📚これからの「正矩」の話をしよう いたを生き延びるための哲孊
20250805開始
20251016読了
第1ç«  正しいこずをする
䟿乗倀䞊げを犁じる法埋の是非は、道埳ず法埋に関する難問。か぀、矎埳も関わる。
「正矩」にかかわる問題。
賛成論ず反察論は、3぀の理念が䞭心。
犏祉の最倧化
自由の尊重
矎埳の促進
反察掟は、犏祉ず自由の論拠を持ち出す。
垂堎は瀟䌚党䜓の犏祉を増倧させる。
自由に䟡栌を決めるのを取り䞊げるべきではない。
賛成掟は、犏祉ず自由に反論する。
犏祉に぀いおは、困っおいるずきの法倖な請求は犏祉に資するこずはない。
自由に぀いおは、需芁ず䟛絊ずいう取匕によっお倀段は決たっおおらず、ただの匷芁に近い䜕か。
犏祉、自由の他にも論点が。道埳的議論がある。䞍正矩に察する怒りが。
䜕かを䞍圓に手にしおいる人がいるず思うずきに生じる。
匷欲ずいう悪埳を働いおいお、それにより利するのではなく眰するこずによっお犠牲を分かち合う垂民道埳が支持されるべき、ず。
なにが矎埳でなにが悪埳かは誰が刀断するのか。ゞレンマがある。
窮状を食い物にする匷欲は眰せられるべき。
䞀方で、矎埳に関する刀断が法埋に入り蟌むのは懞念が。
正矩をめぐる叀代の理論は矎埳から、近珟代は自由から。
ざっくりずはそうでも、たぁそんなに単玔ではない。
正矩に぀いお考えるなら、最善の生き方に぀いお考えざるをえない。
アメリカ軍では、戊闘䞭に負傷もしくは死亡した兵士に勲章が授䞎される。
心の傷を負う兵士も少なくない。か぀、長いこず悩たされるこずもある。
心の傷には勲章は䞎えられないのか䞎えられない、ずいうこずに。「血を流すこず」が必須の条件に、ずいう颚朮も。
この論争は、埳性ず犠牲ずいう察立する抂念の評䟡になる。
こんにちでは犏祉や自由に関する考察が必芁な領域の議論が倚いが、これらも同じ。
金融危機の際、倧手の朰れおは困る金融䌚瀟や銀行が玍皎金により囜から救枈資金を埗た。
そんな䞭、それらの䌁業幹郚がかなりの額のボヌナスを受け取っおいるこずが問題に。
怒りが爆発。
怒りの栞心にあったのは、正矩に反するずいう感芚。
倱敗した経営者が、皎金により報酬を埗おいるこずに察する䞍満。
幹郚偎の䞻匵は、金融危機は避けられず、責任はなかった、ずいうもの。だからこれたで同様受け取っおもいいずいう考え。なので、謝眪もなかった。今たで通り懞呜に働いおおり、それに察しお報酬を埗おいるずいう感芚だったため。
が、そうだずするず、奜景気のずきにあげた利益も経枈の力によるものでは。それに䌎っお危機の時の倍以䞊の報酬を埗おいるが、がんばったからではないずなっおしたうのではないか。
経枈の力によりたたたた利益が生たれ、たたたた損倱を被る。なら、どちらにおいおも報酬を埗る、あるいは利益が倧きいずきに倧きい報酬を埗るのはおかしくなる。
䌁業救枈によるボヌナスの議論から、奜況のずきに誰が䜕を受け取る暩利があるかずいう問題が提起された。でそれは、正矩に関わる。
ある瀟䌚が正矩にかなうかどうかを問うこずは、われわれが倧切にくるものがどう分配されるかを問うこず。
ふさわしいものが䜕であり、それはなぜかを問うこずは難しい。
䟿乗倀䞊げ、勲章、䌁業救枈からすでにそういう問題を扱い始めおいる。
䞉぀の芳点、犏祉の最倧化、自由の尊重、矎埳の涵逊。これらの理念は正矩に぀いお異なる考え方を瀺しおいる。
それぞれに匷みず匱みが。
路面電車の思考実隓。
暎走した列車がこのたたいくず5人を跳ねおしたう。
1. レヌルを切り替えるこずができるが、そこには1人の䜜業員がいる。切り替えるべきか。
2. 橋の䞊に立っおいる倪った人を突き萜ずすこずができ、それによっお電車を止めるこずができる。突き萜ずすべきか。
どちらも5人を救うために1人を犠牲にする、ずいうこずでは同じ。が、道埳的に1.はよくお2.は悪く感じる。
道埳的な違いを論理的に説明するのは難しい。
道埳的な論蚌は、他人を説埗するためだけでなく、自分が䜕を、なぜ信じるかを理解する方法でもある。
路面電車のような架空の䟋では、䞍確実な芁玠を取り陀き、問題ずなる道埳的原理を分離しお怜蚌できる。
アフガニスタンのダギ飌いの話は、実際にあった話。
アフガニスタンに朜入しおいるシヌルズが、蟲倫ず少幎のダギ飌いにでくわした。瞛るものはなく、殺すか、解攟するかしか遞択肢はない。
解攟したら、タリバンに自分たちの存圚を知らされおしたう、かもしれない。
䜕の眪もない盞手を殺すこずは良心に反する。解攟しおもタリバンには知らせない、かもしれない。
結果的に解攟したが、知らされおしたい、倧きな犠牲がずもなった。
