AviUtlとDavinci Resolveの連携
2つのソフトを併用することの利点
Fusionでアニメーションがいろいろできるとはいってもインフォグラフィックスや2Dベクターアニメーションのようなゴリゴリ動かす系になってくるとやっぱり作業の負担が大きい。一方AviUtlはスクリプトがネット上に異常なほど充実しておりこれらを活用してサクッと作ってしまったほうが時短につながる場合が往々にしてある。
よってAviUtlで数秒程度の短いクリップを作って都度出力し、Davinciでつなげるという方法がおすすめ。Davinciの強みである豊富なトランジション(シーン切り替えエフェクト)、強力なFairlightを活用しつつAviUtlの強みの派手な動きを取り入れることができる。
制作時の注意点
クリップの長さ(+前後のマージン)の確認
ナレーションやBGMにあわせて動画を作りたい場合、はじめにDavinciで音声を並べて各シーンの長さを確認してからそこに当て込む素材をAviUtlで作る、という流れになる。
素材を作るときは前後に1秒、最低でも0.5秒のマージンを取っておくこと。そうすることでDavinciの強みであるトランジションが活かせる。トランジションは対象の2つのクリップのそれぞれ0.5秒ずつをのりしろとして必要とする(もっと短くもできるが、0.5のままがベスト)。
各カットの長さをどうとるか
カットを細かく取る(=素材となる動画の個数を多くとる)と、最初の1回の出力の手間が多くなる。
一方、あとから「必要な部分だけ修正」が楽になる。再レンダリングも速い。
何度も修正を重ねる可能性がある場合、カットをできるだけ細かく取り、最初に面倒な思いをしておいたほうがあとあと楽になる可能性が高い。
しかし、トランジション効果などもAviUtlで自作したいときなど、作り込んでいったら結果的に1本素材になってしまったなんてことはままある。
それでも音関係ではDavinciのほうが有利なので併用する意味が全くなくなるわけではない。
テロップ(テキスト)はどちらで入れるか
基本的に、Davinci Resolveのほうがテキスト機能の性能が高く、フォントがきれいに出る。
Davinciならベースライン、縁取りやマクラ(文字の下に敷く四角的なもの)など設定できる項目が多く、仕上がりが良くなりやすい。また「巨大なフォント」を動かすのがAviUtlでは苦手だがDavinciでは問題なく動かせる
ただしAviUtlでもカーニング調整はできるし、画像化なども併用すれば巨大なフォントを動かすこともやってやれないことはない。
テロップ(出演者やキャラクターが喋っている内容を画面に出す)用途ではDavinciのほうがいいだろう。テロップは頻繁に修正が入る箇所であるため、2手戻る必要があるAviUtlでは厳しい。
一方で文字自体を動かしたり特殊なエフェクトを足す必要がある場合はAviUtlで加工したほうが良いこともある。
判断が難しいのが「MVにおける歌詞表示」で、リリックビデオのように文字を派手に動かすならAviUtl、シンプルに画面の端に目立たないように乗せるだけならDavinciのほうが向いている。
目安として、DavinciでテキストにFusionを適用する必要を感じたら、AviUtlに戻ったほうが良いだろう。
AviUtlから素材出力時の注意点
H.264 MP4で出力する
AviUtlからの素材書き出しはH.264 MP4が無難。Nvidiaグラボを使用しているならNVENC対応のプラグインがおすすめ
アルファつき(RGBA)で書き出せるとさらに便利なのだがMP4では不可能なようだ
音声無しで出力する
出力時には音声なしチェックをオンにする。
理由1:音声関係はAviUtlよりも断然に高機能なDavinci側のfairlightに任せてしまったほうが良い。
理由2:Davinciの不便な点だが動画クリップのD&D時に音声トラックが勝手に選択され既存の内容は上書きされる。(一応Alt+ドロップで回避することはできるが)不慮の事故を防ぐためにも無音クリップとして出力しておいたほうが良い。
Davinciへ取り込み時の注意点
プロキシメディアに変換する
プロキシメディア化は絶対にやっておいたほうがいい。編集時のストレスがまるで違う。タイムラインに置く前にメディアプール内で右クリックして行う。