第二言語習得のコツ
先日「脳が認める外国語勉強法」を読んで、なかなかいい本だと思ったのですが、そこには書いてなかったことを、補足の意味も含めて書きます。 「受容技術」と「生産技術」という意味の言葉だが、おおむね「理解系」と「自発系」の語学力の区分と考えていい
学校の授業でいえば「リーディングとリスニング」、「ライティングとスピーキング」をそれぞれ統合した範囲である
なぜこの2つに分けるのか?
リーディングとリスニングはセットで学ぶととても良いことがわかっているので、リセプティブスキルとしてひとまとめにして勉強するべき
なんでセットで学ぶといいの?:理解には、読解も聞き取りも、脳の同じ場所を使っているかららしい
作文とスピーキングもプロダクティブスキルとして統一して学ぶべき
まずはリセプティブスキルを鍛えるべし。
なぜ:見たり聞いたりしてもよくわからない状態で、作文や会話は絶対に無理だから
発音は最初にちゃんとやっておく
なぜ:文字と発音とが頭の中で一致しないと、リーディングとリスニングを同時に進めることができない
最低限の文法を覚える
なぜ:文法沼に落ちる必要はないが、最低限の雰囲気を理解しておかないと丸腰で戦うことになるから
フレーズを塊で覚える
なぜ:脳は言語を単語でばらばらに覚えているのではなく、フレーズ単位で記憶し、継ぎ接ぎや入れ替えで利用している
シャドーイング(録音を真似する)は、音声の区切りから文の構造がわかって便利なので併用すべし シャドーイングは時々自分の声を録音して発音の間違いを訂正する
成人後に学習を開始して発音を完璧にするのは難しいが、それでも95%まではネイティブに近づくことができる
単語ではDepthが重要
つまり、多くの単語を覚えるのではなく、一つの単語の様々な使い方を深く知るほうがよいということ
「700語覚えれば喋れる」という宣伝はあやしいが、しかし4000語覚えればしゃべれるというわけでもない
やり方:2人(以上)でディクテーションをして、終わった後に理解した内容を検討する
外国語だけを使って授業するときでも、文法のルールだけは母語で一言説明し、すぐに外国語だけに戻すという教え方
文法が覚えやすい
文法はルールなので、最初は母語で理解したほうが早いよ
移民が話せるのは目的があるからだという事実に着目した方法
伝える内容(目的)を決めて、生徒に言い方を考えさせ、それにふさわしい文法(手段)を教えるという手段
内容や文法を、目的と手段の形に置き換えると定着しやすいのだ
ディクテーションの弱点を補強するとよい
ディクテーションでよく間違える部分は、発音ができない部分
その部分をシャドーイングで発音できるように鍛える(シャドーイングでは文字を読んではだめですよ)
プロダクティブスキル面
作文は、書いて添削を受けるのが、地味だが一番よい方法だということが知られている 会話は、学習者のリセプティブスキルがあまり進んでいない段階で無理に何か言わせようとすると、文法的に間違いかは微妙だが、とにかく聞いたことのない奇妙な文を量産し始めてしまう
文法ルールに従っているかと、実際に通用する表現として受け入れられるかとは、少々の別のことなのだ