悪性高熱症
揮発性吸入麻酔薬(ハロゲン化麻酔薬)であるセボフルランやデスフルランと筋弛緩薬(スキサメトニウム)の投与後
骨格筋細胞のリアノジン受容体を介したカルシウム誘発性カルシウム放出の異常により,細胞内カルシウム濃度が異常に上昇し,筋の強い収縮を起こす.代謝亢進のため,酸素消費量増加,二酸化炭素産生量増加(呼気終末二酸化炭素濃度上昇,呼吸性アシドーシス),乳酸産生(代謝性アシドーシス),体温上昇(15分間に0.5℃以上)を起こす.筋の収縮や横紋筋融解により,カリウム放出(高度の高カリウム血症による心停止),ミオグロビン放出(ミオグロビン尿,腎不全を起こす),クレアチンキナーゼ(CK)上昇が起こる.
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【だれ】
男性で多く,発症の年齢構成では10歳未満が最も多い.
【症状】
頻脈(120/分から160/分)
急激な体温上昇(37℃から40℃)
ミオグロビン尿と考えられる赤褐色尿(ポートワイン尿とも呼ばれる)
咬筋硬直(開口困難)→悪性高熱症
筋代謝の亢進,乳酸産生→代謝性アシドーシス
【治療】
ダントロレンは投与のタイミングが早いほど効果があるため,迅速な診断が重要