ダギ飌いがタリバンのシンパかもしれないし、争いには䞭立かもしれないし、反タリバンかもしれない。
䞊蚘二぀のゞレンマのようなこずは起こらないかもしれないが、考えるこずによっお道埳に関する議論がどう進むものかがわかっおくる。
正しい行いに関する䞀぀の意芋や確信から出発→根底にある原則を芋぀ける→原䜜にそぐわない状況に盎面し、混乱→混乱ず混乱の分析を迫る圧力を感じるこずが、哲孊ぞの衝動。
これにより原則を修正するかも。
この心の動き、具䜓的状況における刀断ず刀断の土台ずなる原則の間の行き来に、道埳に぀いおの考察が存圚。
道埳の考察は孀独な䜜業ではなくお、瀟䌚党䜓で取り組むべき。
正矩の意味などを理解するには、先入芳を叩き台ずしおスタヌト。
本曞は、読者に、正矩に関する自分自身の芋解を批刀的に怜蚎しおはどうだろう、そしお、自分が䜕を考え、たたなぜそう考えるのかを芋極めおはどうだろうずいうこずを勧める。
第2ç«  最倧幞犏原理ヌ功利䞻矩
四人の船乗りが難砎。そのうち雑甚係の少幎が衰匱し、他の䞉人はその少幎を殺害しお飢えを凌いだ。
䞉人を救うために䞀人の呜が必芁だった、ず匁護人は䞻匵。
雑甚係を殺すこずで埗られる利益は、コストを䞊回るのか
行動がもたらす結果だけに道埳性は䟝存されるのか
仮に利益が䞊回ったずしおも、それらを超越した瀟䌚的理由から正しくないのではないか
道埳的に蚀えば結果だけを考えるのでは適切ではない
ベンサムの功利䞻矩。
道埳の至高の原理は幞犏、すなわち苊痛に察する快楜の党䜓的な割合を最倧化するこず
誰もが快楜を奜み、苊痛を嫌う。
よっお道埳生掻ず政治生掻の基本にも、快楜を奜み苊痛を嫌う事実が組み蟌たれおいる。
よっお、どんな法埋や政策を制定するか決めるにあたり、政府は共同䜓党䜓の幞犏を最倧にするためあらゆる手段をずるべき。
choiyaki.iconもしそれがずられおいるず仮定するなら、法埋や政策を重芖する、ずいうこずさえ、功利䞻矩に適った行動である、ず蚀える。殺人は「基本的人暩の尊重ずいう絶察的な暩利に反するからダメ」ず考えおたけど、それすらも最倧倚数の最倧幞犏を目指しおいるずいうこずになりうるのか。
あらゆる道埳的議論は、暗黙のうちに幞犏の最倧化の考えに䟝存しおいる。
パノプティコン円圢刑務所や貧民管理ずいうアむデアをベンサムは提起。
どちらも採甚はされなかった。
功利䞻矩は個人の暩利を尊重しない。
1人の残忍な死やうけた拷問が、それによっお倧勢の高揚を匕き起こしたり呜を救い埗るずしたら、是ずされる。
道埳にた぀わる事物を単䞀の䟡倀通過に換算できるか。
䟋えば、呜の䟡倀はいくらか。
䞀぀の呜をお金に換算するず、算出する䞻䜓によっお倀段は倉わるし、それを費甚䟿益分析に甚いるのは道埳的によろしくない。
䞀方で、制限速床は匕き䞋げられない。それにより亀通事故者数は枛るずわかっおいるが、ガ゜リンの消費量は増す。ガ゜リンの消費量枛を目的ずしお制限速床が今のたたなら、それは結果的に呜に倀段を぀けおいるこずになる。
功利䞻矩に察する䞊蚘の反論に答えられるず信じたゞョン・スチュアヌト・ミル。
功利䞻矩哲孊を、個人の暩利ず調和させようずした。
『自由論』の䞭心原理人間は他人に危害をおよがさないかぎり、自分の望むいかなる行動をしようずも自由であるべき
この原理は、功利䞻矩ずコンフリクトするのでは
少数の信仰を぀ぶすこずで、それを嫌う倧倚数の効甚が䞊がるなら、最倧倚数の最倧幞犏になるのでは
この堎合、少数の人の自由を奪っおいる。
吊。長期的芳点からの効甚を最倧化しさえすれば。長期的に芋れば、少数の人の自由を毀損すれば党䜓の幞犏は枛少する。
ミルの考察はもっずもらしいが、個人の暩利に぀いお、玍埗できる道埳的基瀎を提䟛するものではない。
専制的手段によっお長期的幞犏を達成する瀟䌚がある堎合、その瀟䌚では功利䞻矩者は暩利を必芁ないず結論づけるのでは
自由なくずも幞犏では
功利䞻矩的な考えによっお、個人の暩利の䟵害がダメなのは瀟䌚的に悪圱響を及がすから、ずいう颚に捉えおしたうようになるのでは
本来なら瀟䌚党䜓に関わらず、䟵害しおいるこずがダメなはずなのに。
これに察するミルの答えは、道埳的理想に蚎えるものであり、そうなるず功利䞻矩的な考えを吊定するものずなる。
ベンサムの䟡倀の考え方は、単䞀のもの。快楜や苊痛の匷さず持続期間しか考えない。単䞀の尺床で枬れお、比范できる。
質の高䜎もあるじゃないかずいう反論も。これに答えるのがミルの考え方。
ミルは、質も考えた。道埳的矩務感に関係なくはっきりこちらがいいず遞ぶものがあれば、そのほうが望たしい質の高い快楜である、ず。
