20250907 80歳代男性、1病日に入院した。
以下の設問について事前に検討してください。
設問1-4は担当の設問について当日グループ内でプレゼンテーションできるよう準備をしてください。
設問1 3病日の動脈血ガス分析について解釈してください。
pH7.37よりアシドーシス。
HCO3 15.0mmol/Lより代謝性アシドーシスか。
AG=139-112-15=12. AG開大なし→高Cl血性代謝性アシドーシス?
ΔHCO3 9mmol/L。
ΔpCO2 13.3mmol/L。pH低下に反応して呼吸中枢が刺激され、過呼吸を起こし、pCO2が低下. ΔpCO2=(1-1.3)×9mmol/L= 9-11.7mmol/L
uAG=Na+K-Cl=139+4.5-112=31.5mmol/L?
高Cl性代謝性アシドーシス?
【鑑別】
腎機能が落ちていて、腎臓からのHの排泄の低下が考えられる
下痢や輸液過剰はないか?
https://scrapbox.io/files/68b6cb9ffa68da057eff98b7.png
【だけど】一方で、Albが1.3g/dLと低アルブミン血症を認めている。アルブミンはother ainonに含まれる。AG上昇をマスクされているかも
<補正式>AG補正値=12(上記計算より)+2.5×(4.0-Alb)=12+2.5×2.7=18.75よりAG開大している
したがって、AG開大性の代謝性アシドーシス
乳酸も溜まっているし
設問2 細菌感染症について評価をしてください。
WBCは2病日に16.1と最大値になるも、急激に減少している
3日目にBandが31>15%で、分葉核球Segの半分より多い。=左方移動を認める
入院時は、中等度の細菌感染があるか
また、その後左方移動も進行して、細菌感染症が重症化している
CRPも急激に上昇している
4病日の時点で重症感染症
PLTは、細菌感染症であるにも関わらず、1病日は基準範囲内、その後急激に減少している。
PT-INR、APTT延長
D-dimer高値
敗血症
リンパ球分画も減少
骨髄球や後骨髄球などの幼弱好中球が血中にでてきており、左方移動が進行している
<左方移動の鑑別>(血中の好中球減少)
➀ウイルス感染による血中の好中球数減少、②薬剤などによる無顆粒球症、③大量出血
これらはCRPが陰性もしくは軽度陽性(1-3mg/dL)なので、今回の症例の左方移動の原因としては細菌感染症によるものとして矛盾しない。<RCPC本田より>
設問3 細胞傷害とその原因について検討してください。
<腎>
Cre、UNともに上昇しており、腎障害を認めるか。CKD
UN/Cre比=30.7(1日目)>10より、
UN上昇:消化管出血(上部消化管?)、蛋白異化亢進
腎臓におけるUNの再吸収増加:有効循環血液量の減少(心不全、腎不全)
<肝>
4病日にAST、ALTが上昇。急性の中等度の肝細胞傷害(ALT 130-500U/L)が起こったか。ウイルス性、薬剤性、自己免疫性、(アルコール性 AST/ALTが2倍になることから否定的。)が鑑別。ALT>ASTより細胞全体というよりは肝障害
ビリルビンは正常範囲内。溶血、肝細胞傷害、中枢胆管・胆道閉塞なし?
<胆管・胆道>
ALP、γGT上昇なし 直接Bil=胆道、間接Bil=肝臓
<細胞傷害>
LD、CK上昇
CK-MBは上がっていないので心臓ではなく骨格筋障害?
AMYは基準範囲内
設問4 血液・凝固検査について評価をしてください。
<血液>
1から2病日にかけてHbが2g/dL上昇しており、輸血が行われたか、濃縮?(脱水!!)=Hb,Cre,BUNの変動より
その後貧血が進んでいる。MCVは保たれており、正球性貧血。鑑別は急性出血(消化管出血ならUN参考に)、溶血(2病日に高Kあり。だけどBillは正常範囲内、、、)
<凝固>
PT延長
APTT延長
Dダイマー上昇
DIC、血栓症、敗血症、血管炎症候群(急性の進行であまりあわない)、SIRS、重度の肝障害、ビタミンK欠乏症
設問5 上記の設問1-4を踏まえ、全体としてどういう病態であったか検討してください。
2病日になんでHb・K上昇しているんだろう?脱水?点滴していそうなのに。輸血したのかな。うーん。腎排泄がうまくいかないせい?でKが溜まってしまった。
尿路感染症・腎盂腎炎とかになって入院→敗血症っぽくなったのかな?
【みんなの話し合い】
Albの減少=血管透過性の亢進?
Hb上がる→脱水
感染症がある
→火傷?
血圧低下(ショック)に伴って、肝酵素が増加
鑑別には薬剤性もあるがγGTが上がっていないから、まあショックに伴うものだろう
CK、Kの上昇は火傷のせい?
AMYはなんでさがったんだろう
熱傷(低Alb性)→細菌感染症→敗血症(乳酸アシドーシス、肝機能障害、腎機能障害)
【松本先生より】
1.動脈血ガス分析
Step1 アシデミア
Step2 代謝性アシドーシスが一次変化
Step3 補正AGを計算、補正HCO3
Step4 ΔpCO2=1.2×ΔHCO3
Step5 乳酸アシドーシス、低酸素血症なし
2.細菌感染症
1病日はあるとしても極初期
2病日はWBCは増加傾向、CRPも増加傾向
Albは急激に低下
細菌感染症とすると、好中球の消費<供給であり、アルブミンの低下と乖離している
3病日はWBC減少と左方移動、血小板減少、Alb減少
4病日はさらにWBC減少、供給が追いついていない
代謝性アシドーシスも進行し、循環不全も考えられる。ショックが起こっていてもおかしくない
まとめ:1-2病日は少なくとも重症感染症ではない。3病日は重症
3.細胞傷害
1-2病日:AST、LD、CKが上昇し、骨格筋障害。LD/AST比からは溶血の要素?外傷を第一に考える
3-4病日:LDが再上昇。AST・ALT・CKが上昇している。肝細胞傷害+骨格筋障害
感染症を疑った場合、どこにあるのか考える。ルーチン検査からもわかることがあるよ。
肝胆道系の可能性は低く、結果としての上昇
4.
