Davinci Resolve 18 逆引きリファレンス (Windows)
Davinci Resolveの情報はネット上にたくさんあるが、動画編集ソフトなので当然動画で説明されることが多い。動画での説明はそれを全く知らない人が一から学ぶには良いが、すでに一度やったことがあり忘れた事を思い出す目的で見るにはあまりにも面倒だし時間の無駄だ。文章でメモしてあったほうがよりスピーディに思い出せる。ので作った。バージョンは18。
初版 2022.09.13~ 以降順次追加
凡例)
やりたいこと
▶方法1 メニュー項目>サブメニュー
▶方法2
→方法2の続き
その他のメモなど
?:疑問に思ったこと、あとで調べたい内容
ファイル、プロジェクト管理
作業終了したプロジェクトをバックアップしたい
一応バックアップという機能もあるが、アーカイブして全使用ファイルを退避させたのち、フォルダごとどこかに保存しておくのがおすすめ。
▶ プロジェクト選択ウィンドウで右クリック>プロジェクトアーカイブの書き出し
→「???.dra」というフォルダの中に使用ファイルがまとめられるので、それをZIPに圧縮するなどしてどこかに保存しておく。
不足している(リンクが切れている)ファイルがある場合警告が出る。警告が出たら中断し、使われているクリップの場所を確認する。
キャッシュ系は基本的に不要。
カット/エディット
移動
(共通)コマ送り/戻し
▶ ← / →
(共通)1秒送り/戻し
▶ Shift + ← / →
(共通)クリップのつなぎ目へ移動
▶ ↑ / ↓
(エディット)先頭/末尾へ移動
▶ HOME/END
カットだとなぜか謎の位置からの再生
再生
(共通)再生/一時停止
▶ SPACE
(共通)逆再生/停止/再生
▶ J / K / L
逆再生はカット位置やキーフレーム位置をフレーム単位で探るときに便利
タイムライン表示
(エディット)拡大表示/縮小表示(ズーム)
▶ Ctrl+= / Ctrl+~
※Winだとなぜか(日本語キーボードだから?)キー配置に問題あり。というか効かない。私はZ/Xに置き換えている
(エディット)全体表示(ビューアをウィンドウにあわせる)
▶ Shift +Z
クリップ
(共通)クリップの有効/無効
▶ D
無効にするとクリップは暗くなり、映像は非表示になる。音声はミュートされる。
クリップの選択
(共通)再生カーソルより右側をすべて選択する
▶ ALT + Y
(共通)再生カーソルより左側をすべて選択する
▶ CTRL + ALT + Y
(エディット)通常選択モード(に戻す)(ノーマル編集モード)
▶ A
クリップの移動
(共通)選択クリップの「位置」を1フレームずつずらす
▶ SHIFT + , / .
(共通)現在のカーソル位置がクリップの先頭になるようずらす
▶ E
(共通)すでにあるクリップの隙間を詰める
▶ 隙間を選択して DELETE or BS
クリップの分割、カット位置調整
(共通)クリップをカーソル位置で分割(レイザー)
▶ Ctrl + B
(共通)クリップをカーソル位置でトリム(余白は詰まる)
▶ Shift + [ / ]
(カット)選択クリップの位置を変えずに「内容」を1フレームずつずらしたい
▶ クリップの真ん中の[+]マークをマウスドラッグ
(エディット)選択クリップの位置を変えずに「内容」を1フレームずつずらしたい
▶ T(トリム編集モード)+ドラッグ
やめたいときは A
動かせないときはクリップの端が動画の端まで到達していることが多い
(エディット)クリップを連続クリックして連続分割
▶ B(ブレード編集モード)+左クリック
やめたいときは A
(エディット)クリップの境目を調整したい
▶ W(ダイナミックトリムモード)
クリップの削除
(共通)クリップを前に詰めて削除
▶ DEL
▶ Shift + Backspace
(エディット)クリップを詰めて削除
▶ DELETE
詰めて削除は他のクリップとのタイミングがずれたり意図しないフレームの削除が発生したりとなかなかリスクが高い。詰めるのは後から手作業でも出来るので、削除にはまずBackspaceキーを押す癖をつけよう。
(エディット)クリップを(詰めずに)削除
▶ Backspace
再生速度
(カット)クリップの速度を変更
▶ R
クリッププレビューのコントロールが表示される。直接入力しても同じ。複数選択状態ではできない
(エディット)クリップの速度を変更(ダイアログ)
