楽器名をクリック。
Ctrl+楽器名クリックで試奏ができる。
楽器を差し替えたい場合は楽器名を右クリックして「入れ替え」
※ベースも用意されているが、今はとりあえずベースには触らないでおく。
プレイリストに並べる
プレイリストを表示(VIEW>プレイリスト or F5)する
Bを押してブラシツールに切り替える
Pを押すとペンシルツールになるが、こちらはほとんど使われない
選択解除したい場合に余白を左クリックしたくなるが、クリップを置いてしまうので実際は右クリックである
クリックして今作ったパターンを並べる
どのトラックに置いても問題ない。
縦に重なっても問題ない。同じパターンが重なった場合、後ろにあるほうが優先される。上下は関係ない。
ただしトラックごとにミュート操作ができる関係上、似た要素は同じトラックにまとめたほうが使いやすくなる。
上のパネルで曲全体を俯瞰しての表示位置を移動できる。
Ctrl+マウスホイールか、パネルの左右の端をドラッグしてズーム/アウトできる。
右上のカドの「ー」マークを上下ドラッグしてトラックの縦幅を調整できる。
再生する時はSONGモードに切り替える(Lキー)が、プレイリストのルーラーをクリックした時点で勝手にソングモードに切り替わる。
曲の終端まで行くと勝手にループする。
新しいパターンを作る(インスツルメント)
プレイリストの下にある「+」ボタンを押して新規パターンを追加する
チャンネルラックに戻り、今度はベースを作る
※楽器ごとにパターンを分けるのが重要。ひとつのパターンにすべての楽器を詰め込まないこと。
ノートの高低はグラフエディタ上でも簡易的に編集できるが、作り込みたいならピアノロールのほうが良いだろう。
楽器名を右クリ(or F7)してピアノロールを表示
ステップシーケンサー/ピアノロール切り替えボタンですべてのチャンネルのピアノロール表示が可能。ピアノロール部分をクリックするだけでピアノロールが開く。
ミックスする
未割り当てのチャンネルをミキサートラックに割り当てるにはCtrl+L
このとき、チャンネルに設定されている名前・色・アイコンがトラックにコピーされる
…ので、この操作の前にそれらを設定したおいたほうが良い(自動で同期はされない)
複数チャンネルをまとめて割り当てもできる
すでに割当済のチャンネルを再度割り当てようとするとミキサートラックの後ろに移動するので注意
ボリューム等のフェーダ位置、インサートしたエフェクトは初期化されてしまう
エフェクトを追加するには、ミキサーのスロットをクリックする
バス・トラックの作り方
トラックを複数選択(Shift+ドラッグ)
空いているトラックの▲を右クリックして「音をこのトラックだけに送る」
あるいはCtrl+▲クリック
コツ
ドラムなど音程のない楽器と、音程がある楽器でパターンを分ける。
言い換えると「音程のある楽器はひとつのパターンにまとめる」。
なぜなら、ノートを透かして見れる「ゴーストノート」は複数のパターンにまたがって表示ができないから。
ミックスに入る直前までなるべくその状態を維持する。早い段階でパターンのチャンネル分離をしてしまうと、バリエーションを作るときに透かしてみれなくなる。
もし分離してしまったあとにメロディを打ち込む場合は、コード表示用のミュートチャンネルが必要になる。
ショートカットなど
チャンネルラック(パターンエディタ)
F6 - チャンネルラックの表示
Shift+ホイール - チャンネルの上下を移動
K長押し - グラフエディタの一時的表示(ノート、リピートなど)
グラフエディタでは和音は扱えない(グリッドにノートはひとつだけ)。和音を入れたいならピアノロールへ。
Shift+Ctrl+右/左で1ステップずつずらす。ハット等に便利
左端のランプとノブ2つはそれぞれミュート、パン、ボリューム。
ミュートランプをCtrl or ALTクリでソロ
パン、ボリュームのノブをAlt+クリックで初期化
プレイリスト
F5 - プレイリストの表示
L - 再生モード(ソング/パターン)の切り替え
なお「チャンネルラック」とか「プレイリスト」の横にある▶つきのボタンを押すと即座に再生モードが切り替わって再生する
Home - 曲の最初へ
停止ボタンを再度クリックすると先頭に戻るのでそっちのほうが頻度高い
Ctrl+1-3 - ズーム
Ctrl+4 - 縦横フィット
Ctrl+5 - 縦横フィット
Ctrl+B - 選択内容を複製して直後に貼り付ける。
ピアノロール
基本操作
中ドラッグ - 視点移動
ホイール - 上下移動
Shift+ホイール - 左右移動
Ctrl+ホイール - ズーム
中ダブルクリック→ドラッグ でもズームできる
Ctrl+A - すべて選択(コントロールも選択されるため、ノートの選択を解除しただけでは選択解除されない)
Ctrl+D - 全選択解除
パラメータコントロール
