Masachainのシステムやアプリケーションはあえて使いやすくしすぎない方が良い
どういう気づきがあったか、とても簡単に言うと
「Masachainのシステムやアプリケーションはあえて使いやすくしすぎない方が良い。」
でもこれだとわからないと思うので、言い直すと、「Masachain のペルソナとして、Masachain が掲げる思想に共感しているということがとても大切で、Masachainのアプリケーションを使うという行為はその思想への共感を確認する行為としてデザインするべき。」ということです。
Masachain は人から人へのポジティブな感情を可視化することで、社会に新しいインセンティブ構造を生み出し、より持続可能な社会へと社会の構造を変革することを目指しています。現在行われている持続可能な社会を生み出すためのアプローチは、今の経済の仕組みの中に内部化することで実現を目指しています。排出権取引やタバコへの課税などがその例です。
一方Masachainのアプローチは、持続可能な社会を生み出すことに直接つながる新しい指標を作ってしまおうというものです。今の経済に内部化するのではなく、経済とは切り離した指標として新しい指標を作ります。指標を設けることによって、その指標を高める行動をとるインセンティブを生み出し、社会にインパクトを与えます。
このアプローチに置いては、Masachainが掲げる社会関係資本の状態が良くなる(もうちょっとウェットな言い方にすると、「徳」と「人と人の信頼関係」を大切にする)ことに共感するという一人ひとりの内面のあり方が重要になります。なぜなら、貨幣に価値があると多数の人が信じることによって貨幣に価値が生まれるように、Masachainの考え方に多数の人が共感することによってMasachainが示す指標に価値が生まれるからです。そして、この中においてはMasachainの考え方への共感を日々確認する事が必要になります。貨幣でいうと、買い物がそれに当たりますが、Masachainにおいては他人への感謝・共感・応援といった関係性の表明(我々はフィードバックと呼んでいます)がそれに当たります。
ここまで話して最初の話に戻ります。仮にとても簡単にMasachainのアプリケーションを使えるようにしたとして、フィードバックする際に利用者があまりにあっさりとそのプロセスを通り過ぎてしまい、その瞬間にMasachainへの共感がなくなってしまうと、Masachainが生み出す指標への価値も感じられれず、結果として実際に価値が無い仕組みになってしまうということです。そこで、あえてフィードバックのタイミングに何かしらの引っかかりを作ることで、利用者がMasachainの考え方への共感を再確認するべきではないかと思います。
これによって副次的にフィードバックの質が高まるという効用も期待できます。何かのついでに1タップするとフィードバックされる(他のシステムの作用の中で自動でフィードバックされることも考えられます。)のではなく、あえてあたかも儀式であるかのように、また祈るようにしてフィードバックを行っているという事が一つ一つのフィードバックの情報としての質を高め、それを基にした指標への説得力を生み出す可能性があります。
具体的にこれをどうデザインに落とし込むかについて考えて行きたいです。