▶ R
ダイアログが表示される。複数選択状態ではできない
(エディット)クリップの長さを変えずに再生速度を変える
▶ ダイアログで「タイミングを維持」にチェック
カットモードでは長さが変わってしまい、後続がずれる。長さを記憶しておいて元にもどせば後続に影響しない
(エディット)部分的に再生速度を変更(リタイムコントロール)
▶ Ctrl + R
タイムマーカー?を追加し変更する。カーブでもできるけど、カーブが必要なケース(=なめらかに再生速度を変えたいケース)って殆ど無い気がする
(エディット)クリップの「全体」を停止させる(フリーズ)
▶ インスペクタの速度変更パラメータの雪印*ボタン
動画を完全に静止画として扱いたい場合に使う。
(エディット)クリップの「一部」を停止させる(フリーズ・フレーム)
▶ 止めたいフレームにカーソルを合わせてから、リタイムコントロールをオンにして「100%」とある横のメニュから「フリーズ・フレーム」を選ぶ
カーソル位置にタイムマーカーが打たれるが、これをマウスで移動すると前後の再生速度が変わってしまうので注意
リタイム操作全般に言えることだが、フレームを止めたり遅くしたりするほどクリップの後ろが伸びていくことを忘れてはいけない。後ろに配置されたクリップは上書きされることに注意。なのでリタイム操作は新規トラックの上で行うことをおすすめする。
マーカー
(共通)マーカーを追加
▶ M
(エディット)クリップを動かすとマーカーも動いてしまう
▶ 「タイムラインマーカーをリップル」をOFF
(エディット)タイムライン/クリップにマーカーを打ちたい
▶ クリップを選択している状態でマーカーを打つとクリップにマーカーが入る。なにも選択しなければタイムラインに入る
?:リタイム(タイムストレッチ)してマーカーがずれる問題に対処する方法はあるだろうか
クリップの挿入
(エディット)タイムライン上の隙間(選択範囲)に収まるように別のクリップを入れ込む
▶ I / O でIn/Outを打ち範囲を決めてから「クリップの挿入」(F9)
後入れ側のIのみ打っていればそれを頭の基準に、Oのみ打っていればお尻の基準として入れ込む。3点編集というらしい
(エディット)タイムライン上の隙間(選択範囲)に収まるように別のクリップ「の長さをあわせて」入れ込む
▶ I / O でIn/Outを打ち範囲を決めてからヴューの上にドラッグ>フィットトゥフィル
入れるクリップ側にI+Oを設定していればその範囲を切り抜き、長さをストレッチしてタイムラインの選択範囲に入れ込む。4点編集というらしい
イン点、アウト点の削除は Alt + X
カメラ移動、エフェクト
(エディット)拡大縮小(ズーム)、移動、回転、傾き、クロップしたい
▶ エフェクト>調整クリップを上に重ね、そちらのインスペクタから調整する
単体動画クリップであればインスペクタからいじれるが、調整クリップのほうがあとから位置をずらしたりなどなにかと都合が良い。
(蛇足)ズーム&移動の座標メモ
フレームサイズが1920x1080において、ズーム2倍のとき
左端/右端へズーム:X=+960/-960
上端/下端へズーム:Y=+540/-540
(エディット)キーフレームの挿入
▶ インスペクタの各パラメータの横の◆マークを押す(カーソル位置に挿入)
▶ ALT + クリック
正確なフレーム位置をクリックできることはあまりないからこっちの方法はおすすめしない。カーソルキーでちゃんとフレームを合わせてから◆を押そう
(エディット)カーブの編集
▶ クリップにあるサイン波のようなうねってるマークをクリック
カーブ編集においては、なるべくピンをマウスで直接動かそうとしないことがコツ。キーフレームと値の入力はなるべくインスペクタ上で行い、カーブ編集ではせいぜいイーズインアウトを調整するとか余計なピンを消す程度にとどめておいたほうが良い。
トランジション
1種類のトランジションを連続で入れたい
▶ カットページにいってトランジションタブのひとつを右クリして「標準トランジション」にする。
→その後トランジションボタンを押すとカーソルから近い切れ目に自動的に入る
その他
複数の字幕を同時に表示したい
▶ 字幕の仕様上、できない。2つ字幕トラックを作ってもひとつしか有効にならない。
テキスト+をひとつひとつ置いていくしかない。
※字幕について