Hb15で輸血は考えられない。MVCをみても輸血っぽくはない
血管内脱水*炎症に伴う異化亢進
細菌感染症
血管の透過性亢進によるもの
【検査値のまとめ】
<1病日から2病日にかけて>
Alb低下・腎機能低下・Hb上昇→血管の透過性亢進
CRP上昇→受診直前の炎症所見
凝固・線溶亢進→血管内の炎症
CK上昇
<3病日以降>
Albのさらなる低下→異化亢進
腎機能改善・Hb低下→補液による希釈∵➀有効循環血症量減少→腎前性腎不全、②蛋白漏出、③炎症性サイトカイン
左方移動、CRP上昇→細菌感染症
凝固・線溶亢進→DIC
CK上昇→再度骨格筋障害
AST/ALT上昇・代謝性アシドーシス→ショック
【症例提示】
80代男性
両下肢・背部の熱傷
15時頃受傷
気道開通
呼吸数16、SpO2
Burn index 35.75
2病日に血圧低下→輸液、NA点滴
<4病日>
朝から酸素化が悪化したため気管挿管を施行された
意識レベルの低下と血圧低下もあり、敗血性ショックと診断され、抗菌薬(MEPM+VCM)が開始された
昼過ぎに無脈性電気活動(PEA)に移行し、家族来院の後に死亡確認された
翌日、血液培養からE.coliが分離された
【出題意図】
全身熱傷のため救急搬送され、敗血症性ショックのため死亡した患者のルーチン検査の結果を検討した
熱傷の診断は病歴、身体所見が重要であることは言うまでもないが、熱傷の際にルーチン検査がどのように変動するのかを知っておくことは必要である
予想される変動から逸脱した際に、新規に別の病態が重なっていないかを想定し、病態を理解することが求められる
【考察】
<血液ガス分析>
3病日から代謝性アシドーシスが増悪している
病歴を踏まえると、敗血症に伴う血圧低下を反映していると考えられる
3病日以降はさらに代謝性アシドーシスが増悪し、ショックの病態となっている
<細菌感染症>
第3病日からNAの増量が必要な状態であった
ルーチン検査では、この時点で敗血症を疑うべき異常が多項目で確認されている
経時的なCRP上昇は全身熱傷で説明がつくが、白血球減少、左方移動の出現は好中球の消費を反映しており、熱傷では説明が困難であった
<細胞傷害>
1病日からの骨格筋障害は熱傷によるものであった
3病日以降に再度CKが上昇している。熱傷部位の処置の結果と考えられる
4病日の肝細胞傷害は、敗血症性ショックを反映しているため、感染のフォーカスとして肝胆道系の可能性は低い
<血液・凝固>
Hb上昇とAlb低下が同時に起こる病態として熱傷が考えられる。その他に、脱水+炎症に伴う異化亢進でも同様の動きを示すと考えられる
重症熱傷では凝固障害を合併する頻度が高く、臓器不全の発生頻度や死亡率の増加と関係している。1病日から2病日にかけて凝固亢進所見を認めるが、熱傷によるDICには至っていない。
4病日には敗血症に伴うDICと考えられる
<まとめ>
1病日から2病日にかけては広範囲熱傷に特徴的な検査結果の変動を示している
3病日には臨床的にカテコラミン需要の増加という病態変化があり、ルーチン検査では敗血症書記を疑う変化を認めた
臨床経過とルーチン検査を合わせることで、より正確な病態把握が可能となる
【Take home message】
本日のRCPCを通して、ルーチン検査を解釈することの重要性を確認してほしい
まずはRCPCを学び(講演会、勉強会、書籍)、基本的な解釈の仕方を身に着ける
日々、目にする解釈データを同じように見る習慣を付けると、短時間で全体の解釈ができるようになります
読めるようになっていれば、患者さんが救命できたかもしれない。
検査を読める医師大事だよね
弘前大学富田先生
右室胸部誘導をとろう
右室梗塞を伴う下壁の急性心筋梗塞
治療は??大量輸液
禁忌となる薬剤:血管拡張薬
AS:大動脈弁通過血流速度
AR:Austin Flint murmur=相対的な僧帽弁狭窄。逆流ジェットがMV前尖にぶつかる
MS:ほとんどがリウマチ性。OS,1音亢進、拡張期ランブル。弁の肥厚、可動制限、DDR低下
MR:弁形成術
心臓腫瘍といえば、粘液腫Myxoma。左房に好発。IL-6、炎症所見
IE:感染、塞栓、心不全をちゃんとコントロールしよう
1.High ボルテージストレインパターン、左室樋地あ
2.➀
TAVI後 :左室に負荷がかかっている 左室肥大→完全さ客ブロック
大動脈弁の直下に左脚が走っている
3.高K
徐脈、P波消失、テント状T
熱中症、ARBちゃんとのむ、果物はたべる
失神、めまい
4.洞調律✖ P波なし、V1でf波がある
心房細胞でRR間隔生=房室ブロック
5.⑤ 左右手のつけまちがい。Ⅰ誘導でひっくり返っている。P波が下向きになることはあり得ない。QRSが反対
AVRとAVLが逆
〇
歯磨きVT、貧乏ゆすり