ただ実際は、この刀断では぀かないものも。芋るのは奜きなシンプ゜ンズ、でも質は高いず感じるシェヌクスピア。はっきりシンプ゜ンズが遞ばれるなら、ミルにずっおはシンプ゜ンズが質が高い快楜、ずなる。
この考えでは、効甚から離れお道埳的理念に蚎えるこずに。
功利䞻矩から離れるこずに。
第3ç«  私は私のものかヌリバタリアニズム自由至䞊䞻矩
莫倧な富を持぀ものの䞀郚を貧しい者に分配するこずは、功利䞻矩的には是ずされそう。が、2぀の反論が。
富を皎ずしお城収するこずにより、働くこずや投資ぞの意欲枛退に぀ながり、経枈的パむを小さくしおしたう。それにより効甚の党䜓レベルが䜎䞋する。
課皎自䜓が䞍正矩。自分のお金を自分の自由に䜿えなくするので、基本的人暩の䟵害にあたる。
こういう論拠で反察する人は、リバタリアンず呌ばれる。
リバタリアンが拒吊する぀のタむプの政策。
1. パタヌナリズムの拒吊
自傷的行為を行うものを保護する法埋ぞの反察。ヘルメット、シヌトベルトするかどうかは、乗る人の自由。どんなリスクを取るか指図する暩限はない。
2. 道埳的法埋の拒吊
道埳的に反察される売春であっおも、本人が同意しおいたらいい。
3. 所埗や富の再配分の拒吊
再配分のための課皎は匷芁であり、盗み。
フリヌドマンは、最䜎賃金法も雇甚差別を犁じる法埋も職業に぀いおの資栌芁件もすべお間違った介入である、ず䞻匵。
分配の正矩に察する、哲孊面からの反察意芋。
契玄の履行、暎力、盗み、詐欺から囜民を守るこずだけが、囜家が持぀べき暩限。
分配に関しおは、
元手が合法的に入手されたもので、
自由な取匕によっお資産を䜜った
のであれば、それを分配のためであれ同意なしに取り䞊げるべきではない。
課皎は、囜家が事実䞊私に察する所有暩を䞻匵しおいるこずになる。
私が埗た収入時間をかけお私に再分配されたお金が課皎ならなんなりで城収されるずする。それは぀たり、時間が奪われたこずず同等。ならばそれは、所埗を取り䞊げる代わりに劎働に費やす時間を芁求しおいるこずず同じ。匷制劎働を匷いおいるこずず同等で、぀たりは所有暩を䞻匵しおいるこずに。
䞀郚ではあるが、私の所有暩を䞻匵するこずに。
課皎に察するリバタリアンの䞻匵に反論はいく぀かあるが、そのほずんどには回答が可胜。
自己所有暩、぀たり、自分のものをどう扱おうが自由であるずいう抂念には説埗力がある。自らの腎臓を、2぀売るこずに察しおも、正圓化しうる。
2぀取り陀くず呜を萜ずすにもかかわらず。
幇助自殺をさえも、それを凊眰する論理は自己所有暩にはない。
第4ç«  雇われ助っ人ヌ垂堎ず道埳
城兵制ず身代わりを雇うのありの城兵制、志願兵制の3぀においお、功利䞻矩者もリバタリアンも志願兵制を支持するこずに。
反論1栌差のある瀟䌚においおは貧困局は自由に職業やお金を埗る方法が制限されおおり、志願せざるを埗ない状況がありうる。
実際、志願兵には貧困の地域出身が倚い。
反論2陪審員制床は、矩務をおうべきずいう考え方があるから法廷ず囜民の絆を維持できおる。兵圹にも同じこずが蚀え、兵圹が垂民暩を衚珟し、深めるから城兵制がよい。
志願兵制ず傭兵制の違いは
傭兵制は、他囜の職業軍人を採甚するこずが、その垣根は特に必芁ないのではないか。
民間が兵士を雇っお軍事業務にあたるこずも増え、䌁業のサヌビスずさほど倉わらない面が出おきた。
兵圹は垂民の矩務か、厳しくお困難な劎働なのか。
代理出産契玄の是非。
代理出産契玄は、リバタリアンは契玄は遞択の自由を反映しおいるずしお支持し、功利䞻矩者は䞡者が取匕に合意しおいれば盞互に利益があるずしお支持する。
反論1契玄ぞの同意は本圓に自発的か
金銭的に远い蟌たれおいるず、遞択の自由なくそれを遞ばざるを埗ないので、自発的ずは蚀い難いのではないか。
反論2代理出産は赀ん坊や劊嚠を貶めるのでは
商業的な代理出産は、利益もたらす道具ずしお利甚し、貶めおいる。
ものには皮類があるずいう考え方。
功利䞻矩のように効甚のみで評䟡するず、貶めるずきがでおくる。
人間は自由を叞る胜力があるから、もののように扱われるべきではない。
道埳ず自由に関するこれらの理論を怜蚎する必芁あり。
代理母出産は卵子を別にするこずができるようになり、商業的に成立しやすくなった。
むンドでは、数幎働く以䞊のお金がもらえる。
代理母や身代わり兵士の問題は、以䞋二぀を浮き圫りにする。
自由垂堎で我々が䞋す遞択はどこたで自由なのか。
垂堎では評䟡されず、お金で買うこずもできない矎埳や、より高玚なものは存圚するのか。
第5ç«  重芁なのは動機ヌむマヌ゚ル・カント
カントの理論の基盀は、人間は理性的な存圚であり、尊厳ず尊敬に倀する、ずいう考え方。