「字幕」は動画ファイルに付与する特殊な文字情報である。基本的にデフォルト状態では字幕は表示されないものであり、視聴者が任意にオンオフ、翻訳、フォントや表示位置などを変更できるように設計されている。動画に文字を入れたいと考えることは多いが、ほとんどのケースにおいてそのような機能は必要はないだろう。
また、字幕は動画制作側で任意に文字のフォントや大きさ、色を変化させたりするこはできず常に一様である。
このように字幕機能は昨今の動画作品にみられるような「テロップ」の機能は有しておらず、そもそも別の用途のものである。極力「字幕」機能は使わず、テキスト+による文字表示として動画に埋め込むようにすること。
一応「字幕の焼き付け」の作業を行えば強制的に字幕情報を表示させる(動画内に埋め込む)ことは可能。
処理(シーク)を軽くしたい
▶ メディアプールで右クリして「プロキシメディア」を生成する。
似たようなものに「最適化メディア」があるが、プロキシメディアのほうが新しく、最適化メディアの上位互換
変換には時間がかかる。またファイルシステム上に残るので作業が終わったら適当に掃除しよう
動画のキャッシュをクリアしたい
画像ファイルを更新してもサムネが差し替わってないようにみえる時にはこれを試す。
▶ メインメニュー「再生」>レンダーキャッシュを削除>すべて
それでも直らないならキャッシュではなくプロキシファイルを参照している可能性があるので…
▶ Davinci Resolve>環境設定>メディアストレージの「メディアストレージロケーション」を確認する。デフォルトだとC:\Users\<ユーザー名>\Videosになっているはず。
一度Davinciを終了し、<メディアストレージロケーション>\ProxyMedia\以下にプロキシメディアがあるので現在のプロジェクトに関係ありそうなファイルを消す。
その後Dacinciを起動しプロジェクトを開いてみる。再度プロキシメディア変換を行うこと。
※このとき、プロキシ変換前の元素材がみつからないとエラーが出る。
オーディオのキャッシュをクリアしたい
オーディオのキャッシュはDavinci上で消せない。音声を差し替えたのに、差し替える前の音声で鳴ってしまう場合は以下を試す。
▶ 一度Davinciを終了し、<メディアストレージロケーション>\CacheClip\audio\以下にオーディオキャッシュがあるので現在のプロジェクトに関係ありそうなファイルを消す。
その後Dacinciを起動しプロジェクトを開いてみる。
映像をクリップとして使いたいが音声は要らない
▶ メディアプールからALTを押しながらタイムラインに置くと映像のみ置かれる
▶ ALTを押しながらクリップをクリックすると音声/映像のみ選択できる。
右クリックで音声と映像のリンクを切ったほうが混乱せずにすみそう。可能なら素材を用意する段階で音声トラックを抜いておくとさらに良い。
(エディット)選択クリップの順番を前後に入れ替えたい(トータルの長さを変えずに)
▶ CTRL + SHIFT + , / .
映像クリップをカットしたいが音声はカットしたくない
▶ 音声トラックの「自動トラック選択」をオフにする
「自動トラック選択」は常にオフにしておいたほうがいい。これが役に立つとすればごく最初の段階でのカット作業中だが、トラック数が増え手が込んでくるにつれて「気づかずに別のトラックを選択して消してしまった時」の被害が甚大になる。用が済んだら早い段階でオフ、を心がけよう。編集が終わったトラックは南京錠マークをクリックしてロックしてしまうとなお安心だ。
現在の表示フレームを画像に書き出したい
▶ ファイルメニュー>書き出し>現在のフレームをスチルとして
現在のフレームの表示内容を別のシーンに使いまわしたい
↑上記方法で書き出したスチルをメディアプールに読み込んでも良いが、もっと簡単な方法がある
▶ カラーページへ移動。ビューワーの上で右クリック「スチルを保存」
クリップの状態(設定)をテンプレとして保存したい
同じフォント、サイズ、シェーディングのテキスト+を別のプロジェクトにも使いたいときなど。
▶ メディアプールの右上の「…」から「パワービンを表示」を選んでパワービンを表示する。
そのなかに設定済のクリップ(例えばテキスト+)をD&Dで放り込む
使う時はパワービンからD&Dしてタイムラインに乗せれば良い。
複数のプロジェクト間をまたいで使用できる。
クリップ名はリネームできるが、英数字記号のみで日本語は使えない。
Fusion
作成
素材なしの状態からクリップを作る