右ドラッグ - 直線状にパラメータを描画
基本ツールショートカット
FL studioでは、基本的にペンツールから持ち替えない。以下はペンツールでのショートカット。
P:ペンツール
ノートを置く/消す系
左クリック:ノートを置く(固定長)
右クリック:ノートを消す
(選択して)DEL:ノートを消す(何も選択してない場合はパターン全体を削除)
ノートを移動する系
ノートをドラッグ:ノート移動
ALT+ノートをドラッグ:グリッド無視でノート移動
CTRL+上キー/下キー:オクターブ移動
SHIFT+上キー/下キー:高さを1移動
ノートの長さ調整系
SHIFT+左ドラッグ:ノートを置く(任意長)
ノートの端をドラッグ:ノート長変更
メニュー>Editの「左からのノートリサイズ許可」をチェックしておくと便利
CTRL+L:クイックレガート(ノートが重ならない程度に伸ばす)
範囲選択系
※なお、何もノートを選択していない場合はパターン全体のノートがあらゆる編集コマンドの対象になる。
CTRL+左ドラッグ:範囲選択
CTRL+ノートをクリック:ノート選択
右クリック:選択解除
複製系
ノートをSHIFT+ドラッグ:複製
(選択して)CTRL+B:直後に複製(何も選択してない場合はパターン全体を複製)
視点変更系
中ドラッグ:視点移動
ホイール:縦スクロール
SHIFT+ホイール:横スクロール
ALT+中ドラッグ/CTRL+ホイール:横ズーム
CTRL+中ドラッグ:縦ズーム
CTRL+右クリック:いいかんじにズーム/ズームアウト
CTRL+右ドラッグ:指定範囲ズーム
鳴らす/ミュート系
ノートを左クリック:鳴らす
ALT+右ドラッグ:スクラブ再生
右ALT+左ドラッグ:ミュートツール
クオンタイズ系
CTRL+Q:クオンタイズ
SHIFT+Q:ノートの先頭のみクオンタイズ
ALT+Q:詳細なクオンタイズツール
分割系
右SHIFT+左ドラッグ:分割ツール
右SHIFT+右ドラッグ:分割ツール+右側を消す
CTRL+U:(選択)ノートをグリッドで分割
ALT+U:詳細なチョッパーツール
その他のショートカット
※以下、選択範囲(選択されてなければパターン全体)のノートを対象に…
Shift+↑/↓ - 1ごとに移動
Ctrl+↑/↓ - オクターブごとに移動
Ctrl+L - 長さを(重ならないように)伸ばす(クイックレガート)
ちなみにAlt+Lを押すとアーティキュレーションツールが立ち上がってノート長の詳細な調整ができる
Ctrl+U - 現在のグリッド幅で分割する(クイックチョップ)
ちなみにAlt+Uを押すとチョッパーツールが立ち上がってプリセットに従って様々な分割ができる
Ctrl+Q - クオンタイズ
Shift+Q - 頭のみクオンタイズ
Alt+Qで詳細クオンタイズ
Ctrl+G - 隣接しているノートをつなげる
Alt+A - アルペジオ
Alt+S - ストラム
スパナマークのメニューからノートのアレンジができる。
リフマシーン(コードに従い、ランダムにメロディっぽいものを生成する)
ノートのオクターブ制限(指定範囲外のノートをオク上/下に移動して範囲内に移動する)
などなど
目的別
プレイリスト
パターンをチャンネル毎に分離したい
パターンを右クリックして「チャンネル毎にトラックに分離する」
パターンが重なった状態になるのでそのあと分配するのがめんどい
既存パターンを複製して新規パターンを作りたい
方法1:パターンを複製
プレイリストに並べる前であれば、パターンリストから目的のパターンを右クリックして「複製」を選択。
方法2:メイクユニーク
プレイリストに並べたあとであれば、変えたいパターンの帯を左クリックして(右クリックすると消えちゃう)ドロップダウンメニューを出し、「メイクユニーク」を選択。
既存の曲を解析して勉強したい/リミックスしたい
「ステム抽出」という超便利な機能が標準で用意されている
WAVファイルをプレイリストに投げ込む
このタイミングでBPMを図って小節グリッドに合わせておくとベター
クリップの左上をクリックしてメニューを出し「ステム抽出」を選択
※初回は機能のダウンロード&インストールが必要。
Drums/Bass/Instruments/Vocalsのうちほしいパートを選択。
解析にはCPUパワーを食うため、フリーズを防ぐためにも「CPU使用率の制限」をオンにしておいたほうが無難
Extractで実行
やってみた感じ、かなり高精度な印象。ほぼ同じ機能を持つSpectraLayersと比較すると(ピアノが分離できなかったり)機能面でさすがに劣るが、仕上がりは遜色ない。
ミキサー
ミキサートラックのプラグインの状態を別のミキサートラックにコピーしたい
プラグインの▶を押しメニューを開き、「プリセットを名前をつけて保存」の項目をクリックではなくドラッグして別のトラックにドロップする。