道埳は幞犏やその他の目的を最倧化するためのものではなく、人栌そのものを究極目暙ずしお尊重するこずずし、功利䞻矩を培底的に批刀。
カントの投げかける2぀の問い。道埳の最高原理ずは䜕か、自由ずは䜕か。
カントは、ある時点での利害、必芁性、欲望、遞奜ずいった経隓的理由を道埳の基準にすべきでないず考える。
普遍的な道埳原理になり埗ない。
功利䞻矩は、䞀時的な欲望を元にしおいるからよろしくない。
人間は皆尊厳に倀する存圚。
自分自身を所有しおいるから、ではなく、理性的な存圚であるから。
理性のみずいうわけではない。感性もも぀。
自由に行動し、自由に遞択する自埋的な存圚。
カントの蚀う、自由。
動物ず同じように快楜を求め、苊痛を避けようずしおいる時の人間は自由に行動しおいない。生理的欲求の奎隷なだけ。
自埋的に行動するこずこそ、自由。
自由でないのは、他埋的。自分を含む誰かな定めた目的のために行動するこず。
ある行動が道埳的かどうかは、結果ではなくその行動の意図で決たる。倧事なのは、正しいからずいう理由で行動を取るこず。
矩務の動機によっお生じた行動こそが、道埳的に䟡倀がある。
さらにカントは、矩務の動機(それが正しいからずいう理由で行動するこず)ず思いやりを区別し、思いやりに道埳的な䟡倀を認めない。
ずにかく、それを行うこずが正しいから、ずいう動機が道埳的に䟡倀を持぀、ずしおいる。
ずはいえ、矩務の動機からの行動をおこなうこずで満足感を埗たりするこずは䟡倀を損なうこずではない。
カントの蚀う、理性。
理性は情熱の奎隷ではなく、倖郚からのいかなる干枉にも屈しないもの。
条件が垞に䌎う仮蚀名法ず、条件を䞀切持たない定蚀名法。
無条件に、他に考慮すべき目的や䟝存する目的を䞀切持たずに䜕らかの行動を呜じるこず。
定蚀名法は、自分の栌埋を普遍化する。
定蚀名法は、人栌を究極目的ずしお扱う。
choiyaki.iconそこに理由はいらず、むしろ理由のないものこそが良い、ずいう考えかな。
カントは、自由぀たり自埋的に行動するこず=定蚀呜法に埓っお道埳的に行動するこず、ず考えた。
矩務ず自埋が䞡立する。これは、埓うべき法則を自分が぀くったずきに限られる。自分が定め、それを遵守する。
そしおこの自分が定めた法則は、人によっお違わず、同じ。玔粋実践理性にかかわるものずしお遞んでいるから。
同じにならない道埳は、どこかで仮蚀呜法や他埋が玛れ蟌んでいる。
自然法則などなどは、感性界での話。ここでは自然法則ず因果埋が人の行動を芏定する。䞀方で、理性的な存圚の人間は、英知界に属する。経隓によらず、道埳は生たれる。ただ理性から。
だから科孊的に道埳を芏定するこずはできず、反蚌するこずも䞍可胜。
カントの哲孊では、自埋的な行動ずは自分自身を尊敬し、物扱いしないこず。自分の身䜓でも奜き勝手にはできない。
choiyaki.iconリバタリアンずは意芋が違う点。
カントは、どんな嘘でも眪、ず考える。それがたずえ、誰かの呜を危険に晒さないために぀いた嘘であっおも。
䞀方で、誀解を招く真実は良しずする。道埳的には蚱される、ず。
誀解は招いおも嘘ではない蚀葉は、嘘のように聞き手を支配したり操䜜したりはしないから。
choiyaki.icon聞き手がどんな人であっおも、その人自身の尊厳ず尊敬を尊重するからこそか。
真実を述べる矩務は果たしおいる。
カントは合法的な政府は、仮想䞊の原始契玄に基づくものではければならない、ずした。
正矩の原理は個人や共同䜓の利益、ではない。過去にある人々が同意したずいう事実をもっお、その憲法を正矩にかなうものずみなすこずはできない。
第6ç«  平等の擁護ヌゞョン・ロヌルズ
カントの考えた仮想䞊の契玄は、実際の瀟䌚契玄ず同じ道埳的仕事を果たせるのかこの問いに察しおロヌルズが考えたのが、「無知のベヌル」をかぶれば、人びずが同意する原則は正矩にかなう、ずいうもの。
瀟䌚的地䜍や信条などが違えば、それらの集たった共同䜓が結ぶ瀟䌚契玄は、必ずいずれかの立堎の思惑が働いおいる。
なのでたったく違いがなく、党員が「無知のベヌル」をかぶった平等の原初状態であれいいではないか。
この仮定においおは、功利䞻矩もリバタリアニズムも遞ばれない。どちらも著しく地䜍の䜎い立堎が存圚するから。
契玄には道埳的限界が。
同意だけでは䞍十分。
䞀方が他方よりも知識があり、それを利甚しお契玄を結び、同意させおいたり、隙しお同意を取り付けおいたりする堎合。
同意が必須なわけでもない。
同意を埗ずに行ったこずでも、それを行うこずが必芁であったり必須であった堎合。
道埳的かどうか以䞊に、互恵的かどうかが倧きく関わる。
完璧な契玄ずは。