▶ メディアプールから「新規Fusionコンポジション」
コンポジションが作られていないといくらノードをいじっても何も表示されない
操作
ビューワの視点移動/ズーム
▶ マウスの中ボタンドラッグ/CTRL+ホイール
ノードの視点移動/ズーム
▶ マウスの中ボタンドラッグ/CTRL+ホイール
ノードを個別に有効/無効
▶ Ctrl + P
ノードを格子状に整列したい
▶ 右クリック>配置ツール>グリッド
ノード/エフェクトを名前で即座に探す
▶ Shift + Space
日本語名ノードだと逆に面倒かも。英語とどちらでも検索できるようにしてほしいなあ
テキスト
文の内容、カラー、大きさ、配置、字詰めなどを編集したい
▶ インスペクタの「テキスト」タブ
中心ずらし、回転(3D回転)、背景(全体)
▶ インスペクタの「レイアウト」タブ
回転は「レイアウト」「変形」「シェーディング」ですべて別のパラメータ。機能もほとんど変わらない。混乱しないように出来るだけひとつのみにしぼって触ったほうがよさそう
文字を太くしたい/縦に伸ばしたい
▶ Boldフォントを選ぶ
▶ 変形タブ
▶ シェーディングタブ>サイズ-X/Y
文字を縦か横にぼかしたい
▶ シェーディングタブ>ソフトネス
文字を傾けたい(イタリック)
▶ 変形タブ
▶ シェーディングタブ>シアー
文字を縁取りたい(アウトライン)
▶ シェーディングタブ>エレメントを選択
→2にRed Outlineがあるので有効にし、色とか太さとかを変える
文字を破線で囲みたい
▶ シェーディングタブ>エレメントを選択
→2にRed Outlineがあるので有効にし、プロパティの「線のスタイル」を破線にする
文字の影を落としたい(ドロップシャドウ)
▶ シェーディングタブ>エレメントを選択
→3にBlack Shadowがあるので有効にし、色とか太さとかを変える
▶ テキスト+にエフェクト>Tools>シャドウを適用する
テキストの背景に色のついた四角を置きたい(ザブトン)
▶ 背景(Background)とテキスト+をマージする
単純に考えるならコレだが、実はテキスト+単体でも作れる↓
▶ シェーディングタブ>エレメントを選択
→4にBlue Borderがあるので有効にし、色とか太さとかを変える。
文字単位ではなくテキスト全体にかけたいなら「レベル」を「テキスト」にする。
同じように少しだけでかいザブトンを5におけばザブトンの縁取り(アウトライン)になる。
1文字ごとに色や大きさやフォントを変更したい(文字単位のスタイリング)
▶ テキスト欄を右クリック>挿入>文字単位のスタイリング
→文字をヴューワから選択し、以降モディファイヤーで変更
1文字ずつ個別に動くアニメーションを作りたい
▶ テキスト>右クリ>フォロワー(文字ごとにモディファイアーをかける)
→(モディファイヤー)タイミング>遅延、たとえば5(文字ごとに5フレーム遅らせる)
→シェーディング>位置:オフセット>右クリ:モディファイヤー:ベクトル結果
→(変形タブあたりに位置をずらすパラメータがあればよかったけど実質ずらす方法がここしかない)
→(ここもアニメカーブを直接指定できればよかったのだが)
→Vector on フォロワー>角度を90(上方向)に、距離を右クリ>アニメカーブ
→アニメカーブでイージングとかいじる
位置ではなく、たとえばフォントサイズとかなら2段かまさなくてもフォロワーからアニメカーブに直接いける
個別に動かなくて良い(全体)なら、フォロワーすら要らない
文字を曲線(パス)上に並べたい
▶ 「レイアウト」タブ>レイアウト>種類 ポイントをパスに変更
→ビューワにパスを描く(パスはSmooth(Shift+S)でなめらかにできる)
→テキストタブ>端から表示 を変更して1文字ずつ出すことも可能
テロップの文字を少しずつ表示したい
Text+の機能で1文字ずつ表示することはできるが、カクカクするのでおすすめしない。
▶ 素材を選択
プレビューウィンドウの左下のメニューから「クロップ」を選択
枠を操作して右端から全クロップした状態でキーフレームを打ち、N秒後に全解除した状態でキーフレームを打つ
これでカーテンを開けるようなアニメーションで順次表示させることができる。
ペイント
画面に自由に線を描きたい
▶ ペイント>ヴューア上のアイコンから「MultiStroke」
→マウスで線を描く
背景から繋げば背景の上に線が、MediaInから繋げば映像の上に線が乗る
