黄体出血
出血性黄体嚢胞=?
排卵に伴って断裂した血管から出血し,血液が黄体内に貯留して血腫を形成して囊胞化したものである.出血性黄体囊胞は排卵後しばらくしてから下腹部痛の原因になることがある.出血性黄体囊胞は超音波検査でクモの巣状の像として描出されるため,卵巣出血は診断可能である.通常,排卵に伴って起こった出血は自然に止血する.時に外傷,性交などが誘因となって排卵による出血が止血されず,腹腔内に大量に出血をきたす場合がある.このような症例では急激に腹痛を起こし,時に吐き気や嘔吐を伴い,重症な場合ではショック状態に陥ることさえあるため,異所性妊娠と誤認されることもある.
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