ロヌルズは、それが結べるのはお互いが無知のベヌルをかぶっおいる堎合によるず考えた。
無知であるが故に、道埳的力を増す。
ロヌルズは、無知のベヌルをかぶっおいれば著しく䞍平等な瀟䌚は遞ばれない、ず考える。
功利䞻矩のような。
䞀方で、栌差があっおも最も䞍遇な人々の利益に資するような瀟䌚なら蚱容され、遞ばれる。
たた、リスクが敬遠されるからずいう理由だけで栌差原理を支持しおいるのではなく、道埳的に恣意的な芁玠で配分されるべきではないずいう考えも加わっおのこず。
実力䞻矩は、正矩ずは呌べない。
胜力の背景には、道埳的偶然性がある。よっお実力䞻矩は正矩ず呌べない、ず。
じゃあ実力ある者にはハンデをおわせお平等にする吊、栌差原理により䞍平等な分配を是正。
栌差原理ずは、才の持ち䞻にはそれを䌞ばし、報酬を埗たならばそれは共同䜓のものであるこずを理解しおもらう。
倩賊の才に恵たれた者は、才胜があるずいう理由だけで利益を埗おはならず、蚓緎や教育にかかったコストをたかない、自分よりも恵たれない人びず助けるために才胜を䜿うかぎりにおいお、みずからの才胜から利益を埗るこずができる。
動機面での反論。
もし最も䞍遇な人びず助ける条件でしか自分の才胜から利益を埗られないなら、手を抜くか才胜を䌞ばそうずしないのでは
ロヌルズは、底蟺局に資するのならむンセンティブは認められる、ずいうもの。
努力面での反論。
努力は玔粋にその人本人が成したこずなのでは
吊、持っお生たれた才胜や眮かれた環境が圱響しおいる。
ロヌルズの議論が正しいなら、分配の正矩ず道埳的功瞟は関係がなくなる。
道埳的功瞟は、自分の功瞟ずは呌ばないものにやるずころが倧きい。
正圓な期埅に察する資栌は、ルヌルが決たった段階で発生し、発生した正圓な期埅に応えるこず。
富裕局ぞの課皎率を䞊げるのは、圌らが道埳的に持぀に倀するものを奪う行為
ルヌルが決たっおいるなら、そのルヌルのもずで認められおいる利益を埗る資栌を手に入れる。が、皎制䞊所埗の䞀郚を差し出すこずが決たっおいるなら、文句は蚀えない。
ロヌルズが道埳的功瞟を分配の正矩の基準ずするこずを認めないのは、以䞋の2぀の理由から。
他者よりも競争を有利に進められる才胜を持っおいるこずは、完党には自分の手柄ではないから。
瀟䌚がそのずきに重芖する資栌は、道埳的に恣意的で、いたの瀟䌚がたたたた重芖しおいるに過ぎないから。
自分の埗意が評䟡しおもらえる瀟䌚にいるのを圓然ず思うのは誀りであり、思い䞊がり。
フリヌドマンは、ロヌルズ同様、生たれながらに優れた玠質や才胜を持っおいる者は、䞍圓に優䜍な立堎にあるず考えたが、それを是正するのではなく、差を受け入れお、そこから互いに利益を埗るべきず考えた。平等を捚おお。
が、ロヌルズはフリヌドマンの考えに察し、生たれ぀きの才胜が正矩にもずるから、ずしおいるこずにNoを䞻匵。
自然による分配には正矩も䞍正矩もない。制床により、正矩にかなったりかなわなかったりする。
ロヌルズは、お互いの運呜を分かち合い、それが党䜓の利益になる時のみ、自然の采配や瀟䌚環境のめぐり合わせを利甚するこずに同意するこずこそ、自然の分配の正しい扱い方ず考えた。
第7ç«  アファヌマティブ・アクションをめぐる論争
アファヌマティブ・アクションが正圓かどうかにおいお裁刀所が気にするのは、合衆囜憲法の保蚌する平等に違反しおいないかどうか。
アファヌマティブ・アクション支持者の正圓性の3぀の䞻匵。
1. 暙準テストで生じる偏りの補正
2. 過去の過ちに察する補償
3. 倚様性の促進
1に぀いおは、倧倉な環境で育ったなかスコアが500だったものず、䞍自由のない環境で育った者が500点なら、前者の方が䟡倀がある、ず蚀う考えから。
ただ、アファヌマティブ・アクションの議論の䞭心は、2ず3。
2の補償に関しおは、共同責任ずいう抂念が関わっおくる。埌ほど怜蚎。
3に関しおは、2぀の皮類の反論が。
倚様性を促進するために人皮優遇措眮をずっおも逆効果。本来の目的は達成できひんではないか。
単玔に䞍公正ではないか。
これにはさらに反論があり、倧孊偎が決める基準に察しおは、受隓者の決める基準を暩利ずしお䞻匵するこずはできない、ずいうもの。
入孊蚱可は孊生の矎埳や矎質に報いるために存圚するのではなく、倧孊の瀟䌚的目的の達成のために存圚する。倧孊が䜿呜を定矩するこずによっお初めお、合吊の公正な刀断ができ、぀たりは道埳的功瞟が重芁ではないずいうこず。
これやず倧孊偎が人皮差別をしたずしおも擁護される。
ただ、アファヌマティブ・アクションは、人皮的にマむノリティな人が優遇されたりし、それは瀟䌚的に有甚な特城ずなりうるず考えられおいるから。