線のみを使いたい場合(タイムライン上で重ねたい)場合は黒い背景から繋いでアルファをゼロにする。ペイント単体だと表示されない。また背景は黒くしないと色が出てしまう。
映像に写り込んだ物体を消したい(隠したい)
▶ ペイント>ヴューア上のアイコンから「CopyPolyLine」(CopyElipse、CopyRectangleでも可)
→消したい部分を囲む
→インスペクタの「ソース」をずらす
→「ソフトネス」で境界をなじませる
画面内の別の範囲から画像を持ってくる方法。丁度よい感じの背景がないと違和感なく隠すのは難しい。
▶ ペイント>ヴューア上のアイコンから「Stroke」
→インスペクタの「適用モード」を「クローン」
→コピー元の位置をALT+クリック
→消したい箇所をマウスでなぞる
Photoshopのスタンプツールとほぼ同じ
画面内のある範囲から別の範囲へコピーしたい
▶ マスクで切り抜いてマージするのがいいかも
図形(四角Rectangle/楕円形Elipse/多角形Polygonなど)
色のついた図形を置く/図形に色をつける
▶ 図形のあとに背景(Background)を接続する。背景の色を変えれば図形の色が変わる
実際のところ図形は図形を描くものではなくて、その図形の形をした「マスク」である。つまり、その形に切り抜くことしかできない。背景に接続し、それを図形の形に切り抜くことで「図形の形をした背景」が出来上がる。
逆にいうと背景でなくてもよく、動画を置けば動画が図形の形に切り抜かれる。
枠線(縁取り)のみ描きたい
▶ 「境界線の幅」を増やし、「フル」のチェックをはずす
四角の角を丸くしたい
▶ 「角の丸み」を増やす
図形を線が囲うような(縁取りの線が動くような)アニメーションをしたい
▶ 「位置」と「長さ」にキーフレームを打つ
長方形/真円に固定したい
→エクスプレッションを参照
星型★を配置したい
▶ Textツールで★と入力する(おすすめ)
▶ 多角形(Polygon)で星型を描く。
▶ Effects>Tools>形状からsStarとsRenderを接続する(sシリーズはsRenderがないと出力されない)
矢印→を配置したい
▶ Textツールで→と入力する。(おすすめ。Wingdingsフォントなどを使うともっと良い)
▶ 多角形(Polygon)で矢印を描く
エクスプレッション
エクスプレッションに使われているスクリプトはLua言語。なので… 四則演算ができる。a*bなど
各ノードはオブジェクト扱いとなり、ノード名がそのままオブジェクト名になる。日本語名にした場合でも同じ。ピリオドでメンバにアクセスする。メインテキスト.StyledTextなど。
位置を指定したいならPoint(<x座標>,<y座標>)
テキストを指定したいならText(<文字列>)
条件分岐したいならiif(<条件>, <then>, <else>)※ifではなくiif
長方形/真円に固定したい
▶ 幅のラベルを右クリックして「エクスプレッション」を追加
→[+]アイコンをドラッグして高さラベルの上にもっていくとふたつのパラメータが同期する
円は真円、四角形は画面の縦横比に固定される(四角形はフレームサイズが基準になっていることに注意)
ちなみに幅をHeight*2と入力するとつねに2:1の楕円に固定される。
幅/高さを他のオブジェクト(テキストなど)と合わせたい
例えばテキストなど、入れた文字数によって幅が変わるノードの、幅を取りたいとき。
<テキストノード>.Output.DataWindowでImgRectI = { left, bottom, right, top }(単位:ピクセル)が取れる。
<テキストノード>.Output.DataWindow.right - <テキストノード>.Output.DataWindow.leftで幅(ピクセル)が取れる。
<テキストノード>.Output.OriginalWidthでノードの全体幅(=フレームの幅)が取れるので
(<テキストノード>.Output.DataWindow.right - <テキストノード>.Output.DataWindow.left) / <テキストノード>.Output.OriginalWidthでフレームに対する割合の幅が取れる。
この値を別のエクスプレッションで別ノードの幅として設定すれば良い。
AとB(とC...)のどちらか大きい方
math.max(<A>,<B>(,<C>...))
