アレルギー性鼻炎
<20231107講義塚田>
〔概念〕アレルギー性鼻炎は,鼻粘膜のIgE依存性のⅠ型アレルギーで起こり,副交感神経機能亢進状態により,鼻汁・くしゃみ・鼻閉をきたす.
【症状】3徴
発作性再発性のくしゃみ
鼻漏(水様性)
鼻閉
【分類】
通年性アレルギー性鼻炎
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
【有病率】
50%
10代のうちに約半数がスギ花粉症を発症
【アレルギー反応の分類】
Ⅰ型アレルギー。抗体:IgE。メディエーター:ヒスタミン、ロイコトリエン 【発生機序】
感作だけでは発症しない。
樹状細胞が抗原情報を細胞表面に提示する。ナイーブTリンパ球がTh2リンパ球に分化。サイトカインを分泌し、Bリンパ球を活性化する。IgE抗体産生され、マスト細胞表面に結合する。
【検査】<過去問21>20231123
診断:鼻汁中の好酸球の検出
【治療】
1.薬物療法 ── 抗ヒスタミン薬,局所ステロイド薬,抗ロイコトリエン拮抗薬(→鼻閉)など.また,重症の季節性アレルギー性鼻炎にオマリズマブ(抗IgE抗体)の適応がある.
※鼻閉型には抗ヒスタミン薬だけでなく,点鼻ステロイド,抗ロイコトリエン拮抗薬や抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬の追加が推奨される.
2.アレルゲン(減感作)療法 ── 原因抗原エキスを体内に入れる(皮下注,舌下投与)ことで反応を起きにくくする.
3.手術療法 ── レーザー治療など(主に鼻閉改善のため)