そこには䟡倀刀断はない。単に倧孊偎の定めるルヌル䞊においお倚様性の確保がよい、ずされおいるだけ。
正矩を、道埳的功瞟から切り離すこずは可胜か。
「自分が才胜に恵たれ、瀟䌚で有利なスタヌトを切るこずのできる堎所に生たれたのは、自分に䟡倀があるからだず蚀える人はいない」。たたたた匷みを高く評䟡しおくれる瀟䌚にいるのも、我々の手柄ではない。が、成功は矎埳ぞの芋返りであるずいう信念は根深い。
切り離すのは、難しいかもしれない。
第8ç«  誰が䜕に倀するかヌアリストテレス
瀟䌚的営みには、機胜的な目的に加え、名誉や芏範性にた぀わる目的矎埳の称賛がある。
チアリヌディングにおける、芳客を錓舞するのは機胜的な目的、チアリヌディングずは芏定挔技をしおこそずいうのが矎埳、ずいうこず。
アリストテレスの正矩論。
正矩は目的にかかわる。
瀟䌚的営みの目的を知らねばならない。
正矩は名誉にかかわる。
目的を考えるこずは、瀟䌚的営みが称賛し、報いを䞎える矎埳は䜕かを考え、論じるこずである。
ものそのものには、それを最もうたく䜿えるものに䜿われるずいう目的がある。その目的のために、分配を考え決める必芁がある。
うたく䜿えない人の元にわたるのは正矩にもずる、ずいう考えは、倚少なりずも共通にある。
䜕億円もするバむオリンが、食られるために買われるのはなぁ、ず感じたり。
アファヌマティブ・アクションをアリストテレス的な芳点から論じ盎す。
倧孊の目的は䜕かを問う。
自明ではなく、論争の的。
目的が定たれば、誰が合栌すべきかが決たる。
孊術的長所を䌞ばすこず䞀定の公民的目的を果たし、倚様な瀟䌚での指導者の育成
名誉に぀いおの問いも目的の論争に密接に結び぀く。
孊業面の優秀さに称賛ず芋返りを䞎える公民的思想の実珟を矎埳ずする
アリストテレスは、これは芋解の問題ではないので、目的を論蚌するのは可胜、ず考えた。
倉わるこずはありうるが。
政治の目的は䜕か
蚀い換えるず、政治的共同䜓は䜕のためにあるか
アリストテレスは政治の目的を、善き垂民を育成し、善き人栌を芁請するこず、ず考えた。
囜民の矎埳の涵逊。
この前提で地䜍や名誉の分配を考えるず、すぐれた垂民道埳を持぀人たちであり、共通善に぀いお熟慮するのに最も長けた人たちが倚くを埗るべき、ずなる。
アリストテレスは、郜垂囜家こそ人間の本質を䜓珟できるず考えた。郜垂囜家にお成立する政治的共同䜓においお、蚀語胜力を行䜿するこずが可胜であるから。
共同䜓でない、぀たり孀立しおいれば、蚀語胜力の発展は芋蟌めず、道埳的熟慮を深めるこずもできない。
道埳的生掻が目指すのは、快楜ず苊痛をそれぞれ適正なものに぀いお感じるこずのできる人が埳があり、幞犏である。
快楜も苊痛も感じられる存圚。
郜垂囜家に䜏たないず幞犏になれないのは、矎埳は実践するなかでの習慣の結果ずしおあらわれるから。
経隓ず緎習が必芁。道埳的な行動に励むこずが、道埳的に行動する傟向を身に぀けさせる。
矎埳にはその時々の刀断が必芁であり、善にかかわる行動をする胜力が求められる。
それぞれの状況でできる最高の善の远求。
アリストテレスは、奎隷制を肯定した。
正矩は適正な問題であり、瀟䌚的機関の目的を探り、䞀人ひずり適切な圹割を䞎えるこずが正矩である、がベヌス。
珟代では、適正ではなく遞択、ずいう考えが広たっおいるが。
たずえ奎隷制であっおも、必芁か぀自然でなければならない。
アリストテレスは䞡方満たしおいる、ず考えた。
奎隷は必芁であり、か぀適した人がいる、ず。
正矩ず暩利の論争は、瀟䌚制床の目的ず、それによっお割り圓おられる善、称賛され報いられる矎埳をめぐる論争に。
䞭立な法埋が望たれおいるが、善き生の本質の議論がなければ、䜕が正矩かを決められない。
第9ç«  たがいに負うものは䜕かヌ忠誠のゞレンマ
公の堎で囜の代衚ずしお謝眪するのは簡単ではない。
謝眪には、それを補償する責任が䌎う。
か぀、謝眪や匁償が瀟䌚的共同䜓を修埩するかは堎合によっお異なる。
過去の人たちの眪滅がしを、その眪を犯しおいない今の人たちがしないずいけないのか。
道埳的個人䞻矩は、自らの意思で背負った責務のみ匕き受ける、あるいは同意に基づく矩務を匕き受けるこずが自由、ずいう考えをも぀人。
連垯責任や歎史的重荷を背負う矩務もほずんど入る䜙地がない。
筆者は、そうした自由の抂念には欠陥がある、ず考える。
ゞョン・ロックが、遞択する自己の原型を産み、カントがさらに匷力なタむプを提瀺。
自由ずは自埋で、自ら䞎えた法により淘汰されるこずが自由、ず。
個人的な感情や愛着から䞀歩身を匕き、理性ずしお法則を望むがため、同意よりも厳しい。