小さいほうはmath.min()
(テキストを)点滅させたい
テキスト+であれば、シェーディングタブのプロパティの「不透明度」を定期的に増減させれば良いので、ここにエクスプレッションを仕込む。
※設定>合成>不透明度でも不透明度の調整はできるが、なぜかここにはエクスプレッションが仕込めない。
0~1を1秒ごとに往復させるのであれば式は(cos(pi * (time / comp:GetPrefs().Comp.FrameFormat.Rate))+1)/2となる。
0.5秒で一周期させたいなら(cos(pi * (time / comp:GetPrefs().Comp.FrameFormat.Rate)*2)+1)/2。
解説:timeは現在の秒数。comp:GetPrefs().Comp.FrameFormat.Rateはタイムラインのフレームレート。ここからcosを使いサイン波を計算する(sinだと0(=完全に透明)スタートになってしまうので、1スタートのcosを使用する)。サイン波は-1~1なので+1して半分にしてやれば0~1の値が取り出せる。
この方法だと縁取りやドロップシャドウなどのシェーディングを追加している場合、それぞれにエクスプレッションを仕込む必要が出てくるかもしれない。またテキスト以外を点滅させる方法は検証中。
パラメータの調べ方
調べたいノード、例えばText+を置いてから右クリ>マクロの作成>新規作成とすると、ノードごとのすべてのパラメータ名とパラメータのラベル名(日本語)が一覧で表示される。「Styled Text」なら「StyledText」のようにキャメルケースの命名規則となっている
なおタブ名/カテゴリ名は関係ないようで、レイアウトタブにある「センター」も「<ノード名>.Center」で取得できる
「種類」の列に型名が表示されているので、さらにスクリプトリファレンスのほうを確認すればどんなメンバを持っているのかを調べることができるかもしれない また、とりあえずテキスト+を置いて、エクスプレッションに調べたいパラメータをセットすれば目的のパラメータの内容をリアルタイムに確認することができる。
ただし、表示しているテキスト+自身のパラメータは正常に表示されないことがある。
メインメニューのワークスペース>コンソールでコンソールを表示するとエラーが起きたことはわかるが、詳細は表示されないのであんまり役に立たない(少なくともエクスプレッションについては)。
参考資料
dump(resolve:GetHelp('Timeline')) -- Timelineクラスのヘルプ表示
マクロ
複数のノードをまとめて「マクロ」としてファイルに保存しておける。ファイル拡張子は「.setting」。
まずFusionページで普通にノードを組む。
出来上がったらMediaOutを除いたすべてのノードを選択し、右クリック>マクロ>新規作成を選択。
パラメータ一覧が表示されるのでここで「ユーザーにいじらせたい」パラメータを選んでチェックする。どのパラメータを出してどれを隠すかはかなり重要で、なるべく汎用性を持たせたマクロにするには慣れが必要。
マクロ名称を決めるにはダイアログの「マクロ名」を変更する。(これはファイル名になるのでスラッシュやバックスラッシュやコロンなどは避けたほうが良い)
これをWindowsならC:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Blackmagic Design\DaVinci Resolve\Support\Fusion\Templates以下にEditフォルダを彫り、さらに役割に合わせてGenerators、Titlesなどを掘ってその中に保存する(初期フォルダではないので注意)。
再起動すると、エフェクトのEffects/Templatesツリー以下に表示される。
マクロの実体はテキストファイルで、実はテキストエディタで編集できる。マクロを何度も作りなおすのはかなり面倒なので、パラメータの並びが気に入らないときはファイルの内容を直接編集してしまうのも手。中をみればなんとなくわかると思う。
昔作ったマクロがエラー出て動かない!ってときは、「消したフォントを指定していないか」「今は無い外部マクロを呼び出していなかったか」などをチェックすると良い。
マクロを再編集したい
▶ マクロファイル(*.setting)をテキストエディタで開き、頭のほうにあるMacroOperatorをGroupOperatorに書き直して保存。
→ Resolveで開くと編集可能になっているので、編集して保存。
エフェクト
ワイプ(ピクチャー・イン・ピクチャー)を作りたい
▶ エフェクト>ツールボックス>DVE
→タイムラインに2つの動画を縦(2トラック)に並べて、片方にDVEを適用する
? 自前のFusionクリップでタイムライン上に並んでいる2つ以上のメディアを参照できるのだろうか
縦横比の違う動画の隙間を埋めたい(黒帯以外で)
▶ エフェクト>OpenFX ブランキングフィル
→動画の一部か全体を伸ばして背景を埋める
(図形もしくは)フレームの外周にそって暗い影のグラデーションをかけたい(ビネット)
▶ エフェクト>Resolve FX スタイライズ>ビネット
必ずフレーム全体にかかるわけではないことに注意。例えば円にかけると円周状にグラデがかかり、球っぽい見た目になる。ただし縦横比(アナモルフィック)はフレームを基準にしているようなので、調整が必要。
レトロカメラの雰囲気を出すのによく使われる効果。
逆光が差しているような効果を出したい
▶ エフェクト>Resolve スタイライズ>ブラー(プリズム)
通常のブラーとは違って、アウトラインが黒くなるような逆光効果が得られる。
テキスト以外の素材にふちどり(アウトライン)
▶ エフェクト>素材>「アルファマットの拡大縮小(モーフィング処理:拡大)」→背景→素材にマージ
テキスト+なら「シェーディング」タブ(テキスト参照)
テキスト以外の素材に影をつける(ドロップシャドウ)
