血球貪食症候群
<参考>朝倉
【概念】
骨髄、リンパ腫、肝臓、脾臓などの網内系組織において、マクロファージなどの組織球が血液細胞を貪食し、著明な血球減少を生じる
【疫学】
【病因・病態】
<全年齢を通じて最多基礎疾患>
EBV関連疾患(29%)
EBV以外の感染症(24%)
リンパ腫(19%)
自己免疫性疾患(9%)
【症状】
持続性の発熱
肝脾腫による腹部症状の急激な進行
出血傾向=紫斑
点状出血などの皮下出血
鼻粘膜、口腔粘膜、肛門などからの粘膜出血
【診断】
➀発熱
②脾腫
③2系統以上の血球減少(Hb<9.0g/dL, Plt<10万/µL, 好中球<1000/µL)
④高トリグリセリド(>265mg/dL)or 低フィブリノゲン血症(<1.5g.L)
⑤骨髄、リンパ節、脾臓にみられる特徴的な血球貪食細胞
⑥NK細胞活性の低下もしくは消失
⑦高フェリチン血症(>500µg/L)
⑧可溶性IL-2受容体上昇(>2400U/mL)
以上のうち5項目をみたすもの
→基礎疾患の検索
悪性腫瘍、EBV関連
→EBV初感染か否か
既感染の場合:EBV陽性腫瘍である慢性活動性EBV感染症、アグレッシブNK細胞白血病、免疫不全に伴うリンパ増殖症
【治療】
ステロイド
エトポシド
シクロスポリン
造血幹細胞移植