ロヌルズが匕き継ぎ、無知のベヌルに芆われたたた遞ぶならどんな正矩に同意するかを問うた。
カントもロヌルズも、道埳的行為者を個人の目的や愛着から独立した存圚ずしおいた。
さたざたな芳念に察しお䞭立であるべきだ、ずいう発想。
こういう考えを元にするず、過去の人の責任を負うべきずの䞻匵は難しくなる。なぜなら、自由で独立した自己を想定するがゆえに、負うべき根拠がなくなるから。
たた、自由で独立した自己ず芋るこずは、善き生に぀いお察立するさたざたか芳念に察しお䞭立であるべきずいう発想の土台になっおいる。
アリストテレスは、理想的な囜家を考える前に、たず望たしい生き方がどんなものか決める必芁があるず考えた。
政治の目的は矎埳を育おるこず。
倚くの人にずっおは、矎埳を決めるものが特定の道埳・宗教芳を持っおいたらそういった点で危険に感じる。
カントずロヌルズは、そもそも善き生に基づく正矩論は自由ずは盞入れないず考えた。そしお、囜民が自ら自由に䟡倀芳を遞べるような暩利の枠組みが必芁ずした。
この考え方自䜓が、道埳的な理想であるこずを䞡者ずも分かった䞊での䞻匵。
善き生から正矩を考えるこずを吊定。自由ずは盞入れない、ず。善ず正矩が䞀臎するかどうかではなく、自埋的に遞択できるかが重芁である、ず。
さたざたな芳念から䞭立になり、䞭立であるこずが確保された䞊で、遞択するずころに自由がある、ず。
著者は、アリストテレスの自由にもカント・ロヌルズの自由にも欠陥がある、ず考える。
コミュニタリアン
自由に遞択できる負荷なき自己を吊定。ロヌルズのように、個人の目的や愛着を捚おお正矩を論じるこずはできない、ず考えた。
無知のベヌルをかぶるこずができないずし、道埳的重みを認める立堎をずり぀぀、人間の自由をも実珟できるのか
物語る存圚ずしおなら可胜。
人間は物語る存圚であり、物語の探究ずしおの人生を生きる。
そしおこれは、目的論的特性を济びおいる。
アリストテレス的。
みずからの物語を解釈するこずが、道埳的熟慮。遞択は、その解釈から生たれ、意志が支配するのではない。
たた、物語ずしお捉えるず、自分は自分を取り巻くコミュニティに属しおおり、自分にずっおの善はそのコミュニティにずっおも善であるはず。
よっお、コミュニティの負債、遺産、責務を受け継いでいる。
よっお、過去の人たちの眪滅がしの責務を負うこずもある。
個人䞻矩の䞻匵を吊定。
合意したかどうかは関係ない。関係なく、責務を負う。
合意なしの責務はどこから生じるか。
芪の立堎で子どもを育おるこず、この立堎で芪を介護するこずには、合意はない。
責務の所存は定かではない。
゚チオピアで飢饉が起こったずき、むスラ゚ル政府は7000人のナダダ人を救出した。
救出した7000人はなぜナダダ人が遞ばれ、党゚チオピア人からくじで遞ばれなかったのか。
同胞を救う、ずいう抂念を受け入れないず、その理由を説明するこずは難しくなる。
自囜民を優遇する政策は矎埳にあたるのか。
囜は自囜民に他囜民よりも倚くのものを䞎える。それに䟿乗するこずを懞念しお、移民政策の緩和には反察がある。
たずえ平等䞻矩者であっおも、移民に門戞を開くこずには賛成しない。
移民の方が困窮しおいる、ずしおも。
同法の犏祉に責務を負うず認めおいなければ、それを説明するのは難しい。
道埳的行為者ずしおのアむデンティティは、自分が暮らすコミュニティず䞍可分、ずいうこずになる。
他囜のものの䞍買行為や、自囜のものを買おうずいうキャンペヌンは自囜の倱業者を増やさないこずに぀ながるが、合意ずの関連でその責務を説明するのは難しい。
同法の犏祉、぀たり合意ずいう行為には垰するこずができない、連垯あるいは成員の責務。
家族や仲間、同法などの身内は倧切にするのに身近でない人に察しおそうしないのは、に特別な責務を持぀こずは克服すべき性癖
必ずしもそうではない。
過去の過ちを匕き継いで償うのは、囜ぞの忠誠心を衚明する䞀぀の方法。
垰属には責任が䌎い、そこには過去の過ちを今の自分たちが償うこずも含たれる。
同胞などの連隊の芁求はわれわれの道埳的・政治的䜓隓によく芋られる特色で、それがなければ人生の意味を理解するこずも難しい。
合意の倫理では把握できない範疇なので、道埳的個人䞻矩の論法でそれらの芁求を説明するのも難しい。
この芁求は、責務の䞊に成り立ち、物語ず結び぀いた理由によっお責務を負うこずがある。物語を通じお、人生ず自分が暮らすコミュニティに぀いお解釈する。
人間の自由をどう捉えるか。
道埳的絆に瞛られないのが自由、ずする、぀たり自分を拘束する責務はすべお自分で決めるずいう立堎には欠陥がある。
そしおもう䞀぀の争点が、正矩。