▶ エフェクト>ResolveFX スタイライズ>ドロップシャドウ
テキスト+なら「シェーディング」タブ(テキスト参照)
複数の動画をひとつの画面に並べたい
▶ タイムラインに動画を複数並べてそれらを選択して右クリ「新規複合クリップ」
→Fusionページで開くと各動画がMediaInの「レイヤー」で取り出せる
→各マージの前にエフェクト>ResolveFX トランスフォーム>ビデオコラージュをそれぞれ挿入
→「タイルを作成」に切り替え後、タイルをクリックして位置を設定
→各動画の間隔など調整
複合したあとに元に戻す方法はわからん。フレームのずらしはできないのかも
モザイクをかけたい
スクリーン全体にかける場合
エフェクトパネルからOpenFX>フィルター>ResolveFX ブラー>ブラー(モザイク)を対象のクリップにドラッグ
ただしエディット画面だけではマスクがないため(変形やクロップで元絵全体も変形してしまう)、一部分のみにかけるということができない。
部分的にかける、かつ対象移動しない、あるいは単調な移動な場合
対象のクリップを右クリしてFusionで開く。
EffectsパネルからTools>OpenFX>Resulve ブラー>ブラー(モザイク)をMediaIn1とMediaOut1の間に配置。
シェイプ(楕円形など)を置いてブラーモザイクの青ピンに繋げる。位置を形状を調整。
動かす必要があればキーフレームを打つ。
一時的に消したい時は設定タブ>ブレンドを0にする。
移動する物体に追従(トラッキング)する必要がある場合
カラータブに移動
タイムラインの中からモザイクの必要なクリップをクリックして選択
ノード(線で繋がっている画面)を右クリックしてノードを追加>シリアルノード。増えたノートをアクティブにしておく。
円形のアイコンの「ウィンドウ」を選択
ウィンドウパネルから□、◯など形状をクリックして選ぶ。複数選んで重ねがけすることもできる。もう一度クリックするとオフになる。
エフェクトタブを開き、アクティブなノードにResolveFX ブラー>ブラー(モザイク)をドラッグ。
位置と形状を調整。消したい場合は全体のブレンド>ブレンドを0にする。
トラッカーパネル(照準みたいなアイコン)を開き、再生(トラッキング)ボタンを押すと勝手に移動を検知してウィンドウも移動してくれる(対象を見失ったら止まる)。やりなおしたいときはパネル右上のやりなおしボタンを押す。
その他
MediaIn/MediaOutを消してしまった
▶ Effects>Tools>入出力>メディア入力/出力から持ってくる
Fusionで合成の途中を見たい
▶ ノードを選択して1キー / 2キー
▶ ノードの下にある●●をクリックする
▶ ビューワーにドラッグして投げ込む
ノード設定をデフォルトに初期化したい
▶ インスペクタ右上の「リセット」ボタン
▶ ノード右クリ>設定>デフォルトをロード
現在のノード設定をデフォルトにしたい
▶ ノードを右クリ>設定>デフォルトに保存
デフォルトに保存しておくと次回同じノードを挿入したとき同じパラメータ設定で挿入される。
ぜひテキスト+のデフォルトを日本語フォントにしておきたい
あまり凝った設定にするのは使い勝手が悪くなるのでおすすめしない。その場合はパワービンに保存したほうが良い
レイヤーつきPSDをレイヤー保持したまま取り込みたい
▶ Fusionメニュー>Import>PSD
でかい素材を画面サイズに合わせる
▶ 「リサイズ」ノードを追加するだけでフレームサイズに縮小する
あまりにでかい素材はメモリの無駄のほか端が切れたりするので取り込む前に適当に縮小したり切り抜いたりしておくこと
すでに繋がれている線の間にノードを挿入する
▶ ノードを追加するときに線の上にドラッグし、色が変わったら離す
▶ 置かれているノードをSHIFTを押しながら線の上に移動し、色が変わったら離す
必要に応じて自動でマージノードも追加される
点線で直線/曲線を描きたい
▶ テキスト+で「●」を書いてそれをパス上に並べるのが一番手っ取り早い(テキストを参照)
▶ 他の方法として、ペイントツールでPolylineStrokeを選びブラシコントロールで形状を●、ストロークコントロールで間隔を開けると点線ができるが、使い勝手が悪いのでこちらの方法はおすすめしない
オブジェクトの動きに合わせてラインを引く
▶ 先にセンターのパラメータにキーを打って動きをつくる(この時点でパスが生成される)
→モディファイヤータブ>パス1>「右クリックして…」を「パブリッシュ」する。「ポリライン」ができる
→多角形(Poly)を追加
→右クリックして形状をアニメートを右クリック>接続>ポリライン サイズを0.5
→境界線の幅を上げれば線になる 長さにキーを打てば線も伸びる
なお動かした側の「角度」をパスの「方向」に合わせれば移動中に角度が連動する
スプラインカーブをなめらかにする
▶ ピンを選択してShift+F
▶ 右クリしてスムース、あるいは「イーズ」サブメニューから適当に選ぶ
集中線を作りたい
▶ 「ファストノイズ」で雲を作る
→横を目一杯(Xスケールに100とか入力)圧縮して縦線をつくる(ここで横線を作ると同心円になります)
→「座標空間」エフェクトを適用し直交座標から極座標変換して円形にする
→「明度/コントラスト」エフェクトで線のエッジを立たせる
→中心付近をマスクする
Fusionクリップ内で使われている素材をあとから差し替えたい
▶ 対象のクリップをFusionで開く。
→対象の素材の上にMediaPoolからD&Dする。
なお、差し替える前後の素材サイズが違っている場合大きく内容が乱れるのでおすすめしない
画像サイズによらず差し替え可能な素材ノードを作るには、フレームサイズを指定した「背景 Background」を用意してマージすることで、フレームサイズが確保される。
Fusionで作ったクリップの素材が黒く抜ける(レンダリング中エラーが出て止まる)
最初に作ったFusionクリップの長さをあとから伸ばしてませんか?
▶ 対象のクリップをFusionで開き「キーフレーム」パネルを表示する
→Zoom In Fitボタンを押して全体を表示させたとき、フレームが抜けている箇所がないか確認する
→抜けている場合はドラッグしてクリップの最後まで伸ばす(伸ばせるなら)。
動画が元素材のときは伸ばせないかもしれない。その場合は別の方法があると思う(しらんけど)
こういうことがあるのでFusionクリップは最初に十分な長さで作っておくのが無難(10秒以上)
カラー
ノードを追加
▶ ALT+S
レイヤーを追加
▶ ALT+L
新規ノード+合成ピン を同時に作る
特定の色を別の色に差し替えたい
▶ カラーワーパー
→蜘蛛の巣マークをクリック、左下の解像度を上げておく
→ヴューをスポイトで取ると近い色が選択される
→ドラッグして色変更
▶ クオリファイヤー
→スポイトマークをクリック
→ヴューをスポイトで取ると色範囲が指定される
→ノードを見ると色がマスクされている状態がわかる
→RGBミキサーで色変更
なおどちらか片方しかできない
特定の色を「範囲指定して」別の色に差し替えたい
▶ 上記+ウィンドウ
→楕円マークをクリック
→範囲を指定
さらに動画に合わせて移動(追尾)させたい
▶ 上記+トラッカー
→でも手作業でキーを打つのはかなり大変。有料版なら自動追尾エフェクト(トラッキング)があるはず
美肌効果(ザラザラを消す)
▶ プライマリーカラーホイール
→右上の「ミッド」を下げる
→細部が潰れてのっぺりとなる
肌だけカラーマスクしたほうがいいかも
現在のフレームを画像に書き出したい
ビューワーの上で右クリック「スチルを保存」
→メディアプールに残るので右クリ「書き出し」
デリバー
字幕ツールで字幕を入力したのに出力したビデオに字幕が表示されていない/字幕を動画に表示したい
字幕の使用には注意が必要。「字幕について」を参照のこと。それでも動画に埋め込みたいなら…
▶ 書き出しの設定の一番下の「字幕」で「ビデオに焼き付け」を選択(デフォルトではOFF)
完成したビデオの決まったタイミングでブロックノイズが乗る。
素材やタイムライン上で確認しても出現しないノイズが出力結果に乗るなら、それはエンコーダー設定の問題である可能性が高い。
一番怪しいのはキーフレームのタイミング。シーン切り替え等で大きく画面が変化する(動いてるシーンから急に真っ白な画面に切り替わるなど)タイミングがキーフレーム上に乗ってないとノイズが発生しやすい。
個人的な動画制作のポリシーとして、シーン切り替えは「秒」グリッドのタイミングで行うようにしている。こうしておくと、30FPS、キーフレーム30の動画制作においてシーン切り替えがキーフレームに乗る。やむを得ずずらしてしまったときにやはりノイズが発生することが多い。
基本的にキーフレームは頻繁である(つまり間隔が短い)ほど高画質であるとされている。キーフレームを自動(30)から15に変更すると治るかもしれない。そのぶんファイルサイズも膨れ上がるが。
ほかにもそもそも解像度や品質設定が低すぎる場合などもノイズが乗るかもしれない。
ネタを思いついたら追記する。