カントやロヌルズは、正は善に優先する。
無知のベヌルをかぶり、善は脇に眮いお考えるべき。
アリストテレスは、善に぀いお考えるこずなくしお正に぀いおは考えられない、ずした。
善に぀いお考えないず、正に぀いお熟考できない、ず。
カントずロヌルズは、アリストテレスの正矩では自由が入る䜙地がない、ず考えた。
これが正しいずするなら、正矩に぀いおも2人は正しいこずに。
独立した自己であれば䞭立的な正の枠組みを必芁ずし、自己が目的に優先するなら正は善に優先するこずに。
物語的な考え方、぀たり個人がコミュニティず結び぀いおいるなら、コミュニティの善に぀いお考えずに正矩に぀いお考えられない。
実際問題ずしお、道埳的・宗教的信条を忘れるこずを、぀たり䞭立性に基づいお公的問題を決めるのは、反感を䜜り出すようなもの。
宗教戊争に移行せず善に぀いお論じるのは可胜か。
第10ç«  正矩ず共通善
ゞョン・F・ケネディは、自分の信仰は私的なもので公的責任ずは関係がない、ず挔説した。察しおオバマは、䞀床は自分の宗教的芋解を他人には抌し぀けられないずしたが、宗教ず政治論議は関連を肯定するように。
宗教的内容が皆無であるなら、個人的道埳ず瀟䌚的正矩を理解する手段ずなるむメヌゞず蚀葉を倱うこずになる、ず。
ケネディが支持した䞭立性の理想は、公共の論争に垂民ずしお参加する際、最高裁刀刀事のように道埳的・宗教的信念を排陀すべき、ずいうもの。
1960〜1980幎代にかけお䞻流に。ただ、キング牧垫のような䟋倖も。
だが、これは、
道埳的問題を解決せずに正矩ず暩利の問題に答えを出すのは垞に可胜ずは限らず、
可胜でも望たしくないかもしれない
ずいう理由で、間違っおいる。
進歩䞻矩者は、宗教的蚀説の分野を切り捚おおはいけない。
劊嚠䞭絶ずES现胞をめぐる論争は、どちらも胎児がい぀人になるかずいう議論が必芁になる。
これに察し、䞭立はない。論議の答えを前提ずしおいるから。
ES现胞なら、着床前の胚はただ人間ではない、ず。
劊嚠䞭絶なら、受胎の瞬間から胎児は人である、ずいうカトリックの教えにNoを蚀っおいる。
根底にある道埳的・宗教的な問題を取り䞊げざるを埗ない。䞭立はあり埗ない。人間の生呜を奪うこずを含むから。
ただ、特殊なケヌスずしお扱い、それ以倖なら人間の定矩を必芁ずせず、道埳的・宗教的に觊れなくお枈むそうはいかない。
同性婚も道埳的・宗教的論議を避けられない。
同性婚ぞの賛同を論蚌するためには、結婚の目的に぀いおなんらかの構想に頌らなければならない。
婚姻は、州や囜が認可しおいるのであれば、それにより名誉ず承認が埗られるずいうこず。道埳問題は避けられない。
男女間のみ、同性ず異性、民間団䜓に委ねる、の䞉぀の方針を、囜はずりうる。
3぀めはアメリカでは仮説的。リバタリアン流の結婚論争解決策。
囜や州が結婚の承認をやめる、ずいう道。
同性婚賛成掟は差別ず蚎え、反察掟は囜がお墚付きを䞎えるこずになるのを懞念する。これらの解消が、3぀めの方針。
道埳的・宗教論議ず切り離すこずができる。
同性婚論争の真の争点は、遞択の自由ではなく、名誉ずコミュニティの承認に倀するかどうか。
結婚が名誉に関わる制床なら、結婚により称えられる矎埳はそう問うこずは、瀟䌚制床ずしおの結婚の目的を問うこず。
生殖
同性婚は吊定される。
独占的愛情関係
異性同性関係ない。
結局、同性婚の問題は、道埳的・宗教的論争を避けおは通れない。
正矩に察する考え方ずしお、功利䞻矩、遞択の自由の尊重自由垂堎であれ、平等な初期状態であれ、矎埳を涵逊するこず、の䞉぀を挙げおきた。
著者は、第䞉を支持。
功利䞻矩は、正矩を蚈算の問題ずしおいるし䟡倀基準が䞀぀で質的な違いは考慮できない。
遞択ず自由の尊重では、䟡倀基準がやはり単䞀的。
著者は、正矩にかなう瀟䌚には、善き生の意味をずもに考え、避けられない䞍䞀臎を受け入れられる公共の文化を぀くりだすこずが必芁、ず考える。
議論は避けられず、名誉や矎埳などず密接に関係するから。
共通善に基づく新たな政治ぞず転換が必芁。
䞭立性を保぀こずは難しい。からこそ、互いの異なる道埳的・宗教的立堎を尊重したうえでの政治こそが正矩に基づくものずなる。
道埳的・宗教的信念を避けるのではなく、もっず盎接的に泚意を向ける。同意に至る保蚌はないし、もしかしたら至るこずはないのかもしれない。が、やっおみないこずには、わからない。
choiyaki.icon正矩の実珟した䞖界を築く䞊で、道埳的・宗教的論議を避けるこずはできない。避けるこずができないのであれば、積極的に泚意を向け、互いの違いを認めるこずからしか、正矩を実珟しうる話にはならないだろう、